2016年7月13日(水)〜17日(日)
北海道!!!!!!

目的地 北 海 道
ルート
1日目 :  (羽田空港) → (新千歳空港) → 道東自動車道(千歳東IC〜帯広JCT) → 帯広広尾自動車道(〜帯広川西IC) → 国道236号 →
「旧幸福駅」→ 国道236号 → 「ホテルグランテス帯広」(236km)
2日目 :  国道236号 → 国道38号 → 国道391号 → 道道1040号 →「多和平」→ 道道1040号 → 国道243号 → 道道885号 →
道道150号 →「開陽台」→ 道道150号 → 道道69号 →「ホテル開陽イン」(261km)
3日目 :  道道69号 → 国道272号 → 国道335号 → 国道334号 → 国道244号 → 国道39号 →「北天の丘あばしり鶴雅リゾート」(227km)
4日目 :  国道39号 → 国道240号 → 国道241号 → 道道806号 →「ナイタイ高原」→ 道道806号 → 国道274号 → 道道593号 →
道道718号 →「湯宿くったり温泉レイクイン」(303km)
最終日 :  道道718号 → 国道274号 → 道東自動車道(十勝清水IC〜千歳東IC) → 国道337号 → 道道130号 →
(新千歳空港) → (羽田空港) (191km)
走行距離 1,218km

 
それは3月最後の日曜日。ワレワレ夫婦は早起きして掃除、洗濯を済ませ、かねてから心待ちにしていた夢枕漠原作の山岳映画「エヴェレスト 神々の山嶺」を観にいった。ちなみに「山嶺」と書いて「いただき」と読む!
そんなことはどうでもいいとして、ワレワレ夫婦の感想はこうだ。
「えーー!!!何これーーー!!!意味が分かんない!原作台無し!」
ネタばれになるから詳しくは書かないが、まあこんな感じだ。
まずもって、山岳映画で山のシーンにCG使っちゃだめなんじゃないの。ま、角川映画に期待したワレワレ夫婦がばかだったということだ。この映画で俺の心に残ったものといえば、阿部ちゃんの怖い顔だけだ。

そんなこともどうでもいいとして、この何日か前に、仕事を終えて帰宅したかみさんが言った。(いつも俺よりかみさんの方が帰宅が遅いのだ)
「スカイツーリングの予約始まってるね」
え!まじか!と思ってインターネットで調べたらまじだった。例年ANAのスカイツーリングの予約は4月からなのですっかり油断していたワレワレ夫婦は緊急ミーティングを開き、ざっくりと日程とコースを決めた。そしてこの日、映画館から帰宅して速攻で予約の電話をいれたのだった。若干出遅れたかと懸念したが、往復の便もツアーに含まれる宿一泊も希望どおり予約することができた。
かくして7月13日から17日までの4泊5日で「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2016」が決定。これからコースの詳細な検討と、持って行くものや行く先々の宿を決めるという楽しい作業が待っている。ワレワレ夫婦は早くもワクワクソワソワとなり、観てきた映画のモヤモヤはどこかにすっとんで行ったのであった。

時は風に運ばれる真綿のように過ぎて行き、出発前の一週間は北海道のことで頭がいっぱいになった。とりわけ、ワレワレ夫婦はツーリング期間中の天気を気にかけた。インターネットの週間予報によると期間中に走り回るエリアはほぼ雲マーク。少し晴マークがあって、一応雨のマークはない。
出発前日の夜。ワレワレ夫婦は最終的な出発の準備を行った。かみさんは最後の最後まで何を持って行くか、何を着て行くか悩んでいて、もはやその顔には苦悩の表情さえ浮かんでいる。それというのも、この時期の北海道は天候によってメッシュジャケットでも暑いこともあれば、真冬用のジャケットでも寒いことがあるからだ。この一週間、かみさんは「あーどうしよう」という言葉を、少なくとも30回は発している。その言葉の中には、「あー何持って行こう」「あー何着ていこう」「あー何食べよう」「あーおみやげ何にしよう」といったニュアンスが盛り込まれている。
今回でワレワレ夫婦の北海道ツーリングは6回目。何回行っても飽きるということがないばかりか、行く毎に思いが増して行くわけだが、今やかみさんにとって北海道ツーリングの準備の楽しさは、憧れよりも、苦しみめいて「あーどうしよう」ということなのだ。

ともあれ、どうにか荷造りが完了。明日は早起きをして羽田空港に向かうので、早めに就寝した。
「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2016」は道東ツーリング。以前迷子になったり、強い雨に降られたりして諦めた多和平や開陽台をリベンジし、ヒグマの恐怖を克服して知床横断道路を走り、知床五湖の木道とかオシンコシンの滝とか観光して、そしてなにより、北海道のソフトクリームを思う存分堪能するのだ。


■■1日目■■
7月13日水曜日。
どうにも寝てられなくて3時に起きちゃった。てへ
とは言っても4時に起きて5時に出発する予定だったので、予定より無茶苦茶早いわけでもない。

