2007年12月9日(日)
早朝湯煙ツーリングIN喜連川

目的地
ルート 行き : 環七 → 国道4号 → 国道293号 → 県道114号 → 喜連川温泉
帰り : 県道114号 → 県道74号 → 国道293号 → 国道4号 → 環七
走行距離 256km

そんなこんなで、なんだかんだやってたら、いつの間にやら12月になってしまった。先月はまだ11月だったというのにだ。(あたりまえだよ)
2007年も残すところひと月をきり、季節は明確に冬の様相を示し始めている。ツーリングにはつらい季節になって来た。だが、俺は行くのだ。寒さをこらえて顔を引きつらせ、1時間に一度トイレ休憩しながら走り、朝の温泉にザブーンて浸かって、「くーーーー!」ってなって、「うぇ゛ーーーー!」って言いにいくのだ。

俺は、Webで早朝から入浴可能な日帰り温泉を調べた。そして、栃木県さくら市の喜連川温泉にある、「もとゆ温泉 第1温泉浴場」という日帰り入浴施設が朝7時から入浴できることが分かった。ルートガイドで調べてみたら、家からの距離は120キロ強。俺は喜連川温泉を目的地に定め、3時に起きて3時45分に出発したのだった。


本日の装備は、ボトムは先週購入したDAYTONAのももひきの上にRSタイチの冬用ライディングパンツ。靴下は薄手の靴下とウールの靴下を二枚重ね。アッパーはユニクロの長袖Tシャツ、ゴールドウィンの防寒・防風インナーの上にこれまた先週購入した、J-crewのコンフォートウィンタージャケットKD-0110(黒)を着た。そして顔にはフェイスマスクだ。
俺はCB400SSのエンジンを始動し、低速で回りに民家がない場所まで移動した。

いつものように一服しながら暖気をしていたら、自転車の警官が近づいて来た。
「こんばんは。なにしてるんですか?」いわゆる不審尋問ってやつだ。
「バイクの暖気運転です。」俺は答えた。
「なんでこんなところで?どちらにいかれるんですか?」
「ツーリングに行くんですけど、家の近所で暖気すると迷惑だから。」
「ああ、なるほどですね。」・・・・・なるほどですね?そんな日本語があるのか。
「お住まいはどちらですか?」
「XXのX丁目です。」
「免許証見せてもらっていいですか?」
俺はウェストバッグから財布を出し、免許証を抜いて警官に提示した。
「XX、X丁目・・・・はい。この辺りも最近は不審者が多いものですから。ツーリング気を付けて行って来て下さい。」警官はそう言って免許証を俺に返し、自転車で去って行った。こんな時間にこんなところ(空き地みたいなところ)でフェイスマスクしてる男はまあ、不審だよな。おまわりさんも寒い中ご苦労さんです。暖気を終えて俺は出発し、環七から国道4号を左折したのだった。

出足は快調。走り出して暫くは全く寒さを感じないほどだった。しかし、30分ほど走ると、手足の指先が冷えてしびれてきた。そしてだんだんと体の芯から冷えてきたが、こんなことは覚悟の上だ。出発から1時間ほど走ったところで、道の駅ごかに入ってトイレ休憩だ。

午前4時50分。太陽が昇るまでまだ1時間40分程ある。俺は暖かい缶コーヒーを飲みながら一服した。道の駅は当然まだやってないので、表のベンチで10分程休憩してたら、体温が戻ってきて、だんだんポカポカしてきた。吐く息が白く、足のつま先は相変わらず冷たいが、最近の冬用ライディングウェアはそれなりに高機能なのだ。

道の駅ごかを出発して河内郡のセルフスタンドで給油。そこでも10分程休憩した。北上するにつれ段々気温が下がって来たように感じるが、我慢できない程ではない。俺は景気づけに、津軽海峡冬景色を大声で歌いながら走った。・・・・が、メットのシールドが激しく曇るのですぐにやめたのだった。(いちいち書くなって)

午前6時をまわり、宇都宮の辺りでようやく東の空が明るくなって来た。俺はツーリング中の日の出直前の雰囲気が大好きなのだ。この時期の日の出は6時35分くらいだろう。太陽さえ昇れば、徐々に気温も上がるはずだ。

