2017年7月15日(土)〜21日(金)
北海道!!!!!!!

目的地 北海道
ルート
1日目 :  首都高速(加平−三郷)→ 常磐道 → 北関東自動車道(友部JCT− 水戸大洗)→ 国道51号 →
県道2号 →「大洗港フェリーターミナル」(119km)
2日目 :  「苫小牧西港フェリーターミナル」→ 国道234号 → 国道12号 → 道道139号 → 道道278号 →
国道275号 → 国道233号 → 「留萌宿」(188km)
3日目 :  「留萌宿」→ 国道232号 → 道道106号 → 道道254号 →「ノシャップ岬」→ 国道238号 →
「宗谷岬」→ 国道238号 → 「稚内宿」(260km)
4日目 :  「稚内宿」→ 国道238号 → 道道889号(宗谷丘陵) → 国道238号 → エサヌカ線 →国道238号 →
「紋別宿」(242km)
5日目 :  「紋別宿」→ 道道713号 → 国道273号 → 国道39号 → 道道140号 → 道道37号 → 道道68号 →
国道452号 →「美瑛パッチワークの丘エリア」→「美瑛パノラマロードエリア」→
「上富良野パノラマロード江花」→ 「富良野宿」(219km)
6日目 :  「富良野宿」→ 国道237号 → 道道136号 → 道道610号 → 国道274号 → 道道462号 →
国道234号 →「苫小牧西港フェリーターミナル」(178km)
7日目 :  「大洗港フェリーターミナル」→ 県道2号 → 国道51号 → 北関東自動車道 → 常磐道 → 国道6号 →
「帰宅」(137km)
走行距離 1,343km

例年4月に始まるANAのスカイツーリングの受付が、今年は4月の中旬になっても開始されていなかった。 ちなみに、去年は3月の後半には受付が開始されていた。
毎日ネットをチェックしたが、4月の後半になっても受付は開始されず、スカイツーリングは去年で終了してしまったのではないかとワレワレ夫婦は危惧し、フェリーでの渡道を検討し始めた。

結局、今年はゴールデンウィークが明けてからスカイツーリングの受付が始まったのだが、去年までに比べて爆裂に値上がりしていた。
過去6回の北海道ツーリングは、全てANAのスカイツーリングでバイクを空輸している訳だが、理由は長い休みがとりにくいのと、かみさんが船に酔うからだ。
しかしだ。こんだけ一気に値上げされたら、そんなことも言ってられない。かみさんは「酔い止め飲めば大丈夫かも」って言ったり、「船も楽しそうだね」って言ったりするし、会社で相談したらどうにか丸1週間休めそうだし、「それじゃあ今年はフェリーで行くか!」となった。
かくして「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2017」は、7回目にして初のフェリーによる渡道に確定したのであった。

航路は商船三井フェリーの大洗−苫小牧間の夕方便。日程は7月15日(土)から21日(金)。船中2泊、道内4泊の6泊7日の旅だ。この日程だと、行きも帰りも今年の5月に就航したばかりの新造船「さんふらわあふらの」に乗ることになる。インターネットの情報によれば「新ふらの」は人気で、予約が取りにくいらしい。俺はそこはかとなく緊張し、何回もインターネット予約の予行演習を行った。
予約受付が開始されるのは乗船2ヶ月前のAM9時。俺は何十分も前からパソコンの前で待機し「ピッピッピッポーン」となった瞬間にインターネット予約を行った。結果、行きも帰りも目的の便と希望の船室の予約に成功したのだった。やったー!!!って感じだ


■■1日目■■
7月15日土曜日。出発の日。
乗船するフェリーは16:00乗船手続き開始、19:45出航だ。時間に余裕があるのでワレワレ夫婦は遅めに起床し、家の掃除をすませた。6泊7日の大荷物をゼファー750とドラッグスターに括り付け、余裕を持って出発。

気温が高く、かみさんの体調があまり良くなかったので休み休み進んだ。

15時30分頃大洗港フェリー乗り場に到着。すでにバイクが4台到着していた。

正座してフェリーを見てますが・・・
この頃にはかみさんの体調は、回復していた。いったいなんだったのか・・・。

ゼファー750とドラッグスターを乗船待機場所に停めて、ワレワレ夫婦はフェリーターミナルの建物に向かった。
自動チェックイン機で乗船手続きを行い、フェリーターミナルでのんびりと時間を潰した。
やがて乗船開始時間が近づき、ワレワレ夫婦はバイクの乗船待機場所に移動した。
トラックと自衛隊関係の車両がまず乗船し、17時30分頃からバイクの乗船が始まる。最後に乗用車の乗船だ。

写真は乗船直前の列。今や緊張の坩堝!どうかコケずに無事に乗船できますように・・・とかいいながら、バイク置き場からここに移動するために取り回しているときに、すでに軽くバイクを倒してスーパースターになった俺なのであった。だって荷物が重いんだもん。バイクを起こすの手伝ってくれた人、ありがとうございました。

バイクの乗船方法はYouTubeで事前に確認していたのだが、新造船は若干駐輪位置が違っていた。
右舷側から乗船して、船内に入ってからすぐに左のスロープを降りるまでは、「旧ふらの」と変わらないようだがスロープを降りてから、2回Uターンしてバイク据付位置に誘導され、係りの人から「ハンドルロックして、ギアをローに入れて下さい。」と指示を受ける。係りの人が手際よくバイクを結束具で固定して行く。

ちなみに、バイクを停めるフロアは2階。乗船口は3階だ。
俺もかみさんも、心臓バクバクしながらどうにか乗船したのだった。ああ、コケないでよかった♪(ってコケただろ)
小分けした本日1日分の荷物を素早く降ろし、手分けして持ってエレベーターで客室に向かったのであった。

予約した客室は「プレミアム」。バス、トイレ、テレビ、おまけにベランダまでついた豪華なツインルームだ。
デスク、ソファーも充分な大きさで、普通にホテルの客室だ。
しかも5月就航の新造船だから、すんごーくきれい。ワレワレ夫婦はテンションが上がり、「すげー!」「すごーい!」と連発したのであった。往復こんな豪華な客室でも、スカイツーリングよりはるかに安い。時間さえあれば、やっぱ船のほうがいいなあ。楽しいし。
出航時間は19時45分。残された問題は、かみさんの船酔いだ。

写真はベランダから眺めた、大洗港の景色。

かみさんは、酔い止めの薬を出航1時間前に飲み、酔い止めのバンドを両手首に装着している。

ワレワレ夫婦は荷物を降ろして、速攻で展望大浴場に向かった。
バイクは乗船順位が早いので、空いているだろうと判断したからだ。

大浴場にはすでに数人の先客がいた。俺は体と頭を洗い、湯船に浸かって広い窓から大洗港の景色を眺めた。
まだ出航していないので全く揺れることもなく、とても船の中だとは思えない。
いやー、船旅楽しいっす!