念のためスカイツーリングのクーポン類をチェックし、昨夜かみさんが苦悩の末に準備した荷物(これがまたすげー量だ)を防水のツーリングバッグに押し込んだ。そして大小の荷物を効率よくゼファー750とドラッグスター250に括りつけた。もうすっかり慣れっこなので、移動中に取り出す可能性のあるものと、宿でしか使わないものを機能的にパッキングして、バイク2台に積み込んだ。
当然のことながら、移動中に取り出すかもしれないものは、すぐに取り出せるような工夫がしてある。さすがは俺だ(ふつうだよ)

そうこうしてたらかみさんんも起きてきて、半覚半睡の状態で洗面やら、着替えやら、出発の身支度を開始した。

5時15分。準備が整い出発。ワレワレ夫婦は羽田空港目指して平日朝の都心を駆け抜けた。都心の空は雲が低く、いつ降りだしてもおかしくない。予報によると今日の千歳はまあまあな天気らしいので、どうにか降りだす前に羽田に到着したいものだ。

約1時間でANA指定のGSに到着。ゼファー750とドラッグスター250のタンクから1リットルだけ残してガソリンを抜いてもらい、ANAから送られてきた旅程表に抜き取り証明のハンコウをもらった。これがないと飛行機に積載してもらえないのだ。
そしてバイクを預ける羽田空港の西貨物エリアへ向かった。ここから西貨物エリアまでの距離は約4km。タンクのガソリンは1リットル。大丈夫だとは思うが、迷子になったりした場合を考えるとドキドキするぜ!

西貨物エリアに無事到着。
各種書類記入、傷のチェック、荷物のチェック、バッテリー端子を取り外して絶縁テープを巻き(万が一にも飛行中にエンジンがかからないための措置らしい)、計量を行ってゼファー750とドラッグスター250を引き渡した。

ワレワレ夫婦とバイク2台が搭乗するANA57便の出発時刻は9時30分。現在の時刻は7時前。スカイツーリングでは出発時刻の2時間前までにANAの貨物エリアに行って、バイクを引き渡す必要があるのだ。とは言え、時間に余裕があるので暫くバイクをコンテナーに積み付ける作業を見学した。

ちなみに、荷物を積んだゼファー750の重量は235kg。

西貨物エリアから国内線第2ターミナルまで、空港内循環バスで移動した。料金は一人100円。
まだ時間が早いがワレワレ夫婦はさっさとチェックインを済ませて、搭乗口近辺で朝食(かき揚げうどん1,200円!高っ!)を食べたり、売店で買った小説を読んだりしてのんびりと過ごした。

やがて搭乗開始のアナウンスが流れ、ワレワレ夫婦は機内へ向かう列に並んだ。

ANA57便は定刻通り出発し、ワレワレ夫婦とゼファー750とドラッグスター250は北の大地目指して曇天の空に飛び立った。
かみさんのドラッグスター250にとっては、これが始めての空の旅だ。

ANA57便は定刻より少し遅れて新千歳空港に到着した。ワレワレ夫婦は旅客ターミナルからタクシーに乗り、新千歳空港の貨物エリアに向かった。

ANAの航空貨物には既にゼファー750とドラッグスター250が到着し、コンテナから降ろされていた。
かみさんのドラッグスターは、記念すべき北海道初上陸だ。

バイク受け取りの手続きをして、絶縁テープをはがしてバッテリー端子を接続した。バッテリー端子を取り外したり接続したりする作業は、ドラッグスターの場合は左のサイドカバーを開ければすぐにできるので簡単なのだが、ゼファー750は一々荷物を降ろしてシートを開けなければならないので、めんどくさい。しかもバッテリーの位置がエアクリーナーボックスの下なので端子のねじを外したりつけたりするのも一苦労だ。あーほんとにめんどくさい。と言っても、もう慣れたけど。なにしろスカイツーリングは今回で6回目で、一回のツーリングにつき往復で引渡しと引き取りをそれぞれ2回づつやるわけだから、これが11回目の引き取り作業になるのだ。バッテリー端子に至っては、取り付け取り外し合わせて22回目だ。

で、しっかりと荷物を括り付け直して、引き取り作業完了。

2016年7月13日水曜日、午後12時30分。予報どおりの青空の下、「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2016」はスタートしたのであった。

道道130号から国道337号(道央圏連絡道路)に入り、千歳東ICから道東自動車道に乗った。
反対車線を走るライダーが何組か、手を振ったり、Vサインをしたりして挨拶してくれた(高速なのに)。なぜか皆さんテンション高め。ああ、北海道だなあ・・・

文句無しのいい天気!ゼファー750もドラッグスター250も絶好調。かみさんが無線インカムで、「高速走行はビラーゴより全然安定してる」と言っていた。

あまり走っていないけど、由仁PAで休憩。
ここで今回のツーリングで初のソフトクリームをゲット。土地柄的にメロンソフトを食べたのだが、普通のソフトにしとけば良かったかも・・・

となりのベンチで休憩していたライダーが立ち上がり、「それではお気をつけて」と言って自分のバイクの方へ歩いて行った。俺も「どうも、お気をつけて」と声をかけた。
ライダーは手早く準備を終えて発進した。俺の傍らを通り過ぎるときに軽くホーンをならし、手を振って走り去って行った。

