2007年3月3日(土)、4日(日)
大人の湖畔キャンプIN西湖

目的地 西湖レークサイドキャンプ村
ルート
1日目 :  環七 → 国道20号 → 国道139号 → 国道137号 → 県道21号 → キャンプ場 → 県道21号 →
県道710号 → スーパーオギノ → 県道710号 → 県道21号 → キャンプ場(168km)
2日目 :  県道21号 → 国道139号 → 国道20号 → 環七(148km)
走行距離 316km

2週間ぶっ続けでしつこい風邪をひいていたのだが、木曜日くらいからやっと良くなってきた。つーことでキャンプツーリングである。先週断念した、栃木県の日帰り温泉に行こうかとも考えたが、週末は天気良さそうだし、カミさんも金曜日から宮崎の弟のところに遊びに行っちゃってるので、俺はキャンプをすることにしたのだ。体調はまだ本調子ではないが、ま、だいじょぶでしょ。

行き先は西湖だ。西湖はキャンプのメッカで、いいロケーションの湖畔のキャンプ場がいっぱいある。国道20号や、国道139号の凍結が心配だったので、西湖はもっと暖かくなってから行こうと思っていたのだが、ここんとこ異常に暖かいし好天が続いている。やばそうだったら、撤退する覚悟で出撃したのである。


4時起床。いつもツーリングに行く時はカミさんがまだ寝てるので、なるべく音をたてないようにコソコソ支度をするのだが、昨日からカミさんはお義母さんと一緒に宮崎に行ってていないので、堂々と支度をした。ここんとこ異常に暖かいので何を着てくかちょっと悩んだが、一応真冬の服装で出かけることにする。暖冬だとは言え、山道は寒いだろうし、西湖の標高は確か900メートルくらいあるはずだ。

昨晩用意しておいたキャンプ装備をGNに括りつけ午前5時、GNを車道に押し出して跨った。荷物を積んでるときの跨り方にも大分慣れてきた。俺はメットのシールドを下げ、「良しっ!」と掛け声を掛けて出発したのである。何が良いのかは、分からない。

いつものセルフスタンドで給油して環七を走り、大原交差点を右折。大月を目指して国道20号を走る。

環八を超えて調布、国立を通過し、日野橋を渡って八王子の手前でコンビニに入った。出発から1時間30分走って、48kmだ。道が混んでる訳ではないのだが、国道20号は信号が多いので距離が伸びない。国道4号や国道6号の早朝なら、1時間で走る距離だ。まあ、今日はお泊りだからのんびり行こう。

コンビニでトイレと朝食を済ませて再出発。八王子駅のあたりは信号がやたら多くてストレスが溜まるが、八王子を越え高尾山に差し掛かると山の空気と言うか、土や木々の香りがすがすがしく、一気にツーリングムードが高まってきた。俺はなんだか上機嫌になり、高尾山のワインディングを駆け抜けたのだった。

午前7時30分。出発から75km走って相模湖畔に到着。相模湖って俺ん家から75kmで着いちゃうのか。ちかいな。

山道に入ってから大分寒くなってきた。幸い、今のところ凍結は大丈夫そうだが、この先はさらに気温が下がることが予想される。ここで俺はフェイスマスクを装着し、銚子以来一ヶ月ぶりに怪しい正義の味方となって再出発したのである。

相模湖を後にして30分程走り、大月駅を越えて国道139号を左折したところで、俺はとりあえずGNを道端に停めて一服した。ここまで凍結どころか、道端の残り雪も全くなく、地面は完全なドライだった。この分ならこの先も凍結の心配はなさそうだ。

それにしても、国道20号は休憩する場所がない。もうちょっと道の駅とかあればいいのだが。

富士吉田駅の辺りで国道137号を右折して少し走ると河口湖畔だ。川口湖は遊覧船が出てたり、御土産やさんがいっぱいあったりして、にぎやかだ。無料の駐車場にGNを停めてとりあえず写真を撮って見た。