続いて夕食。
レストランは混雑していて、何人か入口で並んでた。15分程待って席に案内された。
レストランの食事はバイキング。評判通りあまり美味しくないが、とりたてて不味くもない。
プレミアムに宿泊すると、夕食、朝食、昼食が3食無料なので、贅沢は言えない。
俺は有料のビールを追加でゲットして飲みながら、焼き蕎麦、サラダ、チャーシュー、から揚げと言った料理を食べた。

食事中に新造船「さんふらわあ ふらの」は出航した。エンジンの振動は微々たる物で、波による揺れも殆ど気にならない。

食事後は船内探検。
6階にはレストランやゲームコーナーがあり、5階には男女展望風呂、ショップ、キッズランド、コインランドリー、ペットルーム、ドッグラン等がある。ワレワレ夫婦の客室は7階だ。そして5階、6階、7階の後部にそれぞれ展望デッキがある。
客室やパブリックスペースは全て禁煙で、各フロアに喫煙ルームがある。

ワレワレ夫婦はショップで飲み物を買って客室に戻り、備え付けのテレビを見ながらくつろいだ。
懸念されたかみさんの船酔いは、今のところ全く大丈夫だ。
もはや日は完全に暮れていて、ベランダから外を眺めても、海と空の境界線も定かならぬ程の、漆黒の空間が広がるだけだ。

本日の走行距離は、自宅から首都高、常磐道、北関東自動車道を経由して大洗港フェリーターミナルまでの119km。
明日は苫小牧から留萌まで移動して、次の日のオロロンライン、ノシャップ岬、宗谷岬に備えるつもりだ。
明日走行するエリアの天気予報は、概ね曇り。どうか雨ふりませんように。

■■2日目■■
7月16日、日曜日。
日の出を見る為に4時に起きて、後部デッキに出た。
後部デッキには既に何人もの人がいて、カメラを構えていた。

雲があって、水平線から昇る太陽を見ることはできなかったが、やがて雲の狭間から顔を出した太陽が、海面や雲をオレンジ色に輝かせた。美しい光景。

朝食は7時30から9時。昨日の夕食は開始時間に行ったら混んでたので、今朝は8時30分頃レストランに行った。
目論見どおり既にレストランはすいていて、ワレワレ夫婦はゆっくりとビュッフェの料理を選んだ。

料理の味はやはり、別段美味しくはないけれどまずいわけでもない。
かみさんは朝っぱらから大量の料理を持ってきて、時間をかけてきれいに平らげた。
かみさんは食べるの遅いけど、間違いなく俺より大食いだ。

朝食の後はすごーく暇。
スマホは圏外だし、船の無料WiFiは使い物にならないし、テレビは地上波が映らなくて、BSではテレビショッピングしかやってないし。

時刻は10時30分。
昼食の時間は12時から12時45分(短っ!)。到着予定時間は13時30分。

天気はうす曇りで時間の経過と共に、あるいは船の移動と共に雲の量が増している。今日の苫小牧は1日曇りの予報だが、なんとなくいやな予感。

昼食は、カレー、スープカレー、中華丼の三択。
俺は普通のカレー、かみさんはスープカレーを食べた。まあ、普通のレトルトカレーって感じだ。
ワレワレ夫婦が見る限り、中華丼をチョイスする人はいなかった。

昼食を食べて部屋に戻り、荷物の整理を行った。
やがて船は苫小牧港に接岸し、下船の案内が放送された。

苫小牧は予報に反して本降りの雨。
ワレワレ夫婦は、ゼファー750とドラッグスターを停めた、2階の車両デッキにエレベーターで降りた。ゼファー750に荷物を括り付けてレインスーツを着用し、それぞれのバイクに跨った。
そろそろバイクの下船がはじまりそうな雰囲気になった頃、誰かがバイクのエンジンをかけた。、他のライダーも一斉にエンジンを始動して、車両デッキにバイクの排気音が轟き渡った。
さあ、いよいよ北海道上陸だ。またまた緊張の瞬間。雨で濡れたタラップは滑りやすいと聞くので、そこはかとなく不安だ。

係りの人の合図で次々とバイクが発進し、すぐにワレワレ夫婦の番になった。ワレワレ夫婦はUターンしてスロープを登り、雨で濡れたタラップを慎重に降りた。

初フェリーで無事北海道上陸!やったー!!
雨だけど・・・

下船後一旦ゼファー750とドラッグスターを停めて、ブーツカバーを装着。それ程本格的な雨がふっている。
そんなこんなで、14時30分頃支度が整って出発!
「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2017」のスタートだ!
雨だけど・・・

国道234号を北上。北海道らしい風景の中を走る。たとえ雨でも北海道の景色は美しい。
国道234号から国道12号に出てさらに北上。途中で同じフェリーに乗っていたカブ乗りのおじいさんに追いつき、追い越すときに思いっきり手を振った。おじいさんも気付いてくれたようで、大きく手を振ってくれた。

進むにつれて雨は小降りになり、空がだんだん明るくなってきた。岩見沢のあたりでは完全に雨があがり、この後降られることはなかった。
雨上がりの美しい空。北海道らしい光景だ。

道道139号、道道278号、を経て国道275号に入り、道の駅「サンフラワー北竜」で休憩。

ここで、今回初のソフトクリームだ!

