2018年7月15日(日)〜20日(金)
北海道!!!!!!!!

目的地 北海道
ルート
1日目 :  首都高速(加平−三郷)→ 常磐道 → 北関東自動車道(友部JCT− ひたちなか)→ 国道245号 →
「TOHOシネマズ ひたちなか」→ 国道245 →「大洗港フェリーターミナル」(139km)
2日目 :  「苫小牧西港フェリーターミナル」→ 道道259号 → 国道235号 → 道道1025号 →
「うらかわ優駿ビレッジアエル」(140km)
3日目 :  国道236号 → 国道336号 → 道道34号 →「襟裳岬」→ 道道34号 → 国道336号 → 国道236号 →
「中札内美術村(レストランポロシリ」→「花畑牧場」→ 国道236号 → 道道238号 → 国道38号 →
「十勝川温泉 観月苑」(207km)
4日目 :  道道73号 → 道道75号 → 国道38号 → 道道298号 → 国道237号 → 「深山峠」→「美瑛パノラマロード」
→ 国道237号 →「ふらのラテール」(206km)
5日目 :  国道237号 →「富良野マルシェ」→ 国道235号 → 道道259号 → 道道781号 → 道道259号 →
「苫小牧西港フェリーターミナル」(184km)
6日目 :  「大洗港フェリーターミナル」→ 県道2号 → 国道51号 → 北関東自動車道 → 常磐道 →「帰宅」(122km)
走行距離 998km

観測史上最速の梅雨明けと、いきなりの記録的な猛暑。
2018年の夏は、奇襲攻撃のような激しさをもって関東平野を飲み込んだ。

今年もワレワレ夫婦は計画し、実行に移した。ワレワレ夫婦は例年通り、7月の3連休を利用して夏季休暇を取得した。狂ったような暑さの関東を脱出して、さわやかな空気(だったらいいな)の北海道を大好きなバイクで走り回るのだ。

実は、今年はボーッとして行きと帰りのフェリーの予約開始日(乗船日の2か月前の9時スタート)を失念していて、「いけねっ!」と気が付いたときには既に帰りの予約開始日からでさえ10日も過ぎていたのだった。速攻でインターネット予約のページを開いてみたものの、バイク積載スペースの空きはなし。部屋もほぼ満室状態で、わずかにツーリスト(大部屋の雑魚寝)が残り一つとなっている。
俺は絶望感に打ちひしがれ、涙目で「大洗→苫小牧便」、「苫小牧→大洗便」の空席待ち(キャンセル待ち)予約登録を行った。
ああ、俺のバカバカバカバカ!

いっそ今年はまた、スカイツーリングで行くか?いや、いや、いや、スカイツーリングは去年からエグイほどの値上げを行っていて、この時期一人あたり18万円以上かかるのだ。それに宿代や向こうで使うおこずかいをプラスしたら、最低でも一人25万円。二人合わせて50万円かかるじゃないか!スイスアルプス観光や、カナディアンロッキー・アンド・オーロラツアーに行ける金額だ!いくらなんでもそこまでは出せない。ワレワレ夫婦はキャンセル待ちに一縷の望みを託したのである。

空席待ち予約を行ってからの日々は、少なくとも日に3回は商船三井フェリーのホームページを開き、行きと帰りの乗船日の予約状況をチェックした。
過ぎて行く日々、つのる絶望感。「今年は北海道あきらめて、信州ツーリングにするか」とワレワレ夫婦は話し合った。
しかーし!ツーリングの神様はワレワレ夫婦を見捨ててはいなかった。
空席待ち登録から数日経ったある日、まず行きのバイクと部屋が確保されたことを知らせるメールが届き、翌日には帰りの予約も確保された。
ああ、良かった。心の底からこみあげる喜び。(大げさすぎるよ)

かくしてワレワレ夫婦の、平成最後の北海道ツーリングが確定した。
今年の日程は船中2泊、道内3泊の5泊6日。日高から襟裳岬を回って、十勝の牧場地帯を走り、富良野や美瑛の美しい景色を堪能するのだ。距離を走らずに、のんびりと観光や景色を楽しむつもりだ。


■■1日目■■
7月15日、日曜日。
俺、5時起床、かみさん6時起床。
軽い朝食をとって、パッキング済みの荷物をバイク置き場に運び、かみさんのドラッグスターと俺のゼファー750にしっかりと括り付けた。
午前7時20出発。

大洗港の乗船手続き受付は午後4時開始。いくらなんでも出発が早すぎるのではないか。しかしだ。ここんとこの日中の気温は尋常ではない。午後4時到着予定で出発したら、35℃越えの灼熱地獄の中を数時間走ることになるじゃいか!
で、ワレワレ夫婦は朝まだ早い時間に出発し、大洗付近で時間をつぶすことにしたのだ。
ワレワレ夫婦は、外出先でなんか楽しいことをみつけて時間をつぶすのがうまいのだ。楽しいし。

ということで、常磐道、北関東自動車道をワレワレ夫婦は順調に進んだ。早い時間に出発したといっても、10時を超えると気温はすでに32、3℃に上がっている。去年同様かみさんの体調が若干悪くなったが、こまめに休憩しながら進んだら、かみさんの体調も回復したのだった。
ひたちなかインターで北関東自動車道をおりた。
信号待ちでとまると凄い暑さ。
早く北海道のさわやかな空気(だったらいいな)のなかを走りたい。

ちなみに、毎日チェックした北海道の1か月予報では、日々予報が目まぐるしく変化した。しかし、週間予報が見れるころになると、ワレワレ夫婦が回る地方は概ね曇りで、雨マークはない。
そりゃ晴天に越したことはないけど、雨が降らないだけでも7月の北海道ツーリングとしては幸運なのだ。でも多分降られるだろうけど・・・(ネガティブ)

そして到着したのが、大洗港の少し北。なぜか「TOHOシネマズひたちなか」だ。
ここでスターウォーズのスピンオフ映画「ハンソロ」を観たり、隣接のショッピングモールで船の中で読む本を買ったりして時間をつぶすのだ。
昼食は、映画館の売店のホットドッグとキャラメルポップコーン。

もはや頃合いの時間だ。大洗カーフェリーポートへ向かおう。

グーグル先生の指示に従って訳わかんない道を走ってたら、いつのまにか大洗カーフェリーポートのゲートが目の前に。
グーグル先生。疑ってごめんなさい。

いや、しかしだ。
グーグル先生の道案内は、ちょっとマニアックすぎると感じるのは俺だけ?

