2010年5月2日(日)、3日(月)
美食・絶景・ビーナスライン

目的地 ビーナスライン
ルート
1日目 :  国道254号 → 国道142号 → 国道152号 → 県道178号(美ヶ原和田線) →
「美ヶ原」→ ビーナスライン → 「三峰展望台」→ ビーナスライン → 「白樺湖」→ ビーナスライン →
「車山高原」(270km)
2日目 :  県道40号(ビーナスライン) → 国道152号 → 中央道(諏訪〜国立・府中) → 国道20号(232km)
走行距離 502km

ゴールデンウィークなので、久しぶりに夫婦でツーリングだ。ゼファーを買ってから、初めての泊りがけツーリングでもある。
目的地はビーナスライン!
悪天候の為に中止となった、去年の計画のリベンジだ。美ヶ原から白樺湖の美しい景色を堪能して、車山高原の宿で評判の料理を楽しむのだ。どうやら、このゴールデンウィークは行楽日和が続くようだ。そのとおりだとすれば、今日はとってもビューティフルな1日になるはずだ。なぜなら、五月晴れのビーナスラインでは、ライダーに高原の女神が微笑むからだ。
と、こんな感じの表現が俺のツーレポには頻繁に現われるわけだが、「恥ずかしげもなく、よく書けるな」と思った方のために一応ことわっておくと、実は本人もちょっと恥ずかしがりながら書いてたりします。(何の説明だよ)

それはさて置き、今年のゴールデンウィークは高速道路の大混雑が予想されている。我々夫婦の行程は5月2日と3日の一泊二日。行きは超早起きして一般道で向かうから良いとして、帰りは高速で帰るつもりなので、Uターンラッシュの渋滞がそこはかとなく心配なのであった。


5月2日、日曜日
我々夫婦は根性で3時に起床した。昨夜俺は、ツーリングの前日はいつもそうであるように超早寝したし、かみさんに至っては、「熟睡したら起きられない!」って理由で、居間に座布団を敷いて就寝したのだった。

俺はてきぱきと身支度を終え、一泊二日分の荷物を入れた防水バッグをゼファーに括り付け、二人分のレインスーツやブーツカバーを入れたサドルバッグをビラーゴに装着した。そうこうしている間に、かみさんも身支度を終えて外に出てきた。そして玄関に鍵を掛けた。我々夫婦はエンジンをスタートさせてヘルメットとグローブを装着し、B+COMのスィッチをONにした。暖気運転もそこそこに発進。低速でいつもの空き地まで進み、アイドリングが安定するのを待った。

かくして準備が整った。我々夫婦は5月のビーナスライン目差して出発したのだった。

国道254号を黙々と進む。今日は内山峠を超えて長野入りするつもりなので、行程の大半が国道254号だ。

埼玉県と群馬県の県境の手前にある「道のオアシス神川」で休憩。この時点で7時15分くらい。夜明け前から走っているので段々体が冷えて来た。かみさんは途中のコンビニでマイクロダウンとレインウェアの上下を着て走っている。それでもまだ「寒い、寒い」と言っていた。天気が良く風がないので、この後あたたかくなるだろうから、もう少しの辛抱だ。

神流川を越えて群馬県に入り、ガルーダみたいな一団に(本当にガルーダみたいだった)追い越されたりしながら進み、富岡バイパスを通過。道の駅「しもにた」で休憩。何かを軽く食べたかったのだが、まだ店は開いていなかった。ちなみに、時刻は8時過ぎくらいだ。おそらく。

気温が段々上がってきたようで、俺は全く寒さを感じない。かみさんも大分楽になったようで、ここでレインスーツを脱いだ。で、出発。B+COMで 「あー、さっぱりした!」と言っていた。

下仁田を超え、内山峠に向けてグングンと高度を上げながら進む。やがて国道254号は登りの急勾配で急カーブが連続する山道となった。我々夫婦はトラックの後ろを安全運転で進み、内山トンネルを越えて長野県佐久市に入ったのだった。

コスモス街道を超えて佐久の市街地で給油。さらに国道254号/国道142号を進む。(このあたりは国道254号と国道142号が同じ道なのだ)

国道254号の分岐を右に、国土152号の分岐を左にやり過ごして国道142号を進み、県道178号(美ヶ原和田線)をを右折。狭くて荒れた、急勾配のクネクネ道をグングン登り、美ヶ原を目差したのである。