いや、ほんと。北海道は無造作に立ち寄った場所で、なんとなく食べてみたソフトクリームでもみんな美味しいからビックリだ。っていうか、北海道で「まあ、普通だな」っていうソフトクリームを食べたことがない。
ここのソフトクリームも、文句無しにうまかった。

碧水のあたりで国道233号に入り、美馬牛峠を越えて留萌市街に入った。
セルフのスタンドでガソリンタンクを満タンにして、今回のツーリング初のセイコーマート。ああ、北海道だあ・・・(こんな些細なことに感動)。

本日の宿は素泊まりなので、本日の夕食と、明日の朝食、そしてかみさんは例によって大量のおやつを購入。

セイコーマートからほんのちょっと走って、本日の宿、留萌のホテル「ノースアイ」に到着。
今日の宿はあまり期待していなかったのだが、思いの他広くてきれいだったのでテンションが上り、かみさんは喜びの踊りを繰り広げた。

この宿には大浴場は男湯しかないので、かみさんは部屋のシャワーで我慢した。俺は速攻で大浴場に向かったわけだが、大浴場はしょぼくて、おまけに湯船には得体の知れないものが浮遊していた。これが温泉なら、「温泉成分かな」と考えるところだが、そうではなさそうなので、湯船には入らずに頭と体を洗って大浴場を後にした。

なにはともあれ、一応はさっぱりした。
雨の中を走ってたどり着いた宿で、こんな風にホッとする瞬間が大好きだ。
部屋に戻って、恒例の豪華セイコマディナーだ。宿の自動販売機には、残念ながらサッポロクラシックは売っていなかった。

本日の走行距離は188km。明日はオロロンラインを北上してサロベツ原野を走る。前回のオロロンラインは天気良くなかったので、明日ははれるといいなあ。

■■3日目■■
7月17日、月曜日。
俺は4時頃起床、かみさんは5時起床。本日、ワレワレ夫婦の行動範囲の予報は一日中曇り。晴天のオロロンラインを走って、利尻富士を見たかったのだが残念だ。
6時に宿をチェックアウト。屋根つき駐車場でゼファー750とドラッグスターの出発準備を整えた。そしてエンジン始動。「さあ出発だ」と表を見たら地面が濡れている。
「えーーー?雨ーーーー?」

ワレワレ夫婦はエンジンを停止し、ドラッグスターのサイドバッグからレインスーツとブーツカバーを引っ張り出して装着した。ハンドルにマウントしたムービーカメラを防水のものと交換。濡らしたくない物をタンクバッグに押し込み、タンクバッグに防水カバーをかぶせた。かくして雨天モードの出発準備完了。
こんどこそほんとに出発だ。今日からが本格的な北海道ツーリングのスタートって感じだ!
雨だけど・・・

宿の脇の道から国道232号に入った。国道232号はすぐ海沿いの道になり、暫く日本海に沿って北上することになる。

出発からあまり走っていないが、道の駅「おびら鰊番屋」の駐車場に入って小休止。

道の駅「おびら鰊番屋」を後にして、日本海沿いの国道232号を暫く進む。
苫前、羽幌、初山別、遠別を通過して、手塩町に到達。
この頃には雨は止んでいて、この辺りの道はすっかり乾いている。
反対方向からくるライダー達はレインウェアを着ておらず、希望的観測をするならば、この後雨が降ることはないのではないか。
ワレワレ夫婦は道の駅「てしお」でブーツカバーを脱いだ。。ブーツカバーを脱ぐだけでちょっとした開放感。レインスーツは念の為に着ておくことにした。寒いし。

道の駅「てしお」の脇の道を海側に入り、天塩町の市街地を通過すると、オロロンラインのクライマックス。サロベツ原野と日本海のはざ間を走る、道道106号線だ。

右に広大なサロベツ原野、左に日本海。そのはざ間のオロロンラインをワレワレ夫婦は走った。
「オトンルイ風力発電所」の傍らを走り、「サロベツ原野駐車公園」にゼファー750とドラッグスターを停車した。

オトンルイ風力発電所の景観は、何度見ても圧倒的だ。巨大な風車郡が見えはじめてから傍らに到達するまでの長さと、最初の風車を通過してから最後の風車を通過するまでの長さには毎度感銘を受ける。なんとも言えない非現実感。

前回は通り過ぎてしまった、「北緯45度モニュメント」に到着。
北半球の中心線、北緯45度線を示すモニュメントだ。

ここを訪れるライダーが必ず行う儀式。それをワレワレ夫婦も執り行った。

N!
かみさんもN!
ってなんか、かっこがぶさいくですが・・・

引き続きオロロンライン北上
サロベツ原野。原始の草原。とてつもなく雄大な空間。

利尻富士は残念ながら雲に隠れていて、見ることができなかった。
進行方向の空は明るくなっていて、小さな青空が覗いたりしているのだが、道の後方は厚い雲に覆われている。
もしかして、ワレワレ夫婦は雨雲に追いかけられているのではないか。

道道106号から道道254号に入り、ノシャップ岬方面に進んだ。
風が強く、気温が低いのでものすごーく寒い。かみさんが強風が怖いのと寒いのとで、無線インカムでブーブー言っている。
もう少しだから、がんばれー

というわけで、本日の昼食予定地「樺太食堂」に到着。

「樺太食堂」はライダー・チャリダー大歓迎の海鮮丼のお店だ。

店に入ると店員さんが、開口一番「寒かったでしょう」と言った。この強風には名前があるらしく、「XX風が吹いてるからね」と言っていた。XXの部分は聞き取れなかった。っていうか忘れた。

俺は、無敵の「生ウニ丼」

かみさんは「ホタテいくら丼」を食べた。

いや、「生ウニ丼」まじ無敵!ほんと最強!

食事の後は、ノシャップ岬で記念撮影。
前回の道北ツーリングでは、雨で諦めたスポットを一つづつリベンジだ。
あー楽しい。って寒いよ!

たとえどんなに寒くてもソフトクリーム!
ワレワレ夫婦は根性で食べる。(そんなとこに根性使わなくても・・・)

今回2個目のソフトクリームは、ノシャップ岬のおみやげ屋さんでゲット。
これがまたうまい。相当うまい。寒いけどうまいんだから本当にうまいのだ。

ノシャップ岬をぐるっと回って稚内市街に到着。

「北防波堤ドーム」で記念撮影。
「北防波堤ドーム」は、稚内港の防波堤としての役割と、桟橋から駅までの通路を兼用する目的で、昭和6年から5年間かけて建設されたらしい。防波堤の外観としては異色となるドーム状の形態を取っていることから「北防波堤ドーム」と命名されていて、稚内の観光スポットになっている。

数年前までは、沢山のライダーがここをキャンプ地にしていたようだが、最近は禁止になったらしく、キャンプするライダーはいないようだ。

稚内から国道238号を走って、本日最後の目的地に向かった。
細かい雨が降ってきたが、レインスーツを着るほどではない。

本日最後の目的地、宗谷岬に到着。
二度目の日本最北端。
さすがに一度目ほどの感動はないが、宗谷岬はライダーが訪れなくてはいけないスポットなのだ。(多分)