俺は革ジャンを着てたので大丈夫だったけど、かみさんは春夏用のジャケットだったので高速を走ってたら寒くなってきたらしい。なので、かみさんはジャケットの下に防風インナーを着込んだ。
そして出発

道東自動車道は基本片道1車線で、車がみんなものすごいスピードで走ってるイメージがあったのでビビッていたのだが、いい感じのスピードで流れに乗って進むことができた。

好天だった空模様は夕張あたりから徐々に雲がでてきて、東進するにつれ曇天となってきた。しかし、雨がふりそうな曇り方ではない。
ワレワレ夫婦は道東自動車道を快適に進み、帯広ジャンクションで帯広広尾自動車道に入った。少し走って帯広川西ICで一般道におりて国道236号を進んだ。
「旧愛国駅」に行ってみようと思ったのだが、場所が良くわからなかったのでその先の「旧幸福駅」に向かった。

こんにちは。九十九です。
それはさておき、旧幸福駅に到着。

旧幸福駅は、帯広市幸福町にあった旧国鉄広尾線の駅で、広尾線の廃線に伴い1987年に廃駅になった駅だ。駅名の縁起の良さから有名になり、かつては幸福駅より2つ帯広駅寄りの愛国駅と併せて、「愛国から幸福行き」という切符が一大ブームとなった。観光客が大勢訪れるようになり、待合室の内外に名刺や使用済みの定期券などを記念に残すことが流行したらしい。廃止後も観光地として整備されていて、現在は売店で「愛国から幸福行き」の切符をデザインしたはがきが売られていて、観光客が願い事を書いたこのはがきが旧待合室の内外に隙間なく貼り付けられている。

売店で「愛国から幸福行き」の切符をデザインしたはがきを2枚買った。かみさんの職場に、日夜幸福を追い求めて奮闘している女子がいるというので、1枚はその娘に郵送し、もう1枚はワレワレ夫婦の願い事を書いて旧待合室の壁に貼りつけた。
かみさんがへっぴり腰ですけど・・・・・

千歳を午後出発して、旧幸福駅を観光してたらはやくも夕刻だ。
ワレワレ夫婦は宿に向かうことにして、国道236号を帯広市街に向かって引き返した。

午後4時50分。
本日の宿「ホテルグランテス帯広」に到着。

グランテラス帯広はビジネスホテルだが、部屋はビジネスホテルにしては広くきれいで、大浴場もある。

ワレワレ夫婦は早起きして羽田空港に行って、バイク預けたり、飛行機に乗ったり、バイク引き取ったり、高速道路走ったり、ちょっと観光したりして疲れてるのでチェックインするやいなや軽装に着替えて大浴場に向かった。大浴場はうれしいことに貸切状態(女湯もそうだったらしい)。お湯は温泉ではないけど、気持ちいいからいいのだ。
かみさんはこの宿が気に入ったらしく、「帯広の常宿にしよう」と言っていた。

一息ついたので帯広の街を散策。
帯広の屋台街が宿の直ぐ近くだった。

ろばた焼きの店に入り、新鮮な海の幸を食べながら、俺はビールと北海道産の日本酒(芳醇で美味しかったけど名前忘れた)を飲んだ。かみさんはカシスオレンジ。
ホッケとイカの一夜干しとジャガイモとチーズの焼いたのが超うまかった。
てか、サラダでかっ!

本日の走行距離は236km。
明日は、さらに東進し、念願の多和平や開陽台に行く予定だ。

■■2日目■■
7月14日木曜日
朝食はホテルのバイキング。これまたビジネスホテルにしては品数豊富だ。

朝食会場から部屋に戻り、少し休んでチェックアウト。
ホテルの屋内駐車場に停めさせてもらった訳だが、駐車場の係りのおじさんがやたら親切だった。
市街地の宿でも、こんな感じの駐車場なら安心だ。

時刻は午前8時。荷物をしっかりと積載し、ワレワレ夫婦はさらに東を目指して出発した。

国道236号から国道38号を右折して、釧路方面に進んだ。
本日の天候は曇天。空一面の雲がどんよりと垂れ下がり、じめじめとした空気があたりを覆っている。

雨ではない。決して雨ではないし霧雨というほどのものでもないのだが、空間に漂う湿気は飽和状態に近いらしく、ヘルメットのシールドには水滴が付着し、ジーパンは湿っぽくなるし、革ジャンはびしょびしょになってくるしで、たまらず路肩に停車。ワレワレ夫婦はこの先の雨を予見して、レインウェアを装着した。

で、出発・・・・したら、途端にじめじめは解消してきて空も明るくなってきた。なので道の駅「うらほろ」に入ってレインウェアを脱いだ。で出発。直後にじめじめ再開。今度ははっきりとした霧雨だ。で、たまらず路肩に停車。ワレワレ夫婦はこの先の本格的な雨を予見してレインウェアを装着した。で、出発・・・・したら晴れてきた・・・・・