川口湖畔の駐車場を後にして、参屋ケ崎っていう交差点を左折。県道21号線を走って西湖を目指す。

午前10時30分。出発から144km走って西湖レークサイドキャンプ村に到着である。西湖レークサイドキャンプ村は、バイク1台、大人一人で一泊1500円だ。隣にある西湖自由キャンプ場は800円だ。俺はキャンプ場の設備はあまり気にしないし、ほとんど同じロケーションなので、先に西湖自由キャンプ場に行ってみたのだが、まだやっていなかったのだ。ガイドブックには3月1日からって書いたあったのに・・・

受け付けで宿泊名簿に記入し、料金を払うと、「バイクですか?寒いですよ。風邪ひかないように気をつけて下さい。」と言われた。大丈夫。風邪、ひいてますから。とは言わなかった。

車でキャンプに来ている先客が一組いたが、このキャンプ場は広い。俺はGNでキャンプ場を一周して設営場所を決定した。さくさくっと設営して、とりあえず一服し、セルフタイマーで写真撮影。ビーパル風に決めてみた。「オートバイで行く、大人の湖畔キャンプ」ってところだ。

西湖は水深90m。周囲9.87km、面積2.1平方kmで、富士五湖の中では精進湖の次に小さい湖だ。川口湖ほど観光化されてなくて、周囲には手付かずの自然が豊富にのこされている。湖畔にはキャンプ場がたくさんあり、釣りや、ボードセーリング、カヌーなどが盛んだ。

写真はキャンプサイトからの西湖の眺めだ。ヒメマスが解禁になったばかりらしく、この日は釣りのボートがたくさん湖上に出ていた。
コーヒーを飲んで一服したので、買出しと食事に出掛けた。キャンプ場の受け付けで近くのスーパーの場所を聞き、河口湖大橋の南側にあるオギノっていうスーパーで買い物をした。途中で昼飯を食べようと思っていたのだが、西湖の周りや、川口湖の南側には店があまりないので昼飯もキャンプ場で食べることにして、カップヌードルとオニギリを買った。夕飯用にはおでんのパックとうどんのパック。うどんはおでんを食べた残りの汁で食べるのだ。それに、ジャッキーカルパスとさんまの蒲焼の缶詰、ワンカップ大関、ブラックニッカのポケット瓶、2リットルのミネラルウォーターを買って、キャンプ場に戻ったのだった。
キャンプ場に戻って、カップヌードルとオニギリの昼飯を食べて一服し、「いずみの湯」に温泉に入りに行く。いずみの湯は西湖レークサイドキャンプ村、西湖自由キャンプ場と隣接していて、歩いて行けるのだ。

いずみの湯は大人一人900円で利用できる日帰り入浴施設だが、キャンプ場でもらった割引券を持って行くと800円で入れる。ちょっと高いが、露天風呂は広いし、打たせ湯やサウナもあるし、休憩所も利用できるのでまあこんなもんだろう。ここのお湯は神経痛、リュウマチ、冷え性等に効くらしい。天然温泉らしいが、泉質がどこにも書いてない。ま、気にしないからいいけど。

俺は大浴場黒潮風呂、薬草真菰風呂、大露天風呂美人の湯、打たせ湯、サウナを全て制覇して必要以上にポカポカになって風呂から上がったのであった。

すっかり暖まってキャンプ場に戻ると、どこからともなく、ズンタンタンタン、ズンタンタンタンとインデアンの戦いの踊りのような音楽が聞こえてくる。どうやら、遠くの方でバーベキューをしている一味がパーカッションのようなものを持ち込んでいて、その音が風に乗って聞こえてくるようだ。キャンプ場の雰囲気にあった音楽が聞こえてくるならまだいいのだが、インデアンの戦いの踊りじゃーなー。

とりあえず風呂上りはビールだ。俺は椅子に座り、いずみの湯で買って来た、アサヒスーパードライのプルリングを引いた。気を付けて持って来たつもりだが揺れたらしく、プシュッという音と共に飲み口からあわがあふれて地面に滴った。もったいない。長湯したので若干脱水気味な俺は、あせって飲み口に吸い付き、一気に缶の3分の1ほどを喉に流し込んだ。くーーーっ!しみるぜっ!

