2008年7月19日(土)、20日(日)
夏だ!バイクだ!海水浴だ!IN館山

目的地 波左間海水浴場、ホテルアクシオン館山
ルート
1日目 :  国道14号 → 国道16号 → 国道127号 → 県道302号 → 県道257号(147km)
2日目 :  県道257号 → 国道410号 → 国道127号 → 国道16号 → 国道14号 → 国道357号 →
環七(160km)
走行距離 307km

梅雨の終盤、突然大粒の雨が降り出したかと思えば、太陽が顔を出して漂う湿気を加熱する。東京では、そんな不快な陽気がこの一週間続いたわけだが、「この週末には梅雨明けが宣言されるかもしれません」と、めざましテレビで愛ちゃんが言い、「いよいよですかー。早くカラッとして欲しいもんですねえ。」と大塚さんが答えていた。いよいよ、かみさんのメラニン色素が本格的に活性化する季節がやってきた。うちのかみさんは、日焼けしても全然赤くならずにすぐに真っ黒になるのだ。南方系の血が色濃く流れているに違いない。

それはともかく、今週末は三連休だ。6月のある日、我々夫婦は協議して計画を立てた。すなわち、「バイク2台で館山辺りに海水浴に行き、思いっきりちゃぷちゃぷして(俺は泳げないのだ。恥ずかしながら)リゾートホテルに宿泊してのんびりしよう!」っていう計画だ。かくて我々夫婦は、雨降りだったら車で行くつもりで、ホテルアクシオン館山を予約した。そして今週末。金曜日の天気予報で、東京も千葉県の館山あたりも雨の確率が低いことを確認し、我々夫婦は予定通りバイクで出発することにしたのであった。


4時起床。風がなく、空模様は良好。既に暑い。
我々夫婦は身支度を終え、荷物を表に運んだ。キャンプと比べると、当然のことながら荷物が少ない。振り分けバッグの右側に俺の荷物、左側にかみさんの荷物って具合に荷造りしてCB400SSのシートに載せ、我々夫婦は5時10分に出発した。目指すは千葉県館山市の波左間海水浴場だ。
「今日も、バリバリ安全運転で行くぜ!」←俺
「おー!」←かみさん
そんな感じだ。(どんな感じだよ)

土手道から堀切、四つ木を抜け、奥戸街道、蔵前橋通りを走って国道14号に出た。市川橋を渡って千葉県に入った。道は意外と空いていて、我々夫婦は順調に進んだ。出発から1時間10分程走って幕張のデニーズに入り、ゆっくり朝食をとった。俺はデニーズモーニングに厚切りトーストとコーヒー、かみさんはフレンチトーストとコーラを注文した。

朝食を終え、国道14号から国道16号、房総半島の内房沿いをのんびり南下した。しばらく走ってコンビニでトイレに入り、缶コーヒーを飲みながら休憩。かみさんが、しきりに、頭頂部のやや後ろをさすっている。ヘルメットがあわないらしく、長時間かぶってると痛くなるというので、かみさんには俺のヘルメットをかぶらせ、俺はかみさんの蝶ちょの模様のヘルメットをかぶって出発した。

国道16号から国道127号に入り、道はようやく海沿いになってきた。ものすごーくいい天気で、日差しが強いが、湿度が低いので走っていると気持ちいい。

ドライブインかなやの駐車場で休憩。この時点で午前9時。出発から4時間弱で103km走行した。朝食に時間をかけたし、ちょくちょく休憩しながらのんびり走っているので、まあこんなもんだろう。

かみさんに「ヘルメット、調子どう?」と聞くと、俺のヘルメットだと痛くないと言う。かみさんの頭は、頭頂部やや後ろの両脇がでっぱっていて、かみさんのヘルメットだと内張りに当たって痛いらしいのだ。頭の形とヘルメットの相性は、長時間かぶってみないとわからないからやっかいだ。問題を解決するには、あたまのでっぱりに内張りが干渉しないヘルメットをかぶるか、かみさんのあたまのでっぱりを削るかのどちらかなわけだが、後者は大変な作業になりそうなので、とりあえず俺は、このままチョウチョのヘルメットをかぶって走ることにした。

ドライブインかなやから内房なぎさラインをさらに南下。富浦のあたりで国道127号から県道302号に入った。館山市街を通過して県道257号に入り、右側に海を見ながら洲崎方面に進んだ。