バイク待機場所には既に十数台のバイクが。

いまや、乗船手続きは開始されていた。
窓口には長蛇の列。インターネット予約をした人は、自動チェックイン機で手続きできる。窓口に比べて並んでいる人は少ない。
ワレワレ夫婦は自動チェックイン機の列に並んだ。数分待つとワレワレ夫婦の番になった。

自動チェックイン機によるバイクの乗船手続きは超簡単。確認事項に同意して、商船三井フェリーの予約確認ページから印刷してきたQRコードをかざすだけ。ほぼそれだけ。それだけで、二人分の乗船券、ミラーやハンドルに付ける苫小牧行きと書かれた紙の帯(端っこをシールで貼り付けて輪っかになる)、食事券(プレミアムの場合)乗船案内等がすぐに発行される。で、無事手続き完了。

乗船案内予定時間の17時30分まで時間があるので、フェリーターミナルの待合所で時間をつぶした。

時刻は17時。ワレワレ夫婦はバイクの待機場所に移動した。
そして乗船準備。

係の人の合図で待機場所から発進(突然なもんだから暖気ができない)して、本日乗船するさんふらわあの脇で停車。ここでまた、暫く待機。
係の人がやってきて、「乗船券確認させて下さい。」と言った。
俺は、ウエストバッグの取り出し易いポケットに用意しておいた乗船券(兼部屋のカギ)をサッと取り出した。すると係の人が乗船券のバーコードをリーダーでピピッと読み込んだ。
かみさんも乗船券をサッと取り出し、係の人がピピっと読み込んだ。

隣のハーレー乗りの男性は何故かパニクり、ハンドルに巻いた苫小牧行きと書かれた紙をかざして見せ、係の人に「いや、それじゃなくて・・・」と言われていた。

そんなこんなで、いよいよ乗船の時間が迫っている。
今年乗船する船は行きも帰りも新造船「さんふらわ さっぽろ」。(去年は新造船の「さんふらわあ ふらの」)
そこはかとなく緊張するとはいうものの、3回目の乗船だけあって、去年ほどの緊張感はない。

係の人の合図で先頭のバイクが発進。後ろのバイクが一定の間隔で続き、タラップのスロープを登って次々と船内に消えて行く。
やがてワレワレ夫婦の番になり、俺に続いてかみさんも発進した。慎重にタラップを登って船内に入った。左のスロープを降りて、2回Uターンして指示された場所にバイクを停めた。その間中無線インカムからは、かみさんのハイテンションな声が聞こえていたが、何をしゃべっているのかは分からない。
係の人が早口で「ギアーロー、ハンドルロック、サイドスタンドでお願いします。」と言って去って行った。

ワレワレ夫婦は船の中で必要になる一泊分の荷物をバイクから降ろし、エレベーター乗り場に向かった。エレベーター乗り場には既に凄い行列ができていた。
「階段で行こうか」ということになり、ワレワレ夫婦はエレベーター脇の階段を登った。
バイク用の車両デッキは2階、ワレワレ夫婦の客室は7階。しんどい・・・

ヒーヒー言いながら階段を上り、ようやっと客室に到着。
客室は、去年同様「プレミアム」だが、去年乗船した「ふらの」とはベッドや、ソファ、家具の配置が左右逆だ。

ほっとするのもつかの間、ワレワレ夫婦は急いで旅装を解き、俺はテキパキテキパキと電子機器(スマホ、デジカメ、ムービーカメラ、無線インカム)の充電をセットした。

個室には、必要十分なコンセントが用意されている。

とるものもとりあえず、足早に向かったのは展望浴場。
展望浴場は、乗船したらすぐに利用することができる。急いで向かって混む前に一風呂浴びたかったのだが、既に結構な混雑。
しかし、なんとか洗い場を確保して体と頭を洗い、浴槽に浸かって暮れていく大洗港を眺めた。

ここに至って、ようやくほっとする瞬間が訪れた。
さあ、北海道だ!
雨、降らないといいなあ・・・

風呂から上がって既定の行動。
俺は大洗のコンビニで買ったジャッキーカルパスをつまみに、船の自販機で買ったビール。
かみさんは牛乳。
これを、部屋のベランダで飲んだ。

夕暮れの大洗港。
日中の激しい暑さは影を潜め、若干じめついているとはいうものの、すずやかな風が吹き始めている。
間もなく出航という時間帯だ。
すこしまったりしてから、夕食会場へ向かった。

夕食は食堂でビュッフェ。料金は明日の朝食、昼食も含めて「プレミアム」の料金に組み込まれている。
料理の種類は去年と変わらない感じだったが、味は去年より美味しくなっていると感じた。

ここで、今回初のサッポロクラシック!別料金、500円!
俺とかみさんはビールとコーラで乾杯して、「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2018」のスタートを祝ったのである。


食事を終えて部屋に戻った。
食事中に船は出航していて、ゆるやかな揺れが続く中、時々軽くエンジンの振動が感じられる。
出航からしばらくはテレビが映るので、ワレワレ夫婦はテレビを見ながらくつろぎ、やがて睡魔にまけて就寝したのであった。