本日の昼食予定地、美ヶ原の「山本小屋」に到着だ。バイク置き場が一杯だったので、第2駐車場にゼファーとビラーゴを停めた。第二駐車場に降りる急勾配の道を、鋭角に左折するのがものすごーく怖かった。

Wikipediaによればこの辺りの標高は1,900mくらい。見渡すと、山の斜面にバリバリ雪が残っている。

で、昼食。
俺は牧場ラーメン、かみさんは山菜そばとホットミルクを注文した。
牧場ラーメンはミルクと味噌をベースにした味噌ラーメンだ。クリーミーでコクがあって、はっきり言ってうまい!
山菜そばは、山菜が甘くておいしかった。ただし、山菜そばも牧場ラーメンも、ちょっとぬるかったのが残念だ。

食後に食べたソフトクリームは、「第2位の美味しさ」だとかみさんが言っていた。ちなみに一位は富良野の「フラノーブルマツオ」のソフトクリームらしい。恐らく今年も食べられるはずだ。

食事を終え、美ヶ原を出発。いよいよビーナスラインだ。
県道178号の急勾配のクネクネ道を下る。前方の車がいなくなるとかみさんが前に出て、大喜びで走った。かみさんは山道とか峠のクネクネ道が大好きなのだ。俺がB+COMで「だいじょうぶかー?」と言うと、かみさんは「だいじょうぶ!だいじょうぶ!」と言った。「いや、っていうか、スピード出すと俺が怖いんですけど」・・・ まだゼファーに慣れていないので、山道が怖いのであった。

ビーナスラインは茅野方面から美ヶ原に向かうライダーの方が圧倒的に多いので、我々夫婦はすごい数のバイクとすれ違った。手を上げて挨拶してくれるライダーが何人もいた。ゴールデンウィークの長野はピース率高し!

県道178号から県道460号に入ると、ビーナスラインは勾配もカーブも緩やかになり、やがて東側の展望が開け、開放感の溢れる道となった。下り坂を走りながら見る景色は、絶景に継ぐ絶景。高所恐怖症の俺には、怖いくらいの見晴らしだ。

扉峠を超えると西側の展望が開け、遠く北アルプスの眺望を臨みつつ走ると、やがて三峰展望台に到着。我々夫婦はゼファーとビラーゴを展望台の駐車場に入れたのだった。

三峰展望台からは、間近に三峰さんの山頂、蓼科山や美ヶ原など広範囲に見渡せる絶景ポイントだ。360度、どこを向いても絶景な感じだ。

和田峠を超えるとビーナスラインは県道194号になる。八島ヶ原湿原を通過し、霧ヶ峰のあたりで県道40号を左折すると車山高原だ。今日の宿はこの辺りだが、一旦白樺湖に降りて、コンビニとお土産やさんでお買い物の予定だ。我々夫婦は爽快な草原地帯を走り抜け、白樺湖に向かったのだった。

白樺湖畔はゴールデンウィークの観光客で大混雑だ。我々夫婦は事前リサーチでチェックしておいたコンビニをスムーズに発見し、駐車場に乗り入れた。コンビニの駐車場も大混雑で、店の人と思われるおじさんが、交通整理をしていた。俺はおじさんの指示を仰ぐべく入り口付近を超低速で進んだ。俺は何かに驚き(何に驚いたのかは覚えていない)、思わずブレーキレバーを握った。そしてバランスを崩し、踏ん張ったが支えきれず立ちゴケしたのだった。所謂握りゴケってやつだ。

恥ずかしい。ものすごーく恥ずかしい。駐車場には観光客が沢山いて、入り口付近で立ちゴケした俺は、いやがおうにも注目の的だ。はっきり言って、今この場のスーパースターだ。俺は頭の中が真っ白になった。多分顔は真っ赤だ。俺は焦ってバイクに取り付いて、引き起こした。近くにいたライダーが引き起しを手伝ってくれたので、何回も何回もお礼を言った。横でかみさんもペコペコペコペコ頭を下げてくれたのだった。近くにいたライダーとかみさんに感謝。

とーっても恥ずかしかった訳だが、気を取り直してお買い物。宿で食べるおやつをコンビニで買い、隣のお土産やさんで野沢菜とか、チーズを買った。そして道を引き返し、車山高原の宿に向かったのだった。