国道38号は海沿いになり、道の駅「しらぬか恋問」に到達するころにはもはや快晴。
だが俺は見逃さなかった。進行方向、はるか彼方に広がる厚い雲を。
ここでレインウェアを脱いだら、どうせまたすぐに降るつもりなんでしょ。もうだまされないからね!脱がねーぞ、レインウェア。このまま走ってやる!絶対脱がねーからな!(誰と話してるんだよ)

ちなみに道の駅「しらぬか恋問」はワレワレ夫婦の始めての北海道ツーリングのとき、豚丼を食べた思い出の場所だ。ここの豚丼は有名らしく美味しいと評判で、実際美味しかったことが記憶に残っている。

国道38号から国道391号(摩周国道)に入って北上。
シラルトロ湖畔の幻想的な風景を見ながら走る。道は既に標茶町に差し掛かっている。

釧路本線の磯分内駅のあたりで道道1040号を右折。8km程走って本日の目的地の一つ、多和平に到着だ。

多和平のレストハウス「グリーンヒル多和」で昼食。

かみさんは焼きたてパンとフランクフルト。

俺はビーフカレーを食べた。
ビーフカレーは普通に美味しくて、かみさんが注文した焼き立てパンはすごーく美味しかった。

多和平の展望台から写真撮影。
多和平は、これから行く開陽台とならんで、360度ビューのツーリングスポットだ。

曇天が若干残念ではあるが、まず一つ目の多和平リベンジ成功。
道道1040号に戻り、国道243号、道道885号を経由して道道150号に入った。道は既に中標津町に入っている。ワレワレ夫婦は牧草地や畑の中の、北海道らしい美しい景色の中を走った。
そしてとうとう、その瞬間は訪れた。

ライダーの聖地。念願の開陽台に到着。
俺は感慨に浸り、かみさんはヘルメットを脱ぐなり、「かいかいかい」とか言いながら頭を掻いた。よっぽどかいかったらしい。

開陽台!
展望台からの360度の眺望といい、至るまでのアプローチといい、

そこはまさに、

ライダーの聖地であった。

そしてこれ!
おいしいと噂のソフトクリーム。

開陽台はジェラートや蜂蜜ソフトが有名だが、ワレワレ夫婦は普通のソフトクリームを注文した。で、食べた。その感想は・・・

やべ!うめえ!
さっぱりとしたミルク風味。ワレワレ夫婦的に直球ど真ん中の味わいだ。

メッセージカードがあったので、記念に記入して壁のあいているスペースに貼り付けた。

北海道ツーリング6回目にして初の開陽台。byかみさん。

スゲーけしき。by俺。

開陽台の景色とソフトクリームを満喫し、満足して宿に向かった。
若干迷子になりながら進み、どうにか中標津市街に到達した。

今回のツーリングで初のセイコマ!
本日の宿は素泊まりなので夕食と明日の朝ごはんを調達した。ついでに、意地になって着ていたレインスーツを脱いだ。(まだ着てたのかよ)

午後4時35分。本日の宿、「ホテル開陽イン」に到着だ。

この宿もビジネスホテルだが、洗い場が4つと、3人位入れば気まずい感じの湯船の、決して大きくはない大浴場がある。しかも男湯だけで、「女性が大浴場に入りたい場合はフロントに連絡して下さい」とある。????
いったいどういうシステムになっているのか。
ともあれワレワレ夫婦は無事にチェックインし、俺は大浴場に向かい、かみさんは部屋のユニットバスでツーリングの疲れを癒した。

夕食はセイコマディナー。
100円惣菜やホットシェフのおにぎりを食べながら、サッポロクラシックを飲んだ。

本日の走行距離は261km。
明日は羅臼から斜里へ知床横断道路を走り、世界遺産の地を観光して網走へ向かう予定だ。

■■3日目■■
7月15日金曜日
俺は4時起床。目が覚めちゃうんだからしかたない。道東地方は東京よりも日の出が早く、この時期の空は朝4時でもすでに明るくなっている。
かみさんは予定通り6時起床。
窓から眺めると、昨夜は本格的な雨が降ったらしく、宿の前の道は濡れていて轍には水溜りが出来ている。空気は昨日同様ジメジメしていて、バイクで走るだけでびしょ濡れになりそうな感じだ。

ワレワレ夫婦は昨日セイコマで買ったパンと缶コーヒーで朝食を済ませた。手早く出発準備をしてチェックアウト。
かみさんはライディングジャケットとレインパンツ、俺はレインスーツの上下を着用して出発した。

朝7時35分。ワレワレ夫婦は世界自然遺産の地を目指して、北海道ツーリング3日目の走行を開始したのだった。

市街地から国道272号(ミルクロード)を左折して進む。中標津町から標津町に入り、暫く進むと正面に海が見えてきた。
北海道と国後島のはざまに横たわる根室海峡だ。国道272号は根室海峡につきあたり、海沿いには国道244号が通っていてT字路を形成している。
国道244号を左折し、羅臼方面に進む。

やがて国道244号は網走方面に向かう内陸の道になるのだが、我々夫婦は海沿いの国道335号に入り知床半島羅臼側を進んだ。
空は徐々に明るくなってきていて、右手の根室海峡の向こうには、もやに霞んだ国後島が見え隠れして幻想的な雰囲気をかもし出している。