■■2日目■■
7月16日、月曜日。
おれもかみさんも4時起床。

展望デッキに出てみると、すでにたくさんの人がカメラを構えていた。

三陸沖(多分)。
進行方向右前方に姿を現した、真っ赤な太陽。
ここまではっきりと、水平線から登る太陽を見たのは初めてだ。
水平線よりやや上まで昇ったところで、若干薄い雲がかかったが、水、大気そして1億4千9百60km彼方の炎がおりなす神々しくも荘厳な光景がそこにあった。


日の出鑑賞の後は、早朝の船内をお散歩。

レストランで朝食。
和、洋、中、まあまあの種類の料理がそろえられている。
やっぱり、去年の料理より美味しい感じがする。

俺はこの日から毎朝、5日間連続で納豆を食べるという偉業を達成した。(全然偉業じゃないし)


昼食は軽食。
レストランでサンドウィッチとコーヒーをもらって部屋に戻り、ベランダで食べた。ちょっとしょぼい。
ちなみに、サンドウィッチの変わりにおにぎりも選べる。
ワレワレは夫婦そろってサンドウィッチを食べた。

ワレワレ夫婦とゼファー750とドラッグスター250を乗せた「さんふらわあ さっぽろ」は、定刻通り13時30分に苫小牧港に着岸した。
予想はいい方に裏切られ、苫小牧は快晴。


自衛隊関係の車両と大型トラックの下船が終わり、一般車両の乗客とオートバイのライダーが車両デッキに降りて下船準備を開始。

客室に持ち込んだ、一泊分の荷物をゼファー750の荷台のネットで固定した。
ハンドルロック解除。ギアをニュートラルに入れて、エンジンスタート。
ヘルメットをかぶって無線インカムのスィッチをオンにした。

「あー、あーーー、聞こえるー?」
「うん、聞こえる。」
よし、準備完了。

すでにバイクの下船は始まっている。
俺は、ヘルメットに装着したウェアラブルカメラのスィッチをオンにした。ワレワレ夫婦はそれぞれのバイクに跨り、下船の順番を待った。

やがてワレワレ夫婦の番になり、かみさんが先に発進。出発準備ができていないバイクの間を縫って進んだ。下船時のUターンは1回。前が詰まっているのでみんなテケテケターンだ。
俺もかみさんもテケテケテケテケと無事に方向転換し、出口がある3階車両デッキへのスロープを進んだ。

船の出口。それはまさに、北海道ツーリングの入り口。
2018年7月16日午後2時過ぎ。
ワレワレ夫婦はタラップを駆けおり、快晴の苫小牧に上陸したのであった。

ゼファー750とドラッグスター250を一旦停車。
商船三井フェリーで苫小牧港に上陸したライダーは、そのほとんどがこの辺りに一旦バイクをとめて身支度や最終的なツーリングの準備を整える。

快晴とは言っても、そこは北海道。東京から大洗の暑さとは段違いの爽やかさだ。こうしていてちょうどいい気温なのだから、走り始めて時間がたったら冷えてくるに違いない。
ワレワレ夫婦はここで暖かいウェアに着替えた。そして出発。

他のライダーもそれぞれの準備を終えて、続々と出発して行く。ワレワレを含めたライダー達は、苫小牧西港を背にして暫く一緒に進み、道道259の丁字路で左右に別れた。
同じ船で北海道に上陸したライダー達は、それぞれの思いや期待を胸に、ここから北海道の各地へ散らばって行くのだ。なんでもないことだけど、何故かちょっと感動。
そう言えば、去年もここで同じ気持ちになったことを思い出した。
ワレワレ夫婦は道道259号を右折し、日高方面に進んだ。

道道259号沿いのスタンドで給油していたら、同じ船に乗っていたエイプ50乗りの女の子が、スタンドの前をトコトコと走り去って行った。
俺は心の中で「皆さんお気を付けてー!」と叫んだ。

道道259号から国道235号に入り、無料の日高自動車道は使わずに一般道で浦河方面に進んだ。
日高から浦河までの海岸沿いは競走馬の飼育が盛んで、別名サラブレッド街道と呼ばれている。

道の駅「サラブレッドロード新冠」で休憩。
ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2018、初のソフトクリーム!
ん?・・・うーん・・・・、まあ美味しい。おいしいのだが、ワレワレ夫婦が求める北海道ならではのソフトの美味しさではない。
次のソフトに期待しつつ、出発。

初めて北海道をツーリングした時の初日に宿泊した、「静内温泉 温泉の森キャンプ場」(2年前の水害で被災し、今は休業中)を超え、右に太平洋の昆布漁、左に競走馬の牧場を見ながら進む。

今回のツーリング初のセイコマ!
略して初コマ!
ワレワレ夫婦はセイコマが大好きなので、セイコマでお惣菜とかお菓子とか買うだけでテンションが上がるのだ。

セイコマを後にして暫く進み、国道235号から道道1025号を左折。
午後6時。
本日の宿泊地、「うらかわ優駿ビレッジAERU」に到着だ。

乗馬体験、パークゴルフ、巨大ローラースライダーなどがある広大なリゾート施設内の宿。
そして素晴らしいロケーション。

部屋は広ーいツイン。
窓から見える景色も素晴らしい!
宿のロケーションで言うなら、トマムに匹敵するのではないだろうか?

例によって速攻で大浴場。
時刻は午後6時45分位。混雑を予想していたが、意外にも貸切!

ここのお湯は、温泉ではなく沸かし湯らしい。
でもいいのだ。気持ちいいから。

ああ、さっぱりした!
ってことで、またまた恒例のセイコマディナー!
セイコマのお惣菜、ほんと美味しい!