午前10時30分。出発から138km走って、本日の第一の目的地、波左間海水浴場に到着だ。

我々夫婦は駐車場(バイク1台500円)にCB400SSとビラーゴを停め、海の家(1人300円)の更衣室で水着に着替えたのであった。

真夏だ!波左間海水浴場の監視棟の放送で、本日関東の梅雨明けが宣言されたと伝えていた。我々夫婦は海の家で借りたビーチパラソルとボンボンベッドで一息いれ、さっそく海に入った。かみさんは南方系の血が濃いので、よろこびいさんで泳いでいたが、俺は泳げないので、背が立つ場所でちゃぷちゃぷして遊んだ。

海に入ったり、休憩したりを繰り返し、海の家の焼きぞばやフランクフルトで昼食をとった。ビーチパラソルの下で食後の昼寝をして、最後にもう一度海に入った。シャワーを浴びて、午後2時30分ごろ波左間海水浴場を後にした。

波左間海水浴場から県道257号で洲崎を回り込み、5km程走ると道の左側にスペインのリゾート地風の建物が見えて来た。

午後2時50分。出発から147km走って本日の宿泊地、ホテルアクシオン館山に到着である。

駐車場の空いている場所にバイクを停めようとしていると、ホテルの人が近寄って来て、「ご宿泊ですか?」と言った。俺は「そうです。」と答えた。
「ご予約のお名前をお願いできますか?」
「○○です。」
ホテルの人はリストをチェックし、「○○○○様、2名様ですね」と言った。
「そうです。」
「バイク置き場にご案内しますので、ついて来て下さい。」そう言ってホテルの人は歩き出した。我々夫婦はバイクでついて行き、屋根つきのバイク置き場にCB400SSとビラーゴを停めたのだった。

バイクから荷物を降ろしてキーを抜き(これが、ちょっとしたトラブルになるのだが、それは後の話だ。)、フロントに向かった。時間はちょうど3時くらい。チェックイン開始時間なので、混雑していて若干時間がかかったが、無事にチェックインを終え、部屋に向かった。

部屋で一服して、我々夫婦は再び水着に着替え、ホテルのプールに向かった。好天に恵まれた連休初日なので、家族ずれの宿泊客が沢山プールで遊んでいた。我々夫婦はプールでちゃぷちゃぷするふりをしつつ、実は水着の塩抜きを行った。かみさんは売店でフランクフルトを買って来て、プールサイドの椅子に座って食べた。(どんだけフランクフルト好きなんだよ)

プールから上がって部屋に帰り、展望風呂に行って風呂に入った。思った以上に日焼けしていて、お湯につかると体中がヒリヒリする。

コンベンションホールで夕食のバイキング(あまりうまくない)を食べ、ビールを飲んだ。

食事を終え、部屋に戻ってのんびりしていると、突然部屋のスピーカーから館内放送が鳴り響いた。「お客様のお呼び出しを申し上げます。足立XX○のXXXX、オートバイででお越しのお客様、ライトがついたままになっていますので、至急二輪置き場までおこし下さい。繰り返します。足立XX・・・・」ビラーゴだ!我々夫婦は急いでバイク置き場に向かった。

バイク置き場に到着してみると、なるほどビラーゴのウィンカーとテールライトが点灯している。ビラーゴのキーにはONとOFFとパーキングが有り、パーキングにしてキーを抜くとウィンカーとテールライトが点灯したままになる。バイクを停めてキーを抜いたときは昼間だったので、ライトが点灯していることに気づかなかったのだ。俺はキーをONの位置にして、セルスイッチを押してみた。しかし、カチカチいうだけで、モーターは回らない。ホテルの従業員がやってきて、「大丈夫ですか?」と言った。俺は「バッテリー上がっちゃったけど、明日押し掛けするから大丈夫です。ありがとうございました。」と言った。かみさんは「なんで、パーキングなんかにしちゃったんだろ。」と若干落ち込んでたが、「押し掛けするから大丈夫だよ。」と言ってなだめ、部屋に戻った。

部屋に帰って改めてのんびりし、テレビでルーキーズを見て、本を読み、空調の効いた部屋で心地よい眠りに落ちたのだった。阿仁屋のわき腹、だいじょうぶか?!(なんの話だよ)

6時起床。荷物の整理をしてコンベンションホールで朝7時からの朝食(バイキング。あまりうまくない)を食べ、荷物を持って部屋を出た。かみさんはチェックアウトの為にフロントに向かい、俺は荷物を持ってバイク置き場に向かった。さあ、押しがけだ。

