2007年3月18日(日)
朝の矢板温泉、昼の佐野ラーメン

目的地 矢板温泉
ルート 環七 → 国道4号 → 県道30号 → 県道242号 → 矢板温泉館の川「観音五色湯」 →
県道242号 → 県道30号 → 国道4号 → 国道50号 → 県道36号 → 佐野ラーメン「とかの」 →
県道36号 → 県道7号 → 国道354号 → 国道122号
走行距離 302km

久しぶりの日帰り温泉ツーリングだ。目的地は矢板温泉。実は矢板温泉は去年の6月に、GNを買って初めてツーリングを試みたときに行こうとしたのだ。その日は6月なのに気温が低く、薄着で出発した俺は「失敗したなー」と思いつつも頑張って走ったのだ。しかし、旧国道4号の春日部を越えた辺りで細かい雨が降り始めた。バイクで長時間走り続けることによる、骨の芯から凍える感覚を初めて味わった俺は、栃木県に入った辺りで、「もうだめ!ほんと、ごめんなさい。」となり、ギブアップして撤退したのだった。

しかし、矢板温泉の「観音五色湯」は、今尚気になる日帰り入浴施設だ。温泉ガイドの本やWEBによると、「観音五色湯」は素朴な入浴施設で、外観はパッとしないがお湯は最高だ、なんて書いてあったりする。そこでだ。今回は矢板温泉を目指し、初撤退のリベンジと大いなる初心回帰を図ることにしたのだ。そうと決まれば、もはや撤退は許されない。どんなに寒かろうが、イナゴの大群が押し寄せようが、たとえボンバルディアDHC8-Q400の前輪が出なくてもだ。(関係ないから)
なぜなら、俺はワンダラー。とってもPOORなウィークエンドワンダラーだからだ。一度決めた目的を達成せずして、ウィークエンドワンダラーとして生きていくことは出来ないのだ。そして今回は、ついでに佐野でラーメンを食ってくるつもりだ。(いみがまったくわかんねーよ)


4時30分起床。先週一週間は寒かったが、今日も相当冷え込むらしい。ウェザーニュースのサイトでチェックしたところによると、今日の東京は最低気温2度。矢板に至っては最低気温-6度の予報だ。俺はユニクロや山用の防寒ウェアを重ね着し、スキー用のフェイスマスクを装着して玄関を出た。そしてすぐに家に戻った。寒すぎる。GN初ツーリングのリベンジも、早くも撤退か?・・・と思われたが、俺は部屋に上がって洋服を脱ぎ、下着のシャツや股引にペタペタペタペタと貼るホッカイロを7枚貼ったのだ。そんなこんなで手間取ったが、5時15分にどうにか出発したのである。

いつものようにまず環七に出て、国道4号を左折。旧道の分岐を右にやり過ごして新4号を走る。写真は越谷市で5時45分頃。6時前なのにこの明るさだ。だんだん日の出が早くなって来た。なんだか嬉しい。

国道16号を越えるとすぐ右側にある、道の駅「庄和」でトイレ休憩。出発から一時間経ってないが、むちゃくちゃ寒いのでトイレが近いのだ。

道の駅「庄和」を後にして、日曜日の新4号バイパスを、寒さを堪えてビュンビュン走る。フェイスマスクは偉大だし、貼るホッカイロはそれなりに効果があるのだが、手足の指先がしびれて痛い。今日はほんと寒い。

宇都宮を越えてそのまま真っ直ぐ走ると、新4号バイパスは国道119号になって日光方面に向かう。俺は「平出」交差点を側道から右折し、旧道と合流した国道4号を矢板方面に進んだ。電工掲示板の気温表示は、7時30分位の時点で2度を示していた。鬼怒川を渡って河内町、さくら市を一気に走り抜けて矢板市に入り、「乙畑」交差点で県道30号の分岐を左に入ったところでGNを停めて一服。いいペースだ。

好天の中、高原山の峰々が素晴らしい景観を見せていたので、GNを停めて写真を撮ってみた。こんな時、山に詳しい人なら堂に入った山座同定を行うのだろうが、俺には高原山だと言う事以外に、多分あれが剣ケ峰で、あれが釈迦ケ岳だろうな、位しか分からない。もっとも、俺はいい景色だなーって思いながら一服するだけで満足だから、山座同定なんかできなくたっていいのだ。