かみさんは間宮さんと、前回と同じアングル、同じポーズで記念撮影。
どうやら前回撮った写真が気に入っているらしい。

時刻は14時過ぎ。気温は13.3度。
今日は7月17日。
最北端恐るべし。

宗谷岬を後にして国道238号を走って稚内に戻った。
スタンドでガソリンタンクを満タンにして、セイコーマートで食料を調達。
そして本日の宿、「ANAクラウンプラザホテル稚内」に到着。

フロントに行って「宿泊なんですけど、バイクどこに停めればいいですか?」と確認したら、正面エントランス脇の軒下に停めさせてもらえた。
ワレワレ夫婦はゼファー750から荷物を降ろし、手分けして持ってチェックインした。

ワレワレ夫婦は広くてきれいなツインルームでくつろいだ。
残念ながらこのホテルは大浴場がない。しかしバスルームの湯船が大きいので、かみさんは湯船にお湯を入れてツーリングの疲れを癒した。その間に俺は、無線インカムやら、ムービーカメラやら、デジカメやら、スマホやらの充電。宿に到着した直後の俺は、結構忙しいのだ。
かみさんが風呂から上がったので、俺もシャワーを浴びてさっぱり!

ホテルの部屋はオーシャンビュー。
稚内港と北防波堤ドームに乾杯!って感じだ。

本日の走行距離は260km
明日はオホーツク海沿いを南下して、前回の道北ツーリングリベンジをしつつ門別まで行く予定だ。

■■4日目■■
7月18日、火曜日
俺、4時起床(目が覚めちゃうんだからしょうがない)。かみさん5時30分起床。
6時30分にチェックアウト。
雨は降ってないけど、寒いのでレインスーツを着て出発。

国道238号を宗谷岬方面に進み、道道889号を右折。
宗谷丘陵のパーキング。
前回の道北ツーリングでは、やはり雨で断念したスポットだ。

広大な丘陵地帯が果てしなく広がり、彼方では放牧牛がいくつもの黒い点となっている。
すばらしーい景色!しかし寒い。

宗谷岬ウィンドファーム
宗谷丘陵の牧草地に、三菱重工業製の出力1,000kWの風力発電機が57基設置されていて、稚内市の年間消費電力の約6割を発電しているらしい。

道道889号は工事の為に通行止めになっていた。しょうがないのでワレワレ夫婦はUターンて宗谷岬方面に向かい、国道238号を右折してオホーツク海沿いの宗谷国道を進んだ。

国道238号宗谷国道を暫く進み、道の駅「さるふつ公園」で休憩。
しゃれにならない位さむいので、暖かい缶コーヒーを買ってかじかんだ手を暖めた。そして飲んだ。

前回の道北ツーリングではここに夕方到着し、かみさんが寒さと疲労で限界に達しつつあったのを思い出した。たとえ真夏でも、北海道、特に道北、道東の気候を、ライダーはなめちゃだめだと真剣に思う。

ワレワレ夫婦は、宗谷国道をさらに南下した。

ポロ沼を越えて一つ目の信号を左折。突き当りを右折して市街地を越え、エサヌカ線に入った。

エサヌカ線は一般の観光客にはあまり知られていない、オロロンラインと双璧をなす超絶景のツーリングスポットだ。

どこまでもまっすぐに伸びる道。右側の大草原。左側、草原の向こうのオホーツク海。前にも後ろにも通行車両は皆無。
まるで異次元の道。日本にこんな道があるのがにわかには信じ難い。
ワレワレ夫婦は寒さも忘れて、ハイテンションになった。
そして、エサヌカ線を走るライダーが行う儀式。それをワレワレ夫婦も執り行った。

俺 : 大の字!

かみさん : 中央線!

それはさて置き、エサヌカ線を走りきって国道238号を永遠と南下し、国道239号を右折。
少し走って本日の昼食予定地、「ノースプレインファーム」に到着。

時刻は11時45分。大混雑と思われた駐車場は以外にもすいていた。それもそのはず、まさかの・・・

定・休・日

悔しいから近所にいた牛の写真を撮ってやった。
(何の意味があるんだよ)

気を取り直して国道239号線を戻り、道のえき「おこっぺ」に到着。
この道の駅は、廃線となった名寄本線興部駅の駅跡に建てられていて、かつて使われていたディーゼル車両を使用した無料の宿泊施設と休憩所がある。

ここで今回3つ目のソフトクリームゲット。さすが興部。牛乳の味が強調されていて、甘くないのにすごーく美味しい。今までに食べたことのない感じのソフトクリームだ。
かみさん、ここで興部牛乳とヨーグルトをゲット。が、しかし、肝心のレストランがここにはない。しかたがないので、もうちょっと我慢して、紋別で昼食にすることにして出発。

国道239号から国道238号を右折。少し走って紋別市街に到着。

紋別を訪れるほとんどのライダーがやるように、ワレワレ夫婦も「カニの爪」のオブジェで記念撮影。
今回のツーリングは、あくまでも王道を行くのだ。

んで、俺も。
っていうか、かみさん、写真下手・・・

道の駅「オホーツク紋別」に到着。
ワレワレ夫婦は速攻で食堂に向かった。やっと昼食だ。

食堂に入って行くと、店員さんが言った。「済みません。この方達の分で今日のご飯は売り切れなんです。」
店内には、ワレワレ夫婦の直前に店に入った人たちがテーブルについていた。まさにタッチの差。試される大地。ワレワレ夫婦試されすぎ!
しょうがないので、食事は後でセイコマかなんかで食べることにして、先に道の駅に併設された「流氷科学センター」を見物することにした。
かみさん、若干不機嫌

−20度体験。
寒いのに余計寒い思いして、どうすんだって話だ。

白熊vsダチョウ倶楽部!
なんて言っている場合ではない。空腹なのにこんな所に長居したら凍死してしまうかもしれない。
ワレワレ夫婦は、-20度の「厳寒体験室」を後にしたのであった。