残念ながら、ここの宿でもサッポロクラシックは売ってなかった。なので黒ラベル。

本日の走行距離は140km。
苫小牧から浦河まで、昨日までの天気予報では曇りだったのに、ずーっと晴天の下の走行となった。
そのことに感謝

あしたの予報は曇り時々晴れ。どうか雨降りませんんように。

■■3日目■■
7月18日、火曜日。 俺4時起床、かみさん5時30分頃起床。
早起きして、宿のまわり、っていうかAERUの敷地内を散策した。
道の脇には、「馬優先」っていう標識が立っている。

ワレワレ夫婦は広大で美しい景色を満喫した。朝の空気が超清清しい。

朝食は、昨日セイコマで買ったちくわパン。
おいしいんだか、おいしくないんだか分かんないけど、なぜか食べたくなる。

午前7時過ぎに宿をチェックアウトした。

宿の前で記念撮影。本日も晴天だ♪(いまのところ)
のんびりと荷物を積載して、7時30分ごろ、浦河の宿を出発したのであった。

国道236号、左右を牧場に囲まれた牧歌的な道を進み、国道236号と国道336号の交差点にあるホクレンで給油。ちなみにワレワレ夫婦はホクレンフラッグにはあまり興味がない。なぜ?ときかれても理由は分からない。

それはさて置き、給油を終えて国道336号(襟裳国道)を進んだ。
「塩釜ローソク岩」、「親子岩」等を走りながら観賞した。

海沿いの襟裳国道を気持ちよーく走ってたら、だんだん雲行きが怪しくなってきて、かと思うと急に雲が低くなってきて、ワレワレ夫婦はあっという間に濃い霧に包まれた。
俺は思い出した。ツーリングマップルに襟裳岬に向かう道道34号は、「視界がゼロに近いほどの濃い霧が発生するので注意!」と書かれていたのを。
今はまだその手前の国道336号。このまま道道34号に突入したら、いったいどうなってしまうのか。ワレワレ夫婦はビビリまくり、「襟裳岬はやめて、このまま十勝に向かおうよ」という結論に達したのであった。なんか、滅茶苦茶寒くなってきたし・・・

だが、しかーし!
暫く走ったら急激に霧が晴れ、雲の切れ目に青空が顔を出し始めた。
「それじゃあ、せっかくだから行こうか」ということになり、予定通り国道336号から道道34号に入り、襟裳岬に向かった。

道道34号は進むにつれいい景色になり、襟裳岬の直前では、左右の草原越しに海を見渡せるという絶景の道。
ここは、バイクで走る価値がある。

で、襟裳岬に到着

襟裳岬には、大きな駐車場、お土産さん、歌碑、様々な意味不明なモニュメントがある。
恐らく、森真一の「襟裳岬」のヒットがなければ、ここまでの観光地にはなっていなかったのではあるまいか。

お土産屋さんで日高昆布を買おうと思ったのだが、店員の人がいない。
ワレワレ夫婦は日高昆布の袋を持って暫く間抜け面でぼーっと待った。しかし、一向店員の人が現れないのであきらめた訳であるが、いちいち書くほどのエピソードではない。(じゃあ書くなよ)

ジャン、ジャン、ジャアーン♪ジャン、ジャン、ジャアーン♪みたいなBGMで、船越 英一郎とか片平なぎさが登場しそうな風景。
だが、いちいち書くほどの感想ではない。(だから書くなって)

襟裳岬を一通り観光して出発の準備をしていたら、車中泊と思われる軽バンから降りてきた、仙人のようなおじいさん登場。なんか、強烈なキャラクター。

「何日目?」北海道に来てから何日目?っていう意味だろう。
「昨日着いたところです。」
俺は答えた。
おじさんは、本当に仙人のような風貌で、尚且つ顔が怖い。
「北海道、道悪くない?ガソリンスタンドの入り口にはすごい段差あるし」おじさん、那須ナンバーなのになぜか関西のイントネーション。
「そうですね、でも景色には変えられないので・・・・」
「ああ、そうか。何回目?」多分北海道ツーリング何回目?っていう意味だろう。
で、俺は答えた「8回目です。」
おじさんは少し驚いた顔になり「ようけ来とる!」と言った。
おじさんは立続けに、これから何処に行くのか?、明日は何処に行くのかと質問した。そしてこんな感じで話しかけてくる人の内ほぼ9割の人が発する言葉。それを、このおじさんもやはり口にした。
曰く「俺も若い頃乗ってたもんでね・・・」
そう、観光地の駐車場で話しかけてくるお年寄りは、その全てと言っていいほど元バイク乗りだ。
年をとって体力的にバイクに乗れなくなっても、バイク乗りは永遠にバイク乗り。ライダーを見かけるとつい話しかけたくなってしまうのだろうか?俺もいつかはそうなるのだろうか?うーん、感慨深いものがある。

ワレワレ夫婦の出発準備が整うと、仙人のようなおじいさんは、「気をつけてね」と言った。ワレワレ夫婦は「ありがとうございます。」と答えて出発した。

「 道道34号、100人浜を越えて北上。再び国道336号(黄金道路)を走り、道内最長(4941m)の「えりも黄金トンネル」に差し掛かった。
俺もかみさんもトンネルは苦手なのだが、幸い後続車が全くいなかったのでゆっくり走った。北海道のトンネルは道幅が狭かったり、暗かったり、路面がいかにも滑りそうでしかもカーブしてたりして怖いのだ。

ともあれ無事に4941メートルを通過し、国道236号(広尾国道)に入った。
道の駅「コスモール大樹」で休憩して、昼食予定地に向かった。

昼食予定のレストランがある、「中札内美術村」に到着。
時刻は11時過ぎ。
ここのレストランは混雑が予想されるので、早めの到着目指して一目散にやって来た。

駐車場から森の中を若干迷いながら歩き、レストラン「ポロシリ」に到着。
地場の野菜が美味しいと評判の、人気のレストランだ。

幸いにも先客は一組。ワレワレ夫婦は学食や社員食堂のように、カウンターに並んだ料理を注文して食器によそってもらい、トレーにのせながら進んだ。
そしてお会計をしてテーブルへ。

先客は一組なので、余裕でテーブルについた。

俺はカレー(ブラックカレー?)と、ざる豆腐と、キュウリのなんか(漬物みたいの)を注文。
キュウリのなんか(漬物みたいの)が異常に美味しかった。ざる豆腐は普通の美味しさ。カレーはなんか不思議な美味しさ。

かみさんんは、玄米の炊き込みごはんみたいのと、グリーンサラダと、ポテトサラダ?を注文。
森のオシャレなレストランで、まったりとした時間を楽しんだ。

と思ったら、次から次へとお客さんがやってきて、店内はあっという間にほぼ満席になり、カウンターには行列ができていた。
ああ、早めに来てよかたー。

レストラン「ポロシリ」がある「中札内美術村」から少し走って到着したのは・・・

花畑牧場!

