2009年5月3日(日)
哀愁の山田うどん

目的地 毛呂山の農家レストラン
ルート 環七 → 国道254号 → 国道463号 → 県道179号 → 県道24号 → 国道463号 → 国道299号 →
県道30号 → 国道299号 → 国道463号 → 県道4号 → 新青梅街道 → 環七
走行距離 175km

日本では今大型連休の最中で、日本人はこれをゴールデンウィークと呼ぶらしい。(なに人なんだよ)
俺に関して言えば3日と4日はどうにか休めるものの、その他は仕事だ。会社で大きなイベントが進行中だからだ。ゴールデンウィーク後半に至っては、5日の朝から6日の午後まで徹夜で仕事の予定だ。
故に今年のゴールデンウィークはツーリングを我慢して、3日と4日は全力で休息をとる考えでいたわけだ。

しかし例によって2日の夜、やはり何処かに行きたくなって来た。かみさんに「ちょこっと走って、農家レストランでも行ってみるか」と聞いてみた。するとかみさんは「うん、行こう!」と即答したのだった。かみさんも、ゴールデンウィークにツーリングできないのがつまらなかったらしい。

こうした経緯で、我々夫婦は限られた休みに日帰りプチツーリングを決行することとし、埼玉県入間郡毛呂山町の「ログハウス自然館」を目的地に定めた。養鶏農家が営む農家レストランで、取れたての卵を使ったオムライスが絶品らしい。


5時起床。
日帰りツーリングなので、支度が楽だ。とは言え、最近気温の高い日が続いているので上着の選定に時間を要した。今日は窓から空模様を窺うかぎり、あまり天気が良さそうもない。昨日や一昨日程暑くならないだろうと判断し、俺は革ジャン、かみさんはイエローコーンのライディングジャケットを着用して、6時10分に自宅を出発した。走り出して直ぐに我々夫婦は「革ジャン着てきて良かったねー」と、B+COMで会話したのだった。ナイス判断。さすがは俺だ。

環七のガソリンスタンドでCB400SSとビラーゴのタンクを満タンにし、国道254号を右折した。道はかなり空いていて(みんな高速道路で出掛けているのかもしれない)、我々夫婦は順調に進んだ。

国道463号に入って直ぐに県道179号を左折し、飯能方面に進んだ。東所沢の辺りでコンビニに入りトイレ休憩。今日は早い時間に農家レストランで食事をする予定なので、クリームパンを買って軽めの朝食とした。

我々夫婦は休憩を終え、バイクに跨ってエンジンをスタートさせた。ヘルメットを被ってグローブをつけ、B+COMのスィッチオン。俺が「あー、あー、聞こえる?」と確認すると、かみさんは「あれ?右側がおかしい!」と言った。

俺は一旦跨ったバイクから降り、かみさんに歩み寄った。見ると、スピーカーのコードがかみさんのヘルメットの右側から出ていて、縁を回り込むようにヘルメットの上の方にのびている。そしてコードの先、右側のスピーカーがかみさんのヘルメットの頭頂部に張り付いていた。俺は瞠目し、続いて驚愕し、「なんでこういうことになるかな」と言葉を発し、最終的にいささかあきれ果てた。それと言うのも俺の声が、かみさんの頭のてっぺんから聞こえてくるからだ。何故こうなったかはかみさんにも分からないらしいが、ヘルメット被るときに気がつかないのが、ある意味すごい。さすがはかみさんだ

ともあれ俺はかみさんのB+COMの右スピーカーをヘルメットの中、正しい位置に付け直した。そして改めて、我々夫婦は出発したのだった。(だから、どうでもいいことを力一杯説明するなって)

道なりに県道24号に進み、再び国道463号に入った。今や交通量が増し、信号待ちの車が長い列を作るようになって来た。

国道16号を超えて国道299号に入ると、ツーリングのバイクが沢山秩父方面に向かっていた。目的地「ログハウス自然館」に行くには、東飯能の辺りで県道30号を右折すれば5、6キロで到着するわけだが、まだ時間が早い。我々夫婦はこのまま299号を進んで国道140号の長瀞周辺を走り、国道254号に出て目的地に向かうことにした。

我々夫婦は県道30号の交差点をやり過ごし、秩父方面に向かった。マスツーリングのグループが後方から現れて、左右から我々夫婦と前方の車を抜いて走り去って行った。我々夫婦は車の列に並んでのんびり進んだ。

国道299号線沿いに「道の市」っていうのがあったので、トイレ休憩のつもりで入ってみた。しかし、トイレの入り口には鍵がかかっていた。トイレは9時30分まで使用できないらしい。しょうがないから小休憩をとって出発。引き続き秩父方面に進んだ。