風呂上りに湖畔のキャンプサイトでビール。最高だ。ポカポカな体に湖のそよ風が気持ちいい。まさに大人の時間って感じだ。しかし、・・・・・・・ズンタンタンタン、ズンタンタンタン、ズンタンタンタン、ズンタンタンタン・・・・・・・・・聞こえて来るのはネイティブアメリカンの戦いの踊りだ。「ズンタンタンタンやめてーーーっ!」と俺は、心の中で叫んだのだった。

ビールを飲んでまったりしてたら、激しく睡魔が襲って来た。俺は昼寝することにした。 この時期はあまり虫もいないし、午後になってから大分暖かくなってきたので、テントの出入り口のジッパーを開けたままにして横になった。
2時間程昼寝して目を覚ました。気持ちよーく寝た。テントから出ると既に、辺りには夕闇が迫っている。もはやズンタンタンタンは止んでいる。俺はスーパーで買って来たおでんを温め、さんまの蒲焼缶とジャッキーカルパスを肴にワンカップ大関を飲んだ。おでんを食べ終えてうどんをおでんのツユに入れたが、ツユが少ないので水を足し、だしの素を投入して食べた。結構うまい。七味ときざみネギが欲しいところだ。

気温は6度。大分寒くなって来た。どこからともなく聞こえて来るのは、美空ひばりの「河の流れのように」だ。いったいなんなんだ。食事の後かたずけをして、コーヒーを飲みながら一服してテントに入り、スーパーニッカのポケット瓶をちびちびやりながら読書し、9時頃俺はライトを消して、シュラフにもぐり込んだのだった。

朝6時。キーンコーンカーンコーンと、学校の鐘のような放送で目を覚ました。既にテントの中も明るい。大分日の出が早くなって来ているのだ。俺はシュラフ、ライナー、シュラフカバーを畳んで収納袋に押し込み、テントの中を片付けて表にでた。外気温は1度だ。やっぱ朝は寒い。霧が出ていて幻想的な雰囲気だ。

歯を磨いて、とりあえずコーヒーを沸かす。ロールパンを食べて、コーヒーを飲みながら一時間程のんびりした後、撤収を30分で完了し、7時45分頃キャンプ場を後にした。管理棟でご主人に挨拶しようと思ったのだが、誰もいなかった。

キャンプ場から県道21号を左に出て、来た時とは逆の方向に走り、国道139号を左折して西湖の南側を走る。139号のこの辺は富士パノラマラインと言うらしい。西湖の北側は激しくガスってて怖かったが、この辺りには全く霧がない。時間の問題なのか、場所の問題なのかは分からない。

上宿交差点を左折して旧道に入り、富士吉田方向に進む。この道に立って富士吉田と逆の方向を見ると、商店や住宅が並ぶ道の正面に富士山が大きく聳えている。この道には、地域の住民一人一人、その人しか知らない生活と、日本人なら誰でも知っている富士山の雄々しい姿が共存している。そのコントラストがいい感じだ。この辺りの住民には生活の中に、あたりまえのこととして富士山の姿があるのだ。

俺がバイクと車の違いを感じるのは、こんな道を走っている時だ。バイクだと、この瞬間この景色の中に明らかに、自分がいると感じることができる。そして沿道の生活臭を嗅ぐことができる。車で走り去るときの沿道の風景は、どちらかと言うとテレビ画面や、スクリーンで見る景色に似ているかも知れない。ウィンドウ越しに見る景色