クリオネ
かわいいーーー(か?)
俺にはシーモンキーとの違いが分からない。


道の駅「オホーツク紋別」を出て、紋別市街のセイコマでなんか買って食べた。何を食べたかは忘れた。
ついでに宿で食べるおやつを買って、本日の宿に向かった。

で、本日の宿、「紋別セントラルホテル」に到着。

この宿にはバイク用の屋根つき駐輪場がある。

チェックインして旅装を解き、とるものもとりあえず大浴場に向かった。
ワレワレ夫婦は念願の大浴場で、大きな湯船にゆっくりと浸かったのであった。

脱衣所の説明書きによるとこのお湯は、人口温泉?。公明石を主たる源泉体としていて、成分は塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム等。神経痛、リウマチ、肩こり、冷え症、腰痛、痔などに効果があるらしい。

宿の夕食は「オホーツク御膳」。
カニのてんぷら、ホタテと茸の鍋、茶碗蒸し、お刺身。ぜーんぶ美味しい。

別料金を払って、ホッケを追加。
肉厚で、ぷりぷりで、油が乗ってて超うまい。東京ではまず食べられない味だ。

本日の走行距離は242km。
明日は、海沿いを離れて内陸に向かい、美瑛や富良野を走り回る予定だ。

■■5日目■■
7月19日、水曜日。
待望の晴天。

宿の朝食はビュッフェ。どの料理もうまい。
インターネットの口コミで、評判が良いのも納得だ。
また、紋別に来ることがあったら、ぜひこの宿に泊りたい。

朝食を終えてチェックアウト。
荷造りは朝食前にに終えていて、大きな荷物は既にバイクに積んである。

バイク置き場は、満車。
狭いスペースで、苦労してゼファー750とドラッグスターの方向転換を行った。
7時50分に準備が整い、ワレワレ夫婦は快晴の紋別を出発したのであった。

道道713号から国道273号に入って、内陸へ向かう道を進んだ。
「紋別セントラルホテル」を出発してから30分位しか走っていないが、道の駅「香りの里たきのうえ」でトイレ休憩をとった。
それというのも、この先旭川の手前の当麻町までのおよそ93km、トイレ休憩できる場所がなさそうだからだ。

休憩を終えて出発。
鬱蒼とした森、国道の傍らに広がる広大な畑、その向こうの小さな集落、あるいは散在する民家。そういったもの以外なにも無い山間の道をひたすら進んだ。
こういった場所の生活っていったいどんな感じなのか。ワレワレ夫婦のような住宅密集地帯で暮らしている者には想像もつかない。
例えば、隣の家まで数キロ離れていて、最寄のスーパーまで50キロも離れているような場所の暮らしだ。

国道273号を南下するにつれて雲が増えてきて、上川町の辺りでは曇り空となった。なんかいやな感じだ。しかし、国道39号に出て旭川方面に進んで行くと段々雲が減ってきて、当麻町に差し掛かる頃には晴天復活!ああ、良かった。美瑛や富良野では、青空の下を走りたい。

で、道の駅「とうま」で休憩。
この道の駅に来るのは3度目だ。多分。

道の駅「とうま」恒例のメロン。
甘くて、柔らかくて、すごーく美味しい。

当麻町は「でんすけすいか」の生産地なので、ここでは「でんすけすいか」も切り売りしている。
はじめて知ったのだが、道の駅「とうま」の物産館は「でんすけさんの家」というらしい。

休憩を終えて出発。美瑛まであと一息だ。
道の駅「とうま」の裏側の道を旭川方面に進み、道道37号を左折。道道68号を経て国道452号に入った。
少し進んで「パッチワークの路」の案内板に従って左折。

かくしてワレワレ夫婦は青空の下、セブンスターの木の駐車場に到着したのであった。

美瑛のパッチワークの路エリアは、何回も来ていて毎回迷うわけだが、今回は大丈夫。迷わない自身がある!
というのは、事前にgoogleマップのストリートビューを使って何十回もシミュレーションを行ったからだ。
はっきり言っていまの俺は、美瑛の丘のエキスパートだ!(ほんとかよ)

という訳で、ここからは暫し景色をお楽しみ下さい。

セブンスターの木

親子の木

親子の木というには、今やお母さんと子供が大きくなっちゃって、微妙な感じだ。

マイルドセブンの丘

北西の丘展望台

北西の丘展望公園からの景色

北西の丘展望公園からの景色その2
今回唯一のラベンダー

昼食は北西の丘展望公園の売店で買った、とうもろこし、コロッケ、じゃがバター。
本当は「あるうのぱいん」で昼食をとりたかったのだが、駐車場がいっぱいだったのでやめにしたのだ。

焼きとうもろこしと、じゃがバターうま!

北西の丘展望公園から国道237号に出て、パッチワークの路エリアを離れた。
富良野方面に少し進んで目的地の一つ、美瑛選果に到着。

美瑛選果は丘の町美瑛のアンテナショップで、旬の生鮮品や、焼きたてのパン、ケーキ等を販売していて、レストランでは地元の食材を使用した本格的なフレンチを食べることができる。

かみさん、ここでロールパンを購入。

そしてこれ!
今回4つ目のソフトクリーム
これは、紛れも無くワレワレ夫婦的ソフトクリームランキングの上位。今やフラノーブルマツオがないことを考えると、ベスト3に入っているのではないか。

美瑛の丘めぐりのスポットは、大きく2つのエリアに分けられる。
国道237号を挟んで西側、国道237号と国道452号の間のパッチワークの路エリア。そして国道237号の東側、富良野線の美瑛駅から美馬牛駅辺りにかけて、国道237号と道道966号の間に広がる美瑛パノラマロードエリア。

ワレワレ夫婦は美瑛選果を後にして、パノラマロードエリアを進んだ。
パノラマロードエリアもパッチワークの路同様、いや、それ以上に入り組んでいて分かり難い。だが、大丈夫。今回の俺はいつもの俺と違うのだ。ここでもストリートビューによる事前シミュレーションが効果を発揮し、俺は地図やスマホのNAVIに頼ることなく複雑な農道を迷い無く進んだ。
そして「新栄の丘展望公園」の駐車場に到着
ここからは再び、しばし景色をお楽しみ下さい。(写真下手ですいません)

新栄の丘その1

新栄の丘その2
赤い屋根の丘(新栄の丘側から)
拓真館
拓真館は廃校になった小学校の体育館を改装して造られたギャラリーで、美瑛や富良野の風景写真で有名な写真家、前田真三の作品が展示されている。入館は無料。