道の駅を出た直後から道は渋滞していた。暫く進むと渋滞の原因が分かった。事故だ。道の右側、垣根の向こうに突っ込んだと思しきバイクがあり、ライディングウェアの人たちが2、3人がかりでバイクを引き起こしていた。俺はすぐに気付いた。さっき追い越して行った、マスツーリングのループだ。

道の左側には、両膝から血を流したライダーが座り込んでいる。俺とかみさんは「無理な追い越しかけて、対向車を避けきれなくて垣根に突っ込んだのかな?」「あ、そうかも」と会話をしながら通過した。怪我をしたライダーは相当痛そうだったが、大丈夫だろうか?我々夫婦は安全運転で行きましょ。

秩父方面に向かう交通量は徐々に増えていき、今や慢性的なのろのろ運転が続いている。正丸トンネルを抜けて少し進むと、本格的な渋滞が始まった。この渋滞は、国道140号まで余裕で続きそうな勢いだ。そればかりか、国道140号も渋滞している公算が強い。俺は素早く判断を下した。国道140号の長瀞周辺は中止とし、国道299号を戻って目的の農家レストランに向かうのだ。我々夫婦は右側の空き地に入ってUターンした。時刻は9時45分。インターネットの情報によれば、「ログハウス自然館」は10時から営業しているはずだ。

入間方面に向かう車線は、秩父方面とは対照的にガラガラだ。我々夫婦はもう一度正丸トンネルを通過した。国道299号の高速コーナーを気持ちよく走り、秩父方面に向かう大量のバイクとすれ違った。

先ほど立ち寄った、「道の市」の駐車場にもう一度入った。最早トイレは開いている。我々夫婦はトイレを済ませ、自動販売機で缶コーヒーを買い、ベンチに座って休憩した。

「道の市」を出て入間方面に進み、東飯能の辺りで県道30号を左折。県道74号の分岐を右にやり過ごし、「ログハウス自然館」の看板がある小道を右折した。

かくして我々夫婦は本日の目的地、「ログハウス自然館」に到着した。
時刻は10時30分。出発からの走行距離は114kmだが、最短ルートを走れば65kmくらいで到着できるはずだ。
我々夫婦は砂利の駐車場にCB400SSとビラーゴを乗り入れ、エンジンを停止した。
弱い風が吹き、どこかで小鳥達がさえずっている。静かでのどかで、おだやかな空気が流れる場所だ。実はこの時、俺はいやな予感を覚えていたのだが、言葉にはしなかった。この予感は的中するだろう。多分。

我々夫婦は「ログハウス自然館」の建物に向かって歩いた。予感は的中した。店の入り口から中を覗くと、電気が消えていて、入り口のドアには鍵が掛かっていた。今日は日曜日だから休みということはないはずなので、恐らくまだ開店時間に至っていないのだ。ホームページには10時からと書いてあったにも関わらずだ。

店の裏側には農家直売の販売所が有り、こちらは既に営業を開始している。俺は売店の人に聞いて見た。「レストラン、何時からですか?」
「11時30分からです。」
「・・・・・・」
俺とかみさんは、共通した感情を抱いた。一時間も待つのはいやだ。会話を交わさずとも、同じ気持ちでいることは分かった。我々夫婦は「ログハウス自然館」の建物を後にして、とぼとぼと駐車場に戻った。弱い風が吹き、どこかで小鳥達がさえずっている。

今や、絶品のオムライスはまぼろしとなった。我々夫婦は県道30号を戻り、県道299号を右折して帰路についた。
時刻は11:00。THE POOR AND POOR'S WIFEは空腹だ。国道299号の山田うどんに入り、おれもかみさんも天ぷらうどんを食べた。かくして我々夫婦の農家レストランツーリングは、山田うどんツーリングと相成ったのであった。

とはいうものの、天ぷらうどんに満足し、我々夫婦は店を出た。国道299号から国道463号、県道4号、新青梅街道を経由して環七を左折。

13時30分。出発から175km走って、無事帰宅したのであった。


今回のツーリングに関して、このことは書いておかずばなるまい。埼玉県入間郡毛呂山町の農家レストラン「ログハウス自然館」の営業開始時間は11時30分だ。
ホームページに10時からと書いてあろうがなかろうが、それが事実だ。

我々夫婦は、立ち食いうどんとか、サービスエリアのうどんのようにチープな感じのうどんが好きなので、山田うどんの味もお気に入りだ。天ぷらうどんの掻き揚げも好みだ。お蕎麦屋さんの海老天より好きかもしれない。

さて、今回はここまで書いて生じた疑問を述べて締めくくりとしたい。
これってツーリングレポートか?



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