本日の第一の目的地、「純の番屋」に到着!
だがしかし、まだ時間が早いので開店してない・・・・
しょうがないので、写真だけ撮った。

「純の番屋」は「北の国から2002 遺言」で純が住んでいた設定の番屋のレプリカだ。実際の番屋は現在でも使用されているため、観光客がたくさん押し寄せて漁の邪魔にならないようにとの配慮から、羅臼町観光協会が募集したボランティアが観光用に建てたのがこの「純の番屋」だ。
北の国からフリークのワレワレ夫婦としては、抑えておかなければならないスポットの一つなのだ。

現在は食堂として営業していて「純のかに汁(300円)」「五郎さんのいくら丼」「吾平さんのトド刺し(600円)」といった「北の国から」らしいメニューを、羅臼の海産物をふんだんに使用して提供している。もちろんロケの写真も展示されている。

これでワレワレ夫婦は、「北の国から」ゆかりの観光地はあらかた網羅したのではあるまいか。

北の国から・・・・・
それは、ワレワレ夫婦の魂を揺さぶり続ける、単なるテレビドラマを超越した存在だ。
「蛍のテーマ」とか「シュウのテーマ」とか、いまだに聴くとなぜか目頭が熱くなる。うう・・・(だから泣くなって)

富良野の「北の国から資料館」がこの8月末に閉館になるという事実は、ワレワレ北の国からフリークにとって、返す返すも残念なニュースだ。

「純の番屋」から少し進んで、道の駅「知床・らうす」に到着。
雲は急速にうすれていき、今や青空が知床半島の上空に広がりつつある。

トイレを済ませて売店を見物していたら、海鮮売り場でほぼ強制的にタラバガニの足を試食させられた。これがまた美味いから困ったものだ。見ると売り場のおじさんは既に俺がタラバガニの試食を食べ終えるのを待って、手際よくウニの試食を準備している。俺は危険を察知し、急いでタラバガニ(試食にしてはでかい)を食べ終えて「ごちそうま!」と、その場を立ち去った。背後から「ウニも食べて行きなよ。郵送できるよ!」という声がかかったが、俺は心を鬼にして振り向かずにその場を立ち去ったのであった。

駐車場に戻ると、かみさんが斜里方面から知床横断道路を越えて来たライダーと話していた。ライダー曰く、知床峠はウェアがびしょびしょになるほどの霧で何も見えなかったらしい。ワレワレ夫婦は雨具を装着したまま、走行を再会することにした。
さあ、いよいよ知床横断道路だ!

ワレワレ夫婦は知床横断道路を走った。
北海道にしては勾配もRも急な峠道を、たのしーく登っていった。

峠に近づくにつれ徐々に上空の雲が低くなってきたが、道が霧に包まれることはなかった。
道の駅「知床・らうす」で会ったライダーが通過してから時間がたっているので、天候は好転して、霧はすでにひいているのだろう

斜里方面からやってきた数組のライダーとすれ違い、手を振って挨拶を交わした。あー楽しい!


知床峠に到着!

で、羅臼岳どこ?
雲が低く、遠景はガスっていて、期待していた羅臼岳の絶景は見ることができなかった(泣

が、しかし、空気が美味しくて超絶気持ちいい。

斜里方面から知床峠のパーキングに入って来るライダーは、皆レインスーツを着ていないので、ワレワレ夫婦はこの先を好天と予測した。
で、レインスーツを脱いで出発。あースッキリした。

知床横断道路の峠から斜里側は、なだらかな傾斜とおおらかなカーブが連続する、走りやしくて気持ちのいい道。

進んで行くと、やがて前方に真っ青なオホーツク海が姿を現す。これがまた言葉では言い表せない程の絶景。最早青空が広がり、空も海も美しい青。どこから空でどこから海なのか判じがたい。
何度も言うが、何度でも言うが、北海道ではバイクで走りながら見る景色が最も美しいと思う。

知床横断道路を走りきり、道道93号を右折。ヒグマの脅威に怯えながら知床五湖に向かった。

白樺の森の中を進んでいると、かみさんが無線インカムで「鹿!気をつけて!」と叫んだ。
「えっ!?」と思った直後、道の左側からエゾ鹿がガードレールを飛び越えて俺の前方、約3メートルを横切った。その距離たるや、鹿が疾走する風圧を感じる程の近さだ。
俺はパニックに陥り、急ブレーキをかけてこけそうになりながらもどうにか持ちこたえて鹿との衝突を回避した・・・・・・・

ワレワレ夫婦、暫く無言。
あービックリした。心のそこからビックリした。ほんとにあるんだなー。

とりあえずエゾ鹿との衝突を回避し、ヒグマと遭遇することもなく、知床五湖に到着。バイクの駐車料金、1台300円を2台分払って駐車場にゼファー750とドラッグスター250を停め、無料の木道を歩いた。

雑誌の画像や観光番組の映像で見た景色は、実際にははるかに想像を超えていた。いや、その場に立たなければ分からないものだ。草原と手付かずの森の緑。オホーツク海と境界があいまいな青い空。静かに浮かんだ雲の白。五湖の一つ、一湖の深い藍。ここは日本か?本当に日本なのか?