ワレワレ夫婦は前田真三のライフワーク「丘」の連作をじっくりと観賞し、そして感動した。こんなにも美しく、ドラマチックな景色がこの世に、しかも日本に存在することが奇跡だ。かみさん、ポストカード購入。そして出発。

四季彩の丘にも行ってみたが、駐車場が大混雑していて、バイクを停める場所がなかったのであきらめた。で、上富良野に向かった。

美瑛のパノラマロードエリアには、まだ行きたいスポットが沢山あるのだが、次回のお楽しみにとっておくことにした。

美瑛から、上富良野に向かう途中に出会った景色その1。

美瑛から、上富良野に向かう途中に出会った景色その2。

美瑛から、上富良野に向かう途中に出会った景色で記念撮影。

本日最後の目的地は、かみふらの八景パノラマロード江花。
美瑛のパノラマロードと間際らしいが、こちらはまた別物だ。
富良野岳に向かってまっすぐに伸びる路で、約5kmに及ぶゆるい下り坂の直線道路。十勝岳連邦や富良野盆地の大パノラマを望む、ダイナミックなツーリングスポットだ。

ワレワレ夫婦は、「すごい景色だなー」とか言いながら、パノラマロード江花を走った。
美瑛のあたりの景色とは、また違った感じの美しさだ。

さ、良く遊んだので、今日の宿へ向かいましょ。ここから宿まで、もうほんのちょっとだ。

15時頃本日の宿、「ふらのラテール」に到着。
ゼファー750とドラッグスターを広い駐車場に停めてチェックイン。
ここの従業員はすごーく丁寧で、とても感じがいい。


部屋は露天風呂付きのツインだ。
広くてきれいな部屋と露天風呂にテンションが上がり、かみさんまたまた喜びの踊り。

旅装を解いて荷物を整理し、無線インカムやデジカメ等電子機器の充電。それらをテキパキとこなした。


そして速攻で、100%源泉掛け流しの露天風呂に浸かったのだった。

露天風呂から見える景色はこんな景色。
富良野岳、十勝岳、美瑛岳といった。十勝岳連峰を一望することができる。

部屋には内風呂とシャワーもあり、内風呂から露天風呂へは直接出ることができる。
今日は北海道上陸以来初めて暑かったので、汗を流してゆっくりと露天風呂を楽しんだ。

風呂上りにはプチ外出して宿と隣接する、サンタのヒゲで有名な「ポプラファーム」に行ってみた。

サンタのヒゲは、富良野メロンにサッパリ味のソフトクリームをトッピングしたデザートだ。
メニューはミルク味とメロン味のソフトをトッピングしたサンタ・デ・ミックス、メロン味のソフトをトッピングしたサンタ・デ・メロン、ミルク味のソフトと十勝小豆のあんこがトッピングされたサンタのへそなどがある。

ワレワレ夫婦は定番の、ミルク味のソフトがトッピングされたサンタのヒゲを注文した。

まあ、なんつーか、普通にソフトクリームとメロンだ。
いや、ソフトもメロンもすごーく美味しいのだ。でも、特に一緒に食べる必要はないかなーって感じだ。

部屋に戻ってビール飲んで昼寝(夕方ですけど)したら、もう夕食の時間だ。

夕食は宿のコースメニューで、
先 付 : とうもろこしの冷たい吸い物
前 菜 : 珍味彩(蓮根とか海老とかホタテとか)
作 り : 海鮮四種盛り(カニ、まぐろ、サーモン、あじ)
海 鮮 : 道産野菜と魚介の陶板焼きアヒージョ風行者にんにくオイル仕立て(長っ!)
酢の物 : 塩豆富(腐ではない)とトマトのサラダ
肉料理 : ふらの和牛ステーキと温野菜
合 肴 : 自家製南蛮味噌
香の物 : お新香三種盛り
食 事 : 北海道産ななつぼし
留 椀 : あさり清まし仕立て
甘 味 : 『ふらの葡萄果汁』のジュレと季節のフルーツ
といった献立。

かみさんは追加で注文したオレンジジュース、俺はサッポロクラシックを飲みながらこれらの料理を食べた。
どれも美味しかったが、特にアヒージョとステーキが美味しかった。

美味しい夕食を終えて部屋に戻り、宿の大浴場に行った。
ここの大浴場には露天風呂はもちろん、何種類もの内風呂やサウナ、打たせ湯などがあり、浴室がとても広い。
俺は露天風呂に浸かったり、打たせ湯で肩のこりをほぐしたりしてまったりと天然温泉を楽しんだのだった。

北海道上陸以来、初めての晴天の一日であった。
快晴の紋別を出発し、曇天の上川町を通過、旭川方面に進むにつれ雲は薄れ、晴天の美瑛や上富良野を走り回った。
美しくて、まばゆくて、かわいくて、ドラマチックで、何故かちょっと切なくて、そして優しい。そんな風景の中を、おだやかに走り抜けた1日。
今日という1日は、ワレワレ夫婦が今回のツーリングを思い出す度に、変わらぬ輝きを放ち続けることになるはずだ。

本日の走行距離は219km。
明日は北海道最終日。ゆっくり宿を出発し、のんびりとお土産を買ったりしながら苫小牧に向かう予定だ。

■■6日目■■
ゆっくり寝てようと思ったけど、やっぱり5時起床。
大浴場で一風呂あびて、体をシャキッとさせた。
体がシャキッとして、気持ちがキリッとしたので、恒例のお散歩だ。
宿の裏側に回って十勝岳連邦の写真をカシャッと撮った。
7月の北海道。早朝の気温はまだ低いようで、七分ズボンとTシャツでは肌寒くてブルッとなった。
要約すると、シャキッ、キリッ、カシャッ、ブルッ、ていうことだ。(そうくると思ったよ)

そして朝食。
この宿の朝食はバイキングスタイルではなく、鍋(何の鍋か忘れた、付けダレがあるところを見ると水炊きだと思う)、焼き魚、お新香、大根とヒジキの甘露煮?、魚介のムース、納豆、生卵、味付け海苔、味噌汁、ごはん、といった完璧なもの。しかも、どれもうまい。
この構成だと、少なくともご飯を3杯食べなければ、おかずがなくならない。
ワレワレ夫婦は朝から、満腹になった。幸い今日は時間に余裕があるので、部屋でゆっくり腹ごなしの休憩をとった。

のんびりと支度をして、準備のできた荷物から駐車場に運び、ゼファー750に括りつけた。
残された細かい荷物を持ち、最後に忘れ物がないか確認。「いい宿だったなー」と後ろ髪を引かれつつ部屋を出た。
そしてチェックアウト。