ビラーゴをバイク置き場から押し出して、駐車場に運んだ。ギアーをローに入れてキーをオンの位置にセットした。クラッチを握ってバイクを押して走り、スピードが乗ったところでバイクに跨り・・・と思ったが、アメリカンのバイクはステップの位置が前の方にあるので、走りながらひらりと跨るのが難しい。うーん・・・と考えているとかみさんがチェックアウトを終えてやって来た。

作戦変更。かみさんをバイクに跨らせ、俺がバイクを押すことにした。俺はかみさんに手順を説明した。「放せっていったらクラッチを放して、エンジン掛かったらすぐクラッチを切って、アクセルをふかすんだぞ。」
かみさんは、口の中でなにやらモゴモゴ言いながら手順を復唱し、分かったような分からないような顔をしている。おれはなんとなく不安になったが、とりあえず押しがけを開始した。

「押すぞ!」俺はかみさんに声を掛け、ビラーゴの後部シートを力いっぱい押した。ビラーゴが動き始めた瞬間、かみさんは物凄い勢いでテケテケテケテケッと両足で地面をこいだ。本人は協力しているつもりなのだろうが、これがなんとも、笑わすなーっ!ウフ・・・力が入らないじゃねーかよ!ウフフフ・・・って感じだ。とは言うものの俺はビラーゴを押して走り、スピードが乗って来た。俺は「放せ!」と叫び、かみさんはクラッチを放した。ブルルン!お、かかりそうだ。かみさんはクラッチを切らずにアクセルを吹かし、ビラーゴはブオン!と加速した。かみさんの頭が後方にのけぞった。そしてビビッてアクセルを戻し、ビラーゴのエンジンは停止した。

俺はもう一度かみさんに説明した。「エンジンがかかりそうになったら、すぐにクラッチを切って、アクセルを吹かすんだぞ。いいな。」
再チャレンジだ。俺はビラーゴを押して走り、かみさんはテケテケテケテケッと物凄い速さで地面を蹴った。だから・・・・
「放せ!」俺は叫んだ。ブルルン!かみさんはアクセルを吹かし、再び頭が激しく後方にのけ反ったものの、すぐにクラッチを切ってアクセルを吹かし続けた。

朝8時。かくして我々夫婦はピンチを脱し、ようやく帰路につくことができたのだった。

ホテルアクシオン館山から県道257号を左に出て、房総フラワーラインを走る。今日も快晴。押しがけで汗をかいた体に、朝の海風が気持ちいい。かみさんは、エンストしないように緊張して走っていたらしい。

房総フラワーラインから国道410号を左折し、そのまま国道127号を北上した。金谷の辺りのスタンドでCB400SSとビラーゴに給油。ビラーゴのエンジンを切るのが不安だったが、しょうがない。出発から1時間くらい走っているので、充電してるはずだ。

給油を終え、かみさんはビラーゴのセルボタンを押した。うんともすんともいわない。かみさんは情けない声で、「かからないよ〜」と言った。俺はおもむろにかみさんに歩みより、ビラーゴのキーをONにしてセルスィッチを押した。セルモーターは力強く回転し、ビラーゴのエンジンがドルルルルルと始動した。俺がかみさんの顔を見ると、かみさんは「あ!・・・へへへへ」と言った。だから・・・

ガソリンスタンドを後にして、君津の辺りのコンビニで本日一回目のトイレ休憩。この時点で9時40分。バイクを停めると無茶苦茶暑い。

国道127号から国道16号に入り、工場地帯を北上する。反対車線にも、こちらの車線にもツーリングのバイクがたくさん走っていた。千葉市に入ったあたりのコンビニで本日2度目のトイレ休憩。かみさんがカメラを向けたので、シールドを閉じ、渋い雰囲気をかもし出した。メットの模様がチョウチョだが、気にしない。

千葉市街を通過し、国道14号と国道357号の分岐を右に入って国道357号を走った。習志野市、市川市、浦安市を通過し、舞浜大橋を渡って環七を右折した。

午後12時40分。ホテルアクシオン館山を出発してから160km、昨日の朝我が家を出発してから307km走って無事帰宅したのであった。


ツーリングというよりは、バイクで旅行をした感じだが、たまにはこういうのものんびりしていい感じだ。ホテルアクシオン館山は、スペインのリゾート風の宿泊施設で、雰囲気のいいホテルだ。我々が泊まったプランではインターネット予約で一人19,800円。高い割には食事が今一だったが、従業員の対応は良かった。

やっぱり夏は海だ!我々夫婦は、関東の梅雨明けと同時にバイクと海水浴で真夏を満喫し、満足感を得たのだった。



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