2008年12月13日(土)
早朝名栗湖プチツーリング

目的地 名栗湖
ルート
行き :  環七 → 国道254号 → 国道463号 → 県道179号 → 県道24号 → 国道463号 → 国道299号 →
県道395号 → 県道53号 (82km)
帰り :  県道53号 → 東京都道・埼玉県道28号(青梅飯能線) → 都道5号(青梅街道、新青梅街道) →
環七 (72km)
走行距離 154km

時は風に運ばれる真綿。
真夏の太陽光に焼かれながらバイクを走らせていたかと思えば、そろそろ革ジャンが必要かなーなんて考えるようになり、今や躊躇なく真冬用のジャケットを着てツーリングに出掛ける季節となった。
年の移り変わりを意識する時期となったわけだが、時間の流れは記憶の中で曖昧模糊として混沌としていて、妙な具合だ。3月に行った丹沢ツーリングはついこの前の出来事のような気がするし、9月の北海道ツーリングははるか昔の出来事のようだ。
時間が常に一定に流れていると信じている人がいるとしたら、頭の固い学者か、著しく想像力に乏しい人々だ。彼らはきっと時計の秒針を眺める以外に、時間の流れを感じることができないのだ。
時は風に運ばれる真綿だ。場合によっては押し戻されることさえある。
まあ俺のたわごとは気にするな、友よ。今回のツーリングレポートはこんな感じで始めたいのだ。下らない話に付き合ってくれて感謝。いつもながら、とても助けになる。

それはともかく、2月以来10ヶ月ぶりの日帰りツーリングだ。最近自分に関して分かったことと言えば、暖かい時期より寒い時期の方が走りたい気持ちが強いってことだ。我ながら興味深い。
実のところ今週は天気予報がぱっとしなかったので、二日間家でのんびりしようかと考えていた。しかし金曜の夜からどうしても走りたくなり、日帰りで出掛けることにしたのだ。
ようするにだ。「真剣に走れ。できなければ家にいろ」ってことだ。(何を言ってるんだか、まったくわかりませんが・・・)


3時30分にセットした携帯の目覚ましを2度止めて、3回目のスヌーズでようやっと起きた。顔を洗って目を覚まし、コーヒーを飲みながらツーリングの支度を開始した。
真冬用の装備に身を包み、4時30分に自宅を出発。夜明け前の川越街道をガンガン走り、国道463号を左折した。

今日の行き先は名栗湖だ。飯能や入間のあたり、朝の県道を走って冬の香りを嗅ぎ、名栗湖をぐるっと回ってできれば午前中に帰って来るつもりだ。

県道179号、県道24号を走りついで再び国道463号に入り、西所沢のコンビニで朝食とトイレ休憩。出発から1時間で走行距離は34km。ガンガン走っているつもりだが、意外と距離は伸びていない。
コンビニを出て少し走り、セルフのガソリンスタンドに入ってタンクを満タンにした。

国道463号から国道299号に入ったころ、ようやく空が明るくなってきた。この時間は恐らく、一日の内で最も冷え込む時間帯のはずだ。静かで清らかで厳かで、俺のお気に入りの時間帯だ。

今日の装備は長袖Tシャツ、フリースのジップアップシャツ、ゴールドウィンのウィンドストップインナーの上にJ-crewのコンフォートウィンタージャケット。ボトムはももひき、ユニクロのエアテックパンツの上にRSタイチのオーバーパンツだ。
寒いと言えば寒いが、寒くないと言えば寒くない。(どっちなんだよ)
出発から2時間弱走っているので手足の指先は冷えているが、つらいと思うほどの寒さは感じないってことだ。

道は街中を離れ、高麗川の流れに合わせてゆるいカーブが連続するようになって来た。今や道の両脇に常緑樹の濃い緑があふれ、行く手には秩父の山影が連なっている。

今日の空模様は、好天の予報に反してどんよりとした曇り空だ。この先も太陽光は期待できそうもない。とは言え、俺は高麗川沿いの田舎道を楽しんだ。ひんやりとした空気を引き裂いて、連なる緩やかなカーブを駆け抜けた。

西武秩父線の東吾野、吾野、西吾野を超え、正丸の手前で県道395号線を左折。何の疑いも持たずに道なりに進んだら、何故か国道299号に戻ってしまった。俺はUターンして戻り、多分これだろうと思われる分岐を右折した。橋を渡って高麗川支流沿いの小道に分け入った。どうやらこの道で合っているようだ。
清らかな水が流れる渓流沿いの小道を暫く進む。やがて県道395号は天目指峠に向けて登りの山道となった。時刻は午前7時。俺はフルフェイスのシールドを僅かに開け、朝の森の香りを嗅いだ。すなわち、夜露に濡れて冷えた土や、冬の冷気に耐える草木の香りだ。

俺の他には車一台走っていない森の道。
400CC単機筒が発する軽快なエンジン音を意識の外に押しやれば、枯葉が舞う音さえ聞こえてきそうだ。

天目指峠を超えて急勾配の山道を低速ギアで慎重に下り、県道53号を左折。県道53号も、いかにも田舎の道って感じでいい雰囲気だ。
この辺りは青梅市街から車で30分位の距離だが、道端には「動物が飛び出すおそれあり」っていう警戒標識が立ってたりする。

県道395号から県道53号を3km程進むと、「名栗湖」と書かれた道路標識があったのでそれに従って右折した。
午前7時35分。出発から82km走って名栗湖の有間ダムに到着だ。
俺は堤体上の通路にCB400SSを停車し、グローブとヘルメットをとった。振り分けバッグから缶コーヒーを取り出してプルリングを引き開け、一口飲んでタバコに火を点けた。

名栗湖は、入間川支流の有間川を有間ダムによってせき止めた人造湖だ。有間ダムは岩を積み重ねたロックフィルダムというもので、多目的ダムとしては県営第一号らしい。湖には観光釣り場があり、湖畔にはカヌー工房がある。

俺はダムの岩に座って名栗湖を眺めた。コーヒーを飲みながらタバコをのんびり2本吸い、立ち上がってバイクに跨った。ヘルメットとグローブをつけてエンジンをかけて発進し、湖の回りをゆっくり一週した。そして名栗湖をあとにしたのだった。

県道53号から県道28号を道なりに進んだ。コンビニで缶コーヒーを買ってトイレ休憩をとり、東青梅の辺りで青梅街道に入った。時刻は8時過ぎだ。通勤の車で混んでると予想したが、幸いそれほどでもなかった。青梅街道、新青梅街道を順調に進み、丸山陸橋で環七を左折した。

午前10:05分
出発から154km走って早朝プチツーリングを終了し、足立区の我が家に無事帰宅したのだった。


時は風に運ばれる真綿だ。人は荒波に翻弄される小船、そして三船美佳は三船敏郎の娘だ。(なんのはなしだよ)
すまない、友よ。俺のたわごとは無視してくれ。っていうか、今回のツーレポが我ながら面白くないので、どうにか面白くしたいのだ。故に今回はこんな感じで締めくくりたい。

俺はワンダラー。とってもPOORなウィークエンドワンダラーだ。
週末の早朝、嬉々としてバイクを車道に押し出す。
キーを挿してセルスィッチを押すと、俺の中のスィッチがオンになり、エンジンの咆哮が心の叫びとシンクロする。
そして俺はとき放たれ、荒野を目指すのだ。
(って、名栗湖と関係ないし・・・)


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