「ふらのラテール」は従業員は丁寧で感じいいし、部屋はきれいで広いし、設備もいいし、料理も美味しいし、いまやワレワレ夫婦のお気に入りの宿となった。これからも、富良野では常宿にしたい。

9時35分に「ふらのラテール」を出発。
国道237号を少し南下、突き当たりを左折するとすぐ左に「フラノマルシェ」がる。
ワレワレ夫婦はゼファー750とドラッグスターをバイク置き場に停め、ここでお土産ショッピングを行った
吟味して会社や友人、自分宛のお土産を選び、すぐに自分が食べるものの他は、自宅宛に配送した。

本当は、「フラノーブルマツオ」でお土産ショッピングを行い、(ワレワレ夫婦的ソフトクリームランキング上位の)マツオのソフトクリームを食べる予定だった。しかし、フラノーブルマツオが平成27年11月8日を以って閉店になったということが、今回のツーリング中に発覚した。この事実に、ワレワレ夫婦は大きなショックを受けたのだった。

で、協議の末、フラノマルシェでお土産ショッピングをすることにしたのだ。

とは言え、フラノマルシェには「富良野チーズ工房」のジェラート屋さんが入っている。
で、バニラのジェラートゲット。
これはこれで、幸せなことだ。



ふらのマルシェを出発して南下。このあたりは国道38号と国道237号が同じ道になっている。空知川を渡り、根室本線の山部を通過。山部!あの、山部山麓デパートの山部だ!ううっ・・・(だから泣くなよ)。

再び空知川を渡り返し、少し走ると国道38号と国道237号の分岐が現れる。
ワレワレ夫婦は分岐を右折し、山間の国道237号を永遠と進んだ。

毎度おなじみの道の駅「自然体感しむかっぷ」で休憩。
ここの売店でおにぎりを買って昼食にした。
かみさんはコロッケ。(だったと思う)

おそらく今回のツーリング最後のソフトクリーム!
でかい!
がしかし、ワレワレ夫婦が好きなあっさりした牛乳味の美味しいソフトなので、飽きずにペロッと食べられる。
って、いうか、ほんと何処で食べてもうまいな。北海道のソフト。一度北海道で、「えーっ、何これー」ってソフトを食べてみたいもんだ。(ウソデス。タベタクアリマセン。)

ソフトを食べて出発。
道道136号、道道610号を経て国道274号を夕張方面に進む。夕張を通過し、道道462号を直進してから国道234号を左折。苫小牧西港フェリーターミナルまで、あとはもう一本道だ。

15:00ジャスト。苫小牧西港フェリーターミナルに到着。
バイク置き場には、既に沢山のバイクが到着していた。

早速ターミナルの建物へ行き、自動チェックイン機で乗船手続きを行った。手順通り進み、QRコードをかざすと、客室のキー兼用の乗船カード2枚(俺とかみさん用)と、3食分の食事券2枚が発行された。しかし、乗船するバイクにつける目印のシールが発行されない。
俺は係りの人に、「バイクにつけるシールが出てこないんですけど」と言ってみた。すると、よくあることのようで、「済みません。すぐに用意します。」と言ってカウンターの方に歩いていき、針金で取り付けるタイプの「大洗行き」と書かれた札を2枚持って来てくれた。

かみさんは、ターミナル2階のお土産売り場で、なおもお土産(自分用)を物色していた。そんでもって、実際色々買った。

新造船の苫小牧乗船案内予定時間は16時。なんだかんだでいい時間になったので、ワレワレ夫婦はバイク置き場で待機した。
乗船待機中は、同じ年式で同じカラーのゼファー乗りの方(猿払で一度出会っている)とマフラー談義をしたり、隣に並んだNINJA乗りの女性と世間話をしたりして過ごした。こういった場所でのバイク乗り同志は、なにやら初対面でもすぐに打ち解けて、昔からの友人のようになってしまうから不思議だ。

やがて、バイクの乗船時間が近づき、ライダー達は最終的な乗船待機場所に移動した。
ここでまた、しばし待機。
係りの人が、「タラップが濡れてて転倒する人がいるので、なるべくタラップに真っ直ぐ進入して下さい。」と言ってかみさんをびびらせていた。この待機場所からだと、発進してすぐ右に曲がりながらタラップに進入しなければならないのだ。かみさん曰く「だったら、真っ直ぐ乗れる位置で待機させてくれればいいのにー」。ま、その通りだが、いろいろ事情があるんでしょ。

そこはかとない緊張の時間が流れ、バイクの乗車が始まった。すぐにワレワレ夫婦の番になり、慎重に角度を意識しつつタラップに進入した。係りの人の説明のおかげでなんか怖くなっちゃったじゃねーかよ!無線インカムからは、「あ、ああ、やだ。こわーい」と言うかみさんの声が終始聞こえていたのだった。

ともあれ俺もかみさんも無事に乗船し、2度のUターンも無事にこなして車両デッキにバイクを停めた。
テキパキと荷物を降ろしてエレベーターに乗り、客室に向かった。

客室に到着。
そしてかみさんの喜びの踊り。(行きと同じ部屋ですけど)

ワレワレ夫婦は例によって速攻で展望大浴場に向かい、混む前に旅の汚れを落とし、ツーリングの疲れを癒したのだった。

時刻は18時30分。 商船三井フェリー苫小牧発夕方便、新造船「さんふらわあふらの」は定刻どおり出航した。
ワレワレ夫婦は出港の様子を見るべく、自販機でビールを買って後部デッキに行った。

やがて新ふらのはゆっくりと岸を離れた。180度転回して船首を南に向け、苫小牧西港を出港した。

アディオス!北海道!
ビールがサッポロクラシックじゃないのが残念だ。

本日の走行距離は178km。
明日は下船までのんびりと船旅を楽しみ、大洗からは高速で一目散に帰るつもりだ・・・ったのだが、帰路に発生する事態を、この時点のワレワレ夫婦はまだ知らない。

■■7日目■■
船旅は暇なのでゆっくり寝てようと思ったのだが、やっぱり5時起床。
施設の案内によれば、展望浴場は6時30分から利用可となっていたので、6時30分きっかりに行ってみたのだが、既に大勢の人が入浴していて、そればかりか、一風呂あびて脱衣所を出て行く人までいる。なんかずるい感じだ。