お土産やさんで、自分がほしい物をショッピング。

そしてこれ、花畑牧場のソフトクリーム。
俺は、千歳空港で食べて知ってたけど、やはり、ワレワレ夫婦が求める北海道ならではのソフトの味ではない。
今年の北海道ツーリングは、ソフトクリームに関しては、残念2連発だ。
まあ、人それぞれ、好みはあるとは思う。あくまでも、ワレワレ夫婦的感想だ。


花畑牧場の駐車場で記念撮影。
花畑牧場の駐車場は砂利道で、そこそこ出口まで距離があって、しかもでこぼこがあったので、かみさんは苦戦していた。

花畑牧場を後にして、国道236号を帯広方面に進み、道道238号を経由して国道38号を右折。
国道38号沿いのスタンドでゼファー750とドラッグスター250のタンクを満タンにして、セイコマでおやつを買って本日の宿に向かった。

午後3時30分。
本日の宿泊地。十勝川温泉「観月苑」に到着。
部屋はこじんまりとして、清潔な和室だ。
窓からは十勝川の景観を見渡せる。
落ち着く宿だ。

速攻で大浴場。
予想に反して、こちらも貸切だった。

おれは、まず体と頭を洗い、誰もいない露天風呂につかって「う゛え゛〜」と唸ったのだった。

十勝川温泉の泉質は、ナトリウム−塩化物・炭酸水素物塩泉(低張性弱アルカリ性高温線)。
日本で珍しいモール温泉で、一般的な鉱物性温泉に比べて世界でも希少な泉質。資源が限られている貴重な温泉資源らしく、数ある北海道内の温泉地に先駆け、平成16年に北海道遺産として選定されている。
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、痔疾患、慢性消化器官、慢性皮膚病、病後回復期、疲労回復、健康増進、虚弱体質、慢性婦人病、冷え性、きりきず、やけどなどに効果があるらしい。

入浴 → ビール → 昼寝。
定番のルーティーンを経て、夕食の時間がやってきた。

宿の夕食はビュッフェ。
どの料理も美味い。っていうか、すごーくレベルが高い。
ビュッフェにありがちな、無難な美味しさは確実に超えている。

ワレワレ夫婦は満足して食事を終え、部屋に戻った。
俺は、もう一度温泉に浸かって就寝したのであった。

本日の走行距離は207km。
明日は大好きな富良野や美瑛を走り回って、お気に入りの宿で一泊するつもりだ。

■■4日目■■
7月19日、水曜日。
4時起床。かみさんはまだ真夜中。
ここの大浴場は掃除の時間を除いて24時間入浴可能だ。だから俺は、起きるなり超高速で歯をみがき、そして大浴場に超速足で向かった。
目的は早朝の貸し切り温泉!
しかし、脱衣所には先客が一人。
先客のおじいさんは、すっぽんぽんでニコニコしながら近づいて来て、なにやら訳の分からないことを早口で喋っている。ん?よく聞いたら韓国語だ。

おじいさんは、俺に何かを質問している。すっぽんぽんで。
当然何を言っているのか分からない。
しばらく、韓国語と日本語の不毛なやり取りが続き、やがておじいさんが俺が部屋から持って来たタオルを指さし、なんとなーく「どこにあるのか?」といったふうのゼスチャーをした。
ああ、やっと分かった。俺は天井を指さし、「部屋、部屋」と連呼した。客室はすべて大浴場の上階なのだ。
「ヘヤー・・・」おじいさんは両手を合わせて左手の甲を右の頬にあて、頭を右に傾けてオネンネのポーズをとり、「ん?」と言った。
どうやら通じたようだ。俺は「うん、うん、うん」と3回首を縦に振った。
「ああ〜・・・」おじいさんは落胆の表情になり、一度脱いだ衣服を身にまとい、俺に頷いて脱衣所を出て行った。

で、結局早朝の温泉独り占め!
おじいさんには悪いけど、開放感を味わいつつ、のんびりと湯につかったのだった。
ああ、いいお湯!

一風呂あびて脱衣場に出ると、先ほどのおじいさんがちょうど入って来て、俺にタオルをかざして、軽くガッツポーズをとった。
俺はグッジョブ!と(心の中で言い)、おじいさんに向かってサムズアップしたのであった。

朝食は、昨夜に引き続きビュッフェ。
例によって俺は和食。
どの料理も本当にうまい。
パックの納豆でさえうまい。十勝は豆が名産だからか。

かみさんはいつものように、洋食を中心にチョイスした。

朝8時10分。
本日の帯広地方は曇天。ワレワレ夫婦は厚着をして十勝川温泉の宿を出発した。
コスパの高い、いい宿であった。

道道73号、道道75を走って、帯広市街をパスした。
まーっすぐな田舎道が続く。太陽が出てないので寒い。

新得の辺りで国道38号を右折。

国道38号は狩勝峠に向けて高度を上げると段々霧がでてきて、やがて濃霧となった。滅茶苦茶寒い。
昨日、襟裳岬に向かう国道336号で経験した霧より濃厚な霧で、すぐにウェアがびしょびしょになってきた。
幸い後続車の気配はないので、ゆっくりと安全な速度で進んだ。

狩勝峠を超えて下りに差し掛かると、一気に霧が晴れてきた。


そして快晴!
アーンド気温上昇!当然ながらテンション急上昇!