木道を進んで行くと、人だかりが出来ていた。オホーツク海の絶景をカメラに収めているのだろうと思い、俺も立ち止まって写真を撮った。と、遠方に動く小さな黒点を発見。
カメラをズームにしてみると、ヒグマだ!なんだか猪に見えるが、確かにヒグマだ!

その場にいたガイドさんの話を盗み聴きすると、このヒグマは「キンコちゃん」と呼ばれているらしい。由来は頭部の毛が金髪だからだ。
俺は望遠の手ぶれを必死に押さえ、写真と動画を撮影したのだった。

木道の終点、知床五湖の一湖を撮影して駐車場に引き返した。

道道93号をヒグマとエゾ鹿を警戒しつつ戻り、再び国道334号に入った。

昼食は道の駅「うとろ・シリエトク」のレストハウス。

かみさんは鮭とイクラの親子丼。

俺は日替わり海鮮丼を注文した。

特筆すべきは、ボタン海老。本土では経験したことのない甘さ!

道の駅「うとろ・シリエトク」を後にして「オシンコシンの滝」に到着。
オシンコシンの滝は日本100名瀑の一つで、断崖から水しぶきをあげて、60メートルの落差を流れ落ちる水流が迫力満点だ。
マイナスイオンあびまくり!

オシンコシンの滝は、ツーリングの時間を割いて立ち寄る価値のあるスポットなのであった。

国道334号から国道224号を経由して、網走の国道39号に入った。
北海道ツーリング3日目の最終目的地はここ。ジェラートで有名な、網走「リスの森」だ。

クリームチーズジェラートとソフトクリームをゲット

やばい。はっきし言ってやばい。ここんちのアイスクリームはインターネットで取り寄せたことがあるのだが、その場で味わうジェラートもソフトクリームもこれまた別格。
俺は言おう。今更ながら敢て言おう。やはり北海道は、「ソフトクリーム王国」だと・・・・

リスの森から国道39号を1kmほど戻った。

午後3時25分。本日の宿「北天の丘あばしり鶴雅リゾート」に到着。

車寄せで係りの人に「宿泊なんですけど、バイクどこに停めれば良いですか?」ときくと、係りのおじさんは「案内しますから付いて来て下さい」と言って小走りにワレワレ夫婦を先導してくれた。
そして、屋根のあるスペースに案内してくれた。

駐車スペースにはすでにタンデム(ヘルメットが二つあるのでそれと分かる)のビッグスクーター停まっていた。その横のスペースにゼファー750とドラッグスター250を縦一列に停めた。宿で使う荷物(着替えとか、おやつとか、充電器とか)だけバイクから降ろし、といっても結構な量になるわけだが、おじさんが用意してくれたカートに積んでフロントに向かった。

フロントへ行くと、宿のおねえさんが近づいて来て、「チェックインはお部屋の方で行いますので、ご案内します。」と言ってワレワレ夫婦の荷物が載ったカートを押して、大浴場や、食事会場の場所や利用時間を説明しつつ先導してくれた。

部屋でチェックインを済ませ、かみさんは宿の作務衣に着替え、俺は部屋着の7分ズボンとTシャツに着替えた。
そしていつものように、速攻で大浴場で入浴。

ラッキーなことにここの大浴場も貸切状態。まだ時間が早いからだろう。
俺はまず体と頭を洗い、誰もいない露天風呂に浸かり、続いて内風呂でゆっくりと体のこりをほぐした。

部屋にはベランダがあり、テーブルと椅子が設置されている。
温泉で充分温まったワレワレ夫婦は、涼風を浴び、眼下の網走湖を眺めながらくつろいだ。

夕食の時間まで、まだ時間がある。なので恒例のお昼寝タイムだ。
温泉に入って、ビール飲んで、お昼寝。ああ、なんという贅沢。

夕食は宿のバイキング。
種類が豊富で、美味しそうなものばっかりなので無茶苦茶悩む。
ワレワレ夫婦はは料理を少量づつまめに取りに行き、なるべくいろいろな料理を食べた。
どの料理もうまい。
この宿はサービスがいいし、部屋もいいし、料理はおいしいし、温泉もいいのに料金があまり高くない。

ああ、おいしかった。少量ずつ食べたのに、食べたい料理を食べる前におなかがいっぱいになってしまった。
部屋に戻り、俺はもう一度大浴場に向かった。

青空の下、気持ち良く走って、楽しく遊んで、温泉に入って、美味しいものを食べて、ああ、すばらしい一日だった。
本日の走行距離は227km
明日は、南下して内陸を進み、ナイタイ高原に寄ってから宿に向かう予定だ。

■■4日目■■
7月16日土曜日。
またまた4時起床。この宿の大浴場は朝9時まで入浴できるので、起きるなり速攻で朝風呂に向かった。
入り口にスリッパが一足脱いであったのだが、脱衣所も浴室も露天風呂も無人。謎だ。つーかちょっと怖い。