あいている洗い場を見つけて顔を洗って掛け湯をし、湯船に浸かった。
俺は大きな窓から朝の水平線を眺めながら、足を伸ばして湯船に浸かった。湯船もお湯も、お湯の中の自分も、24ノットで太平洋を移動しているという非日常体験。

風呂から上がって、朝食を食べ終わったらやっぱり暇だ。
だから、船内をちょっとぶらぶらした。

後部デッキに出たら結構風が強かったので、強風に飛ばされそうになっている雰囲気をかもし出して見た。われながら見事だ。

何時間も強風に飛ばされそうになっている雰囲気をかもし出している訳にも行かないので、ワレワレ夫婦は部屋に戻り、ベランダの椅子でくつろぎながら、読書して時間を潰した。船内放送では、到着時間は予定の14:00より若干早まる見込みとアナウンスしていた。

船は、宮城県沖、福島県沖を通過し、すでに茨城県沖に差し掛かっている。「新造船ふらの」の航海速力は24ノット(時速44.448km)。穏やかな海を左右に切り裂きながら、淡々と進んで行く。

船の前方の陸地が徐々に近づいて来て、もはや大洗サンビーチの海水浴客が見えるほどになった。やがて船は大洗港に着岸した。

ワレワレ夫婦はリュックをしょって手荷物を持ち、準備万端の状態で待った。下船の案内放送が始まるやいなや、エレベーターホールに移動してエレベーターに乗った。そしてゼファー750とドラッグスターが待っている車両デッキに移動した。

リュックをゼファー750に積み、タンクバッグを装着し、ムービーカメラをハンドルにマウントした。行きの乗船・下船は初めてのことだったのであたふたしていたが、帰りは勝手が分かっているので手早く準備完了。
しかしだ、行きと同様下船が近づくにつれ緊張感が高まるのであった。

やがてバイクの下船が開始され、ワレワレ夫婦は慎重に進んだ。Uターン(下船時のUターンは一回だけ)してスロープを上がり、右手の車両出入り口からタラップを降りた。

かくしてワレワレ夫婦は、無事本州の陸地に帰着したのであった。

大洗港フェリーターミナルを後にして、大洗市街を通過。昨日苫小牧港の手前でガソリンを満タンにしてあるので、そのまま「水戸・大洗」インターから北関東自動車道に乗った。このまま順調に進めば、16時頃には家に帰れそうだ。

しかし・・・
北関東自動者道に乗って、少し走ったころ無線インカムから「ああ、だめだ。ちょっと停める」と言うかみさんの声が聞こえて来た。往路と同じ謎の体調不良だ。ワレワレ夫婦は路肩にバイク2台を停めた。
症状は、急に息苦しくなり、手足が硬直すると言うもの。顔の汗の量をみるに、暑さが影響しているのではないか?

ワレワレ夫婦は頻繁に休憩しながら進み、土浦北インターで一般道に降りた。かみさんの体調不良は直ったり、調子悪くなったりで、ワレワレ夫婦はかみさんが自走で帰るのは危ないと判断した。国道6号沿いのバイク屋さんに入り、お願いしてドラッグスターを預かって貰うことにした。バイク屋さんでタクシーを呼んでもらい、かみさんは最寄の駅から電車で帰宅。
俺はゼファー750で渋滞の国道6号を永遠と進んだ。
バイク屋さんに預けたドラッグスターは、明日の朝一に引き取りに行くつもりだ。

午後9時30分。
本日大洗港フェリーターミナルを出発してから137km、6日前に我が家を出発してから1,343km走って帰宅。
俺が家に着いた直後にかみさんも、電車とバスで帰宅した。
コンビニに寄って買い物をして来たところを見ると、どうやら体調は大丈夫のようだ。
この体調不良はいったいなんだったのか、病院で徹底的に調べて貰おう。ともあれ、事故にならずにかみさんが無事だったことが、なによりの幸いだ。


毎度の事ながら、北海道の余韻がワレワレ夫婦を翻弄している。今回は初のフェリーだったので、特にかもしれない。
ワレワレ夫婦の北海道ツーリングは今回で7回目。7回目にして初めて、フェリーで渡道することとなった。心配されたかみさんの船酔いも、薬が効いたのか、酔い止めバンド(手首のつぼを押すやつ)が効いたのか、はたまた大人になって体質が変わったのか、いずれにしても全く問題なかった。だとすれば、今後の北海道ツーリングも休みさえ取れれば、フェリーで渡道するべきだ。安いし。楽しいし(暇だけど)。

夕方出発したフェリーが翌日の午後苫小牧港に着岸し、下船準備を整えたライダー達が車両デッキで待機している様子はなんとも言えない雰囲気だった。ワレワレ夫婦も緊張しつつ、その中にいた。係り員の合図でバイクの下船が始まるとライダー達は次々と発進して行き、ワレワレ夫婦も発進。Uターンして、スロープを上がって、出口のタラップを降りた。
初体験の苫小牧港は生憎の雨だった。しかし、初めてフェリーで北海道に無事上陸したことの喜び。これからの数日間を思うと結構テンションが高かった。

まずは最北端への中継地、留萌までの移動。走り始めは雨。国道234号沿いの景色は雨でも美しかった。やがて雨は止み、途切れた雲が低い位置の太陽に照らされて、雲の切れ目が美しく光り輝いた。そんな光景がワレワレ夫婦の行く手に展開された。北海道らしい空。
オロロンラインでは、2度目であるにも関わらずオトンルイ風力発電所に感銘を受け、北緯45度のモニュメントで記念撮影を行い、広大なサロベツ原野に圧倒された。
ノシャップ岬、宗谷丘陵、エサヌカ線、かにの爪のモニュメント。今まで断念してきたスポットを、丁寧にリベンジしていった。

そして晴天の美瑛、富良野!。
やさしい陽光。穏やかな風。美しく連なる丘の向こうに聳える十勝岳連邦。移動中に出会った、美しくて、かわいくて、何故か少し切なくなるような風景。美瑛、富良野の1日は、今後ワレワレ夫婦の思い出の中で、色あせることなく輝き続けることになるはずだ。

行きと帰りに起こったかみさんの謎の体調不良が心配だが、今は、原因を突き止めてしっかりと不安を取り除くつもりだ。そして来年も、その次の年もこの景色の中を走りたい。切実にそう思うワレワレ夫婦なのであった。



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