ワレワレ夫婦は国道38号を富良野方面へ向かった。

道の駅「南ふらの」で休憩。
ここでかみさん、ピュアホワイト購入。

国道38号の布部駅を超えて道道298号に入る。
畑や牧場の間の、真っすぐで、美しくて、富良野らしい道を暫く進んだ。
本日の昼食予定地「あぜ道より道ファームレストラン」に到着。
ワレワレ夫婦はゼファー750とドラッグスター250を停め、グローブを外し、ヘルメットをとって上着を脱いでバイクのハンドるに掛けた。
駐車場は、ガラガラ・・・・・
店の入り口に行くと案の定、「定休日」の看板が・・・
なんで、確認しないんだよ俺!

だが、しかし。ふっふっふっ。
こんなこともあろうかと思って、ここから直ぐのレストランも第二候補としてリサーチしてある。さすがは俺だ。
ワレワレ夫婦はバイクのもとに戻り、上着を着て、ヘルメットをかぶって、グローブをつけた。
で、出発。

グーグルマップに行先のレストラン名をを入力してルートを確認。ここからほんとに僅かの距離だ。グーグル先生の案内に従って進んだ。
何回か右左折を繰り返して少しすすむと、グーグル先生が目的地に到着したと告げた。
俺は周りを見渡した。
のどかで、いい景色だ。
なんて言ってる場合ではない。レストランらしきものはどこにも見当たらない。どころか、あたりには建物がない。畑以外なにもない。
どゆこと?グーグル先生!

ワレワレ夫婦は来た道を戻りつつ、ラベンダー畑の脇で記念撮影を行った。
ああ、いい天気。そしてなんて素晴らしい景色!
いや、いや、いや、そんなこと言っている場合ではない!とりあえず昼食だ。ああ、腹減った!腹減ったけどいい景色はいい景色!もうなにがなにやら。

ワレワレ夫婦は協議した。
かみさん「ファーム富田行ってみる?」
俺「そうしてみるか」
となって、ファーム富田へ向かった。

とーこーろーがー!
ファーム富田周辺は駐車場に入る車で大混雑で、2輪駐車場も満車だ。

で、再び協議
そして、決定。ワレワレ夫婦は次の目的地、上富良野町の「深山峠(みやまとうげ)展望台」に向かうことにした。そこの売店で何か食べることにしたのだ。


国道237号を美瑛方面に10kmほど進むと、道の右側に深山峠展望台はあった。
ワレワレ夫婦は対向車が途切れるのをまって、深山峠展望台の駐車場向けて右折し、空いている場所にバイク2台を停めた。
ここも混んでるんだろうなー、とか思いながら来たのだが、駐車場は思いのほかすいている。

国道237号のこのあたりは、何回も通ったことがあるのだが、ここに来るのは今回が初めてだ。
深山峠には、アイス工房や売店、トリックアート美術館や観覧車まであり、駐車場の奥の方には十勝岳連邦を一望できる絶景の展望台がある。

さっそく「深山アイス工房」のジェラート。普通。

そう、そうなのだ。ワレワレ夫婦は空腹なのだ。なので売店で昼食購入。
俺は、富良野バーガー、かみさんはオムカレーフランク。
これを、ガラナを飲みながら食べた。
富良野バーガーは、豚肉のハンバーガーだ。たっぷりのバーベキューソース(みたいなの)で、手や口の周りや鼻のあたまがべたべたになって食べにくいけどうまい。

食後はこれ!(またかよ)
売店で買ったソフトクリーム!
・・・・・・
うーん残念4連続。
今年の北海道は、天気にはめちゃくちゃ恵まれてるけど(こんなの初めて)、ソフトクリームには全く恵まれていないのであった。

とりあえず昼食を食べて、展望台へ。
ワレワレ夫婦は、十勝岳連邦の絶景を楽しんだ。
壮大で荘厳で、気高い。BGMは中国人観光客の大声の会話だ。

備え付けのカメラ台にデジカメを置いて、記念撮影。
タイマーモードにしてシャッターを押し、額縁を模したパネルの裏へダッシュしたのだった。

深山峠を後にして、美瑛パノラマロードを走る。
美瑛パノラマロードエリアは去年初めて走ってみたのだが、一発で大好きになってしまった。

パッチワークの道エリアと違って観光客も車も少なく、美瑛ならではの美しい丘がつらなる風景をながめながら、気持ちよーく走れるのが魅力だ。
要所要所の展望台からの景色も絶景で、何気なく走っていると、切なくなるほどメルヘンチックで美しい景色が、突然現れたりする。

ワレワレ夫婦は昨年訪れることができなかった、「三愛の丘展望台」の駐車場にゼファー750とドラッグスター250を入れて暫し休憩した。

景色を堪能して出発。

丘の上の赤い屋根の小屋。
ああ、メルヘンだ。

ここは、知る人ぞ知る撮影スポットだ。ワレワレ夫婦の直後に到着したライダーが撮影の順番待ちをしていたので、急いで写真を撮って出発した。
ワレワレ夫婦は美瑛パノラマロードの景色を楽しみつつ、ゆっくりと本日の宿へ向かった。

午後3時20分。
本日の宿泊地、「ふらのラテール」に到着。

「ふらのラテール」は去年の北海道ツーリングでも最終日に宿泊して、ワレワレ夫婦のお気に入りとなった宿だ。
去年は露天風呂付のツインに泊まったが、今年は予約がとれずに和室にした。和室でのんびりするの好きだからいいけど。

部屋の冷蔵庫にはサービスで、人数分のミネラルウォーターと富良野メロンが入っている。
窓から見える景色は、十勝岳連邦だ。

この宿はサービスはいいし、部屋からの景色はいいし、従業員は感じいいし、ロケーションはいいし、温泉もいい。だからお気に入り。

で、その温泉。
ここの大浴場は日帰り入浴ができるので混雑していると思いきや、時間が早いせいか、またまたほぼ貸し切り。

ここの大浴場には、寝湯、気泡風呂、洞窟風呂、打たせ湯、壺風呂、露天風呂、サウナなど、たくさんの湯舟や設備がる。
大浴場は、和風大浴場と洋風大浴場があって、時間帯によって男湯と女湯が入れ替わるようになっている。
この時間帯は、男湯が和風大浴場。