14時35分。
出発から270km走って本日の宿泊地、車山高原「リゾートホテルカムス」に到着だ。

俺はゆっくり荷物を降ろした。一旦フロントに行ってバイクを置く場所を確認し、荷物をかみさんと手分けして持ってチェックインした。

インターネットによると、リゾートインカムスは料理に定評のあるプチホテルだ。2006年開業だから、出来てからまだ4年。外装も内装もきれいだで、従業員の感じもいい。そして、車山高原で唯一貸切風呂がある宿らしい。料金は、本格的なフレンチのディナーと朝食付きで一人15,000円(じゃらんネット)だ。

旅装を解いて早速貸切風呂に向かった。ちょっとフライング気味にチェックインさせてもらったので、お風呂も一番風呂が予約できたのだ。
我々夫婦は体と頭を洗い、手作りの岩風呂に入・・・・入ろうとしたがだめだった。熱すぎて入れないのだ。何回もチャレンジしたが無理。足だけ浸かっても、5秒も我慢できない。それほど熱い。しかたないから我々夫婦は、湯船のお湯を何回も掛け湯して体を温めた。うーん残念。
ともあれ、さっぱりしていい気分だ。俺はロビーの自販機で、缶ビールとかみさん用のアクエリアスを買って部屋に戻った。そして、泊まりのツーリングには絶対に欠かすことの出来ないイベント、風呂上りのビールを執り行った。ああ、幸せだ。

コンビニで買ったサラミやイカの珍味をつまみにビールを飲み、ベッドに横になって読書。すぐに眠くなったので、恒例のお昼寝タイムとなったのであった。

さて、夕食の時間だ。ここの料理はインターネットの口コミで好評なので、楽しみだ。我々夫婦は食堂に行き、窓際のテーブルに着いた。飲み物には、俺はビールでかみさんはりんご酒を注文した。

食前酒はすもも酒、前菜はスモークサーモンのサラダ、鯛のソテーアンチョビソースとライス、フィレステーキなんたらソース(忘れた)と続き、お洒落なデザート。そして食後のコーヒー。これらの物をたっぷり一時間かけて平らげ、我々夫婦は満足して部屋に戻った。いや、どれもほんとに美味しかった。ご馳走様でした!

5月3日、月曜日
俺は5時に起きた。かみさんはまだ、ときどき「フガッ」とかいいながら気持ち良さそうに寝ている。俺は朝風呂に行ってみることにした。この宿の風呂は夜は11時まで、朝は明るくなり次第入っていいのだ。

服のまま浴室に入り、湯船のお湯に触ってみた。よし、今日は適温だ。俺は脱衣所で服を脱いで籠に放り込んだ。再び浴室に入り、掛け湯をして岩風呂に浸かったのだった。「うぇ゛〜〜」

8時からの朝食を7時にしてもらい(オーナーの奥さんに感謝、本当に感謝!)、これも美味しく平らげた。一旦部屋に戻って荷物を持ち、「お世話になりました」とお礼を言ってチェックアウト。荷物をゼファーに括り付け、7時45分に出発。Uターンラッシュが始まる前に帰りたい。

朝のビーナスライン!
ここに至って高原の女神は、我々夫婦に微笑んだ。
澄んだ空気、朝の陽光をあびた草原や稜線、きらきらと輝く湖。そんな中を、我々夫婦は進んだ。車は殆んど走っていない。
朝の空いている時間にこんな道を走ることは、バイク乗りにとって最高の贅沢なのだと思う。俺は喜びをかみしめながら走ったのだった。

大門峠で国道152号を左折。茅野市街でゼファーとビラーゴのタンクを満タンにし、諏訪インターから中央自動車道に乗った。今のところ電光掲示板には、渋滞情報は表示されていない。

双葉サービスエリアでトイレ休憩。かみさんが美味しそうなフランスパンを買い、二人でソフトクリームを食べた。

車の数は多いが順調に進み、八王子料金所を通過。電光掲示板によればこの先で渋滞しているようなので、国立・府中インターで高速を降りた。混んでいる国道20号を我慢して進んだ。

午後13時10分。今日車山高原を出発してから232km、昨日我が家を出発してから502km走って、無事に帰宅したのであった。


総じて信州の景色は美しいと思うのだが、ビーナスラインをバイクで走りながら見る景色は別格だ。特に車山高原の開放感たるや、朝の空いている時間に走ったひにゃー、もうなんて言うか、本当に女神が微笑んでいるのではないか?って感じだ。。我々夫婦はそれを堪能した。そして美味しい料理。久々の夫婦ツーリングは大満足のツーリングとなった。次回の夫婦ツーリングは、北海道か?



戻る