俺はシャワーで体を流し、早朝の温泉を独り占めで楽しんだのだった。ちょと怖かったけど・・・

朝食は宿のバイキング。俺は和食を中心にチョイスし、かみさんはごはんとかパンとかいろいろ持ってきて食べた。
部屋に戻って少し休み、朝食前に準備を終えた荷物を持ってチェックアウト。

朝8時10分に網走の宿を出発。
今日も曇っているとはいえじめじめ感がなく、雨も降りそうにないのでレインスーツは着けずに出発した。

国道39号を南下し、昨日アイスクリームとジェラートを食べた「リスの森」や、「メルヘンの丘」を通り過ぎた。早いもので以前メルヘンの丘に来てから、早くも4年の歳月が流れている。

今日はまずは道の駅「あいおい」まで走ってトイレ休憩して、その後のルートを確認するつもりだ。今日のルートは方向音痴の俺にとっては、ちょっと複雑なのだ。

暑くもなく寒くもなく、空いている国道を快適に走って北見市街に差し掛かった・・・・・ん?北見駅?
俺は異変に気づき、バイクを路肩に止めてツーリングマップルを確認した。そしてとりあえずかみさんに謝った。「ごめん、ほんとごめん」

本来、石北本線の美幌駅のあたりで、国道39号から国道240号に入らなければならなかったところを、おれは「ふんふんふーん」といい調子で国道39号を直進してしまったのだ。そして29km進んだところでようやっと間違いに気づいたのだ。
ワレワレ夫婦は29km戻り、あらためて本来のルート国道240号に入った。かみさんちょっと不機嫌・・・・

本来64km位走ればいいところ、122kmも走ってようやく道の駅「あいおい」に到着。
トイレ休憩を済ませて、この後のルートを確認した。

道の駅「あいおい」は旧国鉄時代に廃止になった、北見相生駅の跡地に造られていて、駅舎の資料室や列車車両が展示されていたりする。
車両の一つは無料のライダーハウスになっている。

国道240号から国道241号に入って足寄国道を進んだ。

うっそうとした森や、田畑、牧草地以外なにもない道を暫く進み、足寄市街の道の駅「あしょろ銀河ホール21」に入った。

ここで昼食。
宿の朝食をたくさん食べたので、あまりおなかが減っていない。なので売店でパンと牛乳を買って軽く昼食を済ませた。

国道241号で上士幌町の市街地に入った。ちょっと迷子になったが、ナイタイ高原の案内板をみつけてその通り進み、どうにか道道806号に入った。
道道806号を暫く進み、ナイタイ高原レストハウスの看板がある交差点を左折。

ワレワレ夫婦は前後左右に広がる大草原の中の道を進んだ。
ナイタイ高原は今回で2回目。多和平や開陽台の景色もすごいが、ここの景色も本当にすごい。写真や文章では伝えるのが難しい。ナイタイ高原の道は、どこまでも広がる牧場の草原地帯を左右に切り裂いて伸びていく。ワレワレ夫婦は現実とは思えない景色を味わうように、ゆっくり走った。2回目でも感動。きっと何回来ても感動すのではないだろうか?

「ナイタイ高原レストハウス」に到着。
かつてはログハウスのおしゃれな建物だったのだが、去年の10月に強風の被害で全壊し、今年の4月から仮設の店舗で営業を再開したらしい。
頑丈そうなログハウスが全壊するって、いったいどれだけの強風が吹いたのか。

ワレワレ夫婦は当然ながらソフトクリームをゲット。
前回食べてみて大ファンになったソフトくりーむだ。で、食べてみた。

うーん。やっぱうまいわ。前回食べたときはワレワレ夫婦的ソフトクリームランキングのトップに躍り出たわけだが、あれからワレワレ夫婦は北海道のソフトクリームを数知れず食べた。
とりわけ道南地方のソフトクリームのレベルには衝撃を受け、ワレワレ夫婦的ソフトクリームランキングは何が何やらわからなくなりつつあるわけだが、それにしてもここのソフトがランキングの上位に入っていることは間違い無い。

大草原を見下ろすベンチに座り、広大な景色と、美味しいソフトクリームを楽しんだ。

そして出発。

国道241号に戻り、国道274号、道道593号を経由して道道718号に入った。
宿の看板にしたがってくったり湖方面に左折。その後の案内板が分かりにくく、ここでもプチ迷子になったが、行ったり来たりしてちょっとした苦労の末、本日の宿発見!