今日は強い日差しの中、半袖で観光したので腕が日焼けしてて、湯舟につかるとひりひりする。

風呂から上がり、夕涼みのお散歩にでかけた。と思ったら、まだまだ日差しが強くて暑い。
ワレワレ夫婦は、宿の隣の大型スーパーにテクテクと歩いて出かけ、宿で食べるおやつを購入した。

売店でソフトクリームを販売していたので食べてみた。
何気なくスーパーで買ったソフトクリームが、今のところ今回のツーリングで食べたソフトの中で一番おいしい。

宿に戻り、ビール飲んで昼寝。(これは欠かせない)
午後7時30分に夕食会場のレストランに向かった。

ふらのラテールの夕食はコースメニュー。
献立は、
先 付 とうもろこしの冷たい吸い物
前 菜 塩〆大兵の和風カルパッチォ
造 里 夏野菜の刺身 水茄子 冬瓜 湯葉 梅肉醤油
肉料理 北海道野菜とふらの和牛フィレの網焼き
酢の物 出汁で食べるトマトのサラダ
止 肴 日本海産塩水雲丹 自家製南蛮味噌 長芋のわさび漬け 芽蓮根紫蘇漬け
食 事 北海道産ななつぼし
留 椀 あさりの味噌汁
甘 味 上富良野町山本農園の朝もぎ苺 美瑛産ブルーベリー
    富良野メロンを使ったロールケーキ
といった本格的なもの。
食後の飲み物は、コーヒー、紅茶、ほうじ茶から選べる。
北海道野菜、ふらの和牛、出汁で食べるトマトのサラダが超美味しかった。いや、ほんとに美味しかった。
ごちそうさまでした!

本日の走行距離は206km。
早くも明日は最終日。
お土産を買って、ゆっくり苫小牧に向かう予定だ。

■■5日目■■
7月19日、木曜日。
俺は、5時起床。
朝風呂に入ってから、宿の周辺を散歩した。

今朝の富良野は曇天。
低い雲が掛かった十勝岳連邦が、彼方に連なって聳え立ち、神々しい姿を見せている。

宿の朝食は、和風御膳。
献立は、焼き魚、おから、梅干し、漬物、ふろふき大根、納豆、生卵、焼き海苔、海苔の佃煮、湯豆腐、味噌汁といった完璧なもの。
ご飯は北海道産ななつぼし。
生卵と納豆があると、少なくともご飯を三杯は食べなければならない。(別にならなくはない)

午前8時30分。ふらのラテールチェックアウト。
午前8時50分。最終日の走行スタート。
2018年の北海道ツーリング、最後の走り。
ワレワレ夫婦はそれをかみしめて、心に刻みながら苫小牧に向かうのだ。

昨年同様、富良野マルシェでお土産ショッピング。

昨年同様、富良野チーズ工房のジェラートゲット。
昨年同様、安定の美味しさ。

曇天の国道237号(国道38号)を進む。
ああ、本当に最終日なんだなあ。

昨年同様、国道237号(国道38号)沿いの直売店で、茹でたトウキビゲット。
昨年同様、一粒試食。
かみさんはこれをしないと、気がすまないのだ。


昨年同様、道の駅「自然体感しむかっぷ」で休憩。

うかつにも、今年気が付いた。
ここのソフトクリームは、「ノースプレインファーム」のソフトだったのだ。
どうりで美味しいわけだ。
当然ゲット!

文句なし!
今回のツーリング中、ナンバーワンのソフトクリーム!
最後の最後に食べれて、良かったああああ!

北海道には、魚介類、ジャガイモ、とうきび、ジンギスカン、野菜といった美味しいものが限りなくあるが、取り分け、ワレワレ夫婦は北海道の絶品乳製品に遭遇したときに幸福感を得るようだ。

ワレワレ夫婦は、ノースプレインファームのソフトクリームを食べて幸せな気持ちになり、道の駅「自然体感しむかっぷ」を出発した。
国道237号を南下し、日高峠を越える。
曇天で空気が湿っているので、日高峠では降られるかと懸念したが杞憂に終わった。

国道274号の交差点を超えて、なお国道237号を進む。
今回のツーリングラストのセイコマ(略してラスコマ)でトイレ休憩とショッピング。
さらに国道237号を南下して日高自動車道の日高富川インターを超え、国道235号を右折。
5日前にワクワクしながら走った道を逆方向に走り、苫小牧方面に進んだ。

午後2時20分。
ワレワレ夫婦は苫小牧西港に到着し、大洗行きのバイク置き場にゼファー750とドラッグスター250を停めた。
ワレワレ夫婦が一番乗りだ。


フェリーターミナルで、追加のお土産ショッピングをしながら時間をつぶした。

午後3時。乗船手続き開始の時刻になり、ワレワレ夫婦は自動チェックイン機でスムーズに乗船手続きを完了した。

さあ乗船の時間がやってきた、慣れてきたとはいうもののそこは若干の緊張感。なにせ今回は俺がバイク乗船組の先頭なのだ。
係りの人の合図で発進。タラップのスロープを慎重にのぼり、バイクを止める2階の車両デッキへ。

係りの人の誘導に従って進むと、バイク置き場の中でも一番出難いではないかというスペースにゼファー750を停めさせられた。ちょっとショック。
一方かみさんは、一番出やすい位置の先頭に誘導された。
出やすそうだけど、緊張しそうなポジション。
夫婦そろって、明日の下船が若干不安だ。