喜連川温泉の「もとゆ温泉 第1温泉浴場」は7時営業開始だ。この辺まで来ればあと30分くらいで到着するはずなので、予定通り、いいペースで進んで来たわけだ。できれば7時前に到着し、一番風呂に入りたい。

国道4号をさらに北上し、「川岸」交差点で293号を右折。氏家バイパスで喜連川方面を目指す。暫く走って県道114号の分岐を斜めにを左に入ると、喜連川温泉の入り口だ。

喜連川温泉の喜連川は、足利家ゆかりの喜連川藩からきている。喜連川藩の所領は四千五百石から五千石にすぎず、本来なら藩として成立しないのだが、足利家の血筋を重んじた徳川家康が特別に10万石の大名並家格とし、大名として最高の尊称である御所号を許した。喜連川藩は江戸時代を通して石高一万石に満たない唯一の大名だったらしい。喜連川藩の藩庁は現在の栃木県さくら市喜連川で、江戸時代、喜連川温泉の辺りは足利家ゆかりの名族、喜連川氏の城下町だったのだ。

県道114号を少し走り、荒川を渡ってすぐの細い道を左折するのだが、この道が分かりにくい。俺も何回も行ったり来たりしちゃったのだ。まさかこんな細い道じゃないよな、とか思いながら一応入ってみたら、あった。というわけで7時5分。出発から127km走って、喜連川温泉「もと湯温泉 第1温泉浴場」到着だ。

駐車場には、車が結構止まっている。もしかして、これみんな入浴客?この時点で一番風呂の夢は潰えたのだった。

俺は入り口の券売機で300円の入浴件を購入して受付に渡し、脱衣所に向かった。俺は速攻で服を脱いでタオルで前を隠し、背中をまるめてテケテケテケテケと浴室に入って行った。人間、寒いときのお風呂は、必然的にこういう歩き方になるのだ。浴室に入ってみると一番風呂どころか、洗い場がほぼ満員になる位の混雑だ。俺は早速掛け湯をし、黄金色のうち湯に浸かった。「くーーーーー!」手足の指先がジンジンするぜ。

ぬるめの内湯にじっくり浸かり、続いて俺は露天風呂に向かった。今や十分に血行が回復し、ポカポカになっているので今度はのっしのっしと歩いた。露天風呂に浸かってみると、こちらは内湯より高温だ。朝の日差しの中で露天風呂に浸かり、俺は予定通り「うぇ゛ーーーー」と温泉を楽しんだのである。

喜連川温泉の泉質はナトリウム塩化物(弱アルカリ性高温泉)。リウマチ性疾患、慢性中毒症(水銀、鉛、ヒ素など)、糖尿病などに効果があるらしい。

冬の朝風呂を満喫してもと湯温泉を後して、県道114号と県道74号で国道293号に戻り、道の駅喜連川に寄ってみた。ここの道の駅にも日帰り入浴施設があり、午前10時から利用できるらしい。

缶コーヒーを飲んで一服し、午前8時30分に道の駅喜連川を出発して帰路についたのだった。

国道293号を国道4号方面に走ってたら、左カーブの正面に雪をまとった塩原周辺の山々が姿を現した。今回のツーリングはあまり景色に期待していなかったのだが、この風景は気に入った。

国道293号から国道4号を左折し、氏家から宇都宮、小山を超えて一気に走った。帰路は寒さを全く感じない。春日部のあたりでわき道にそれて一服して再出発。越谷のあたりで事故渋滞に巻き込まれたが大人しく進み、午前11時20分。出発から256km走って足立区の我が家に帰って来たのである。


師走の澄んだ空のした、冬の朝風呂を思う存分味わった。寒い中がんばって走った後の温泉は格別だ。往路はさすがに寒かったが、復路は全く寒さを感じることなく、快適に走ることができた。今回購入した冬用のライディングジャケットとももひきは、そこそこ効果を発揮した。1月や2月になっても、日が出ている時間帯なら快適にツーリングできそうだ。嬉しい。


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