午後4時15分。
本日の宿「湯宿くったり温泉レイクイン」に到着だ。

フロントへ行ってバイクを止める場所を聞くと、フロントの女性が「見えますか?そこの屋根。」と言ってフロント正面のガラス張りから見える、ホテル脇の狭いバス停のようなスペースを指差した。「それか一般の駐車場に停めて下さい。」と行った。
俺は屋根のスペースを見に行った。とっても狭いスペースで、停めることができたとしても、雨風を防げそうもないような小さな屋根なので、一般の駐車場に停めることにした。

チェックインして、早速温泉だ。
ここの宿は日帰り温泉入浴もできるので、近所のキャンプ場に宿泊すると思われるライダーが温泉に入りに来ていた。
大浴場は、サウナ、打たせ湯、寝湯、気泡風呂、露天風呂と施設が充実している。

部屋に戻ってこの旅2度目のセイコマディナー。
残念ながら、宿の自販機に札幌クラシックは売ってなかった。残念。

それにしてもだ。セイコーマートで買ったミニトマト!
これがものすごい美味しさ!東京ではちょっと食べたことがない。

本日の走行距離は、迷走区間を合わせて303km
明日は、いよいよ最終日。
飛行機の時間に遅れたらシャレにならないので、早めに起きてチェックアウトして、道東自動車道で一気に千歳まで向かうつもりだ。

■■最終日■■
7月17日日曜日
結局4時起床。くったり湖湖畔を少し散歩して部屋に戻り、充電した電子機器や、着替えや洗濯物、もう使用しないものを整理してパッキングした。
かみさんは今日は6時前に起きてきた。昨日セイコマで買った朝食を食べて、出発準備開始。
この宿は朝食付きのプランだが、のんびり朝食を食べてたら出発が遅くなるので、宿の朝食はパスした。

かみさんが出発準備をしている間に、俺はパッキングの終わった荷物からせっせと駐車場に運んでバイクに括りつけた。
今日は細かい霧雨が舞っていて、バイクのシートやタンクがびっしょりと濡れている。

部屋でレインスーツを着込み、最終日の出発準備がすっかり整った。ワレワレ夫婦は7時にチェックアウトし、7時15分に北海道ツーリング最終日の走行を開始したのであった。

宿を出発して、道道718号を南下し、国道274号を右折して十勝清水ICから道東自動車道に乗った。走り始めるとすぐに霧が出てきて、やがて10m先が見えないほどの濃霧となった。

さすがに前後の車もスピードを抑えて走っている。ワレワレ夫婦は車間距離に注意しながら、安全運転で進んだ。結構怖い。こんな日は併走する国道274号の日勝峠あたりはなんにも見えないくらいの濃霧なんだろうなあとか思いながら進んだ。

濃霧は暫く続き、狩勝第1トンネルをぬけたら、嘘のように霧は晴れていた。あー良かった。
その後は快調に進み、由仁PAで休憩。ここでレインスーツを脱ぎ、ドラッグスター250のサイドバッグにしまった。前方の空を見るに、この先雨は降りそうにないからだ。

千歳東ICで道東自動車道を降り、国道337号から道道130号に入った。
「ワレワレ夫婦の北海道ツーリング2016」も残りほんのわずかだ。

ANA指定のガソリンスタンドに到着。
1リットルだけ残してガソリンを抜いてもらい、抜き取り証明のはんこうをもらった。
そして貨物地区に移動。

貨物エリアで所定の手続きと、バッテリー端子取り外しをすませて、ゼファー750とドラッグスター250を引き渡した。

ANAの係りの人にタクシーを呼んでもらい、旅客ターミナルへ移動して

とりあえずラーメン道場へ行き、「けやき」の味噌ラーメンを食べた。
味噌ラーメンんの王道って感じでおいしい。
相変わらず「えびそば一幻」はすごい人気で行列ができているが、ワレワレ夫婦はあまり興味がない。
それよりもやはり、札幌味噌ラーメンとか、旭川ラーメンとかだ。函館の塩ラーメンもいいけどね

時間に余裕があるので、ゆっくり大量のおみやげを選んで航空貨物で送る手配を行った。

今回の旅最後のソフトクリームは、「花畑牧場」のソフトクリームだ。
濃厚なバニラ味で甘い。ワレワレ夫婦の趣味とはちょっと違うかも・・・

いい時間になってきたので、ワレワレ夫婦はチェックインして搭乗口に移動した。

午後2時45分。ワレワレ夫婦と愛車2台を載せたANA66便は定刻から15分遅れて出発し、非日常から日常に向かって離陸した。
ANA66便は急激に高度を増し、眼下の大地はすぐ雲に隠れて見えなくなった。


北海道の道には、
360度大草原の広大な牧場、それを見渡せるライダーの聖地があった。
海峡の向こう、もやに霞む国後島の幻想的な姿があった。
世界遺産の半島を横断する、爽快な峠道があった。
空との境界があいまいなほどに青い、オホーツクの海があった。
どこまでも続く直線の道、その両側にはまばゆい緑の牧草地、あるいは美しい白樺の森があり、反対車線にはハイテンションで手を振るバイク乗り達がいた。

ワレワレ夫婦の北海道ツーリングは今回で6回目。今現在、帰宅してから2週間経ったわけだが、今回は過去最高の放心状態ではあるまいか。
ワレワレ夫婦ほど趣味が合う夫婦もめずらしいと思うのだが、北海道はなぜこれほどまでにワレワレ夫婦を魅了するのか?この先、その答えを得ることはないだろうと思うし、重要だとも思わない。が、しかし、来年もその答えを探して、北の大地を走り回るワレワレ夫婦の姿が、今から俺には想像できるのであった。

ともあれ、我が人生にバイクと北海道があること、そしてかみさんに出会えたことに感謝。



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