例によって速攻で展望風呂で一風呂浴び、部屋に帰ってビール。
しつこいようだが、船内の自動販売機でサッポロクラシックが売ってないのが残念だ。

出航の時間となり、ワレワレ夫婦は展望デッキに出た。
「さんふらわあ さっぽろ」はゆっくりと方向転換して港を離れ、夕暮れの太平洋に出て、南下を開始した。

出航から数時間。海上には霧が漂い、幻想的な雰囲気。
ああ、どんどん北海道から離れていく。日常が近づいて来る。
そんなことを思って、切なくなりながら就寝。

■■6日目■■
7月20日、金曜日。 天気が今一で日の出を見ることはできなかったが、雲の切れ目に太陽が顔を出し、海面を一筋輝かせる美しい光景を見ることができた。

レストランで朝食のビュッフェ。
五日連続納豆ご飯達成!(どうでもいいから)

昼食はレストランで、簡易ランチをテイクアウト。
選択肢は、キーマカレーかジャージャー麺(だったと思う)。
ワレワレ夫婦は、二人ともキーマカレーを選択して部屋に戻り、ベランダで海を見ながら食べたのであった。

苫小牧発の商船三井フェリーの大洗港着岸予定時間は定刻で14:00。
館内放送で、今日は定刻より30分程早まると言う。
ワレワレ夫婦はキーマカレー(まあまあ美味しかった)を食べ終え、部屋を片付けて下船の準備を行った。

大洗港が見えてきて、急速に接近したかと思うと着岸した。
下船の順番は、自衛隊関係車両、貨物車両、一般の乗用車とバイクだ。

着岸から数十分。一般車両の下船を告げる館内放送があり、ワレワレ夫婦はエレベーターでバイクが置かれた2階車両デッキに向かった。

下船準備完了。
バイク軍団の先頭で待機するかみさんが、そこはかとなく緊張気味だ。

とうとうその時はやってきた。
一しきり一般車が下船して行ったあと、係りの人がバイク置き場の方に近づいて来て、かみさんの前に置かれたパイロンを脇にどけた。そして「どうぞ」と言ったかどうかは分からないが、そんな感じのジェスチャーをかみさんに向けて行った。
かみさん出発。
発進してすぐのUターンをテケテケターンで無事乗り切り、出口フロアへのスロープをブォーーーッとすごい勢いで駆け上がって行った。

問題は俺だ。
苫小牧ではせっかく先頭に並んだのに、なんで最も出しにくい場所に停めさせられたのか。
俺は暫く待機し、周りのバイクがあらかた出発するのを待って、何回も切り返して発進した。
そして、無事に下船した。

かみさんは先頭で下船し、俺は最後の方で下船。
予め決めておいた待ち合わせ場所で落ち合い、5日ぶりの我が家目指して出発したのであった。

「水戸・大洗」インターから北関東自動車道に乗り、友部ジャンクションで常磐道に入った。
暑い。北海道のさわやかな空気の中を走り回っていたワレワレ夫婦には地獄だ。

「守谷」サービスエリアで休憩。
バイク置き場には、同じ船に乗っていたライダーがたくさんいた。というか、ほぼ全員同じ船に乗っていたライダーだ。
なんとなく連帯感。

ツーリング最後のソフトは、守屋SAの「クレミア」。
美味しい。けど、俺はやっぱり北海道ならではの牛乳味濃厚なソフトが好きだ。

7月20日金曜日、午後5時30分。 5日前に出発してから998km走って、無事我が家に帰還したのであった。

ほぼ一か月かかって、2018年の北海道ツーリングのレポートを書き上げたわけであるが、北海道ツーリングを重ねるにつれ、ワレワレ夫婦の北海道への思いは強まっている。
ゆえに今や、北海道ツーリングのツーレポを書くという行為は、せっかくの思い出(ワレワレ夫婦にとってはかけがえのない宝物だ)を台無しにしてしまうのではないかという恐怖心を伴っている。
どんなに、なけなしの文章力を駆使しても、まったくセンスも技術もない写真を掲載しても、その場で目にした光景や感動を伝えることの困難さを、俺はここ10年でいやと言うほど味わった。
だが、しかし。
初北海道ツーリング(2008年)のツーレポを読み返してみて、俺は思った。それは「これじゃん!」ってことだ。
で、行き詰っていた今回のツーレポも後半部分はスムーズに筆が進み、素直に書きたいことを書けたと思う。気負うことなしに。

ツーリングレポートを書くために北海道ツーリングをしているわけではないにせよ、その時々の感動は記録として残しておきたい。
例えば今回の北海道ツーリングでは、サラブレッドの厩舎、牧場と大量の昆布が干されている海沿いの道。
霧を超えてたどり着いた強風の岬、そこで出会った千人のようなお年寄り。
森と牧草地、放牧の牛がのどかにすごす牧歌的な風景。
美しい丘が連なる道の前方、彼方にそびえる山脈、その稜線の神々しい姿。
今年の北海道ツーリングでは、その全てが陽光の下にあった。

はたまた、駐車場で出会ったタンデムツーリングのご夫婦。ワレワレ夫婦が立ち去り際ペコリとあいさつすると、ご主人はペコリと頭を下げ、奥さんは飛び上がらんばかりのテンションで両手を振ってくれた。
丘の展望台で出会った中国人の子供は、ワレワレ夫婦のバイクに興味深々。
かみさんが微笑みかけるとニコっと笑い、かみさんが手を振ると照れ臭そうに手を振って返した。

何回も言っているように北海道ツーリングの思い出は、ワレワレ夫婦にとってなにものにも代えがたい宝物なのだ。正直な話、美しい思い出は、映像よりも画像よりも文章で残せると思っている(俺のつたない文章力であってもだ。っていうか、下手な文章のほうがあとから読み返して感慨深いものがあったりする)。

いずれにしてもだ。来年も北海道をツーリングして、ワレワレ夫婦はまた新しい宝物を手に入れようとするに違いない。それは確かなことのように感じられる、今のワレワレ夫婦なのであった。



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