県道30号から「木幡」って言う交差点を左折。県道242号を少し走り、東北自動車道を超えて、午前8時20分、出発から136km走って矢板温泉、館川「観音五色湯」に到着だ。

ここの営業時間は午前8時30分から午後10時までのはずだが、地元の人らしいおじさんや、おばさんが続々と入って行く。もう入れそうなので、俺もWEBで見た通りのパッとしない外観の施設に入っていった。まず出迎えてくれるのは、入口付近に無造作に置かれた、値札付きの地元の農産物だ。良く言えば素朴、実際は雑然って感じだ。

受付で大人一人分の料金500円を払って、脱衣場に向かう。通路には何故か、昔の映画のポスターがいっぱい貼ってある。いったいどうゆーことなのか?もちろん何の説明書きもない。この施設にはリラクゼーションルームって言う部屋があり、信じがたいことにエステが受けられるらしい。

脱衣場で「貼るホッカイロ」を見られないように、急いで服を脱いで浴室に入ると、既に地元のおじさんたちがいっぱい入浴していた。一体ここは何時からやってるんだ?俺はシャワーで掛け湯をして早速露天風呂に向かった。岩造りの広い露天風呂の中央に壷が置いてあり、そこからもうもうと湯気を上げながら温泉が湧き出している。広い湯船の淵沿いに、ほぼ等間隔に7、8人のおじさんが浸かっている。俺も早速空いてるスペースを見つけてお湯に浸かった。冷え切った手足の指先が熱いというより痛い。久しぶりに塩素臭がしない温泉に入った。評判どおりのいいお湯だ。

湯船の壷を挟んで反対側で入浴している70前後のおじさんたちが、しきりに健康の話をしていた。顔見知りのお年より達が、地元の入浴施設で話す定番の話題だ。朝の陽光を浴びて湯に浸かり、目を閉じてまったりしていると、となりで湯に浸かってたおじさんが突然大声で、「おーれなんか、脳血栓やってんかんねー!」と叫んだ。俺はビックリしてお湯の中でちょっと飛び上がった。どうやらこのおじさんも、向こう側のおじさん達と顔見知りらしい。

矢板温泉の泉質は、ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉。源泉の温度は76度と高く、100%源泉掛け流しだ。神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺等に効くらしい。俺はのんびり湯を楽しんで、9時40分頃矢板温泉を後にしたのだった。

県道242号、県道30号、新4号バイパスと、来た道を戻り、栃木県小山市から茨城県結城市に入ったあたりで、バイパスの側道から国道50号を右折。思川を越えた辺りで、国道50号の側道から県道36号に入る。未舗装の農道にそれてGNを停車し、広々とした風景を眺めながら一服。

一服して再び県道36号に戻って佐野を目指す。佐野の人気ラーメン店「とかの」で手打ちラーメンを食べるのだ。

11時30分。本日の第二のターゲット、佐野ラーメン「とかの」に到着。営業開始時間は11時50分だが、既に20人位の行列が出来ている。店の中で席に付いて待ってる人もいるみたいだから、合わせると30人位の人が営業開始を待ってるようだ。「とかの」は佐野ラーメン人気ランキングで、常に上位に入る人気店なのだ。写真を撮ってる間にも、続々と列に並ぶので、俺もあせって列の最後尾に並んだのだった。

1時間程ならんで、やっと店に入れた。俺は王道のラーメンと、おいしいと評判の餃子を注文した。5分程待つとラーメンが運ばれてきた。きれいな黄金スープに、手打ちであることを物語る、不ぞろいの縮れ麺。具は、チャーシュー、しなちく、なると巻きと、オーソドックスだ。早速食べてみる。さっぱりしていて俺好みだ。これで550円ならこの行列も納得だ。餃子も大きくてうまい。こちらは400円。俺は一気に食べて950円払い、えらそうに納得して店を出たのだった。さ、帰ろ。


県道36号を足利方面にちょっと走って「本町」交差点を左折。午後になって気温が上がってきたようで、走っててもあまり寒くない。県道7号から国道354号を右折して2km弱走ると国道122号に出るので、これを左折。国道122号を一気に走って午後2時50分、出発から301km走って、無事帰還したのだった。

矢板温泉はほんとにいいお湯だったし、ラーメンも美味しかった。美味しいラーメン屋さんのラーメンは、並んで食べること自体イベントっぽくて楽しい。寒かったが、頑張った甲斐があったと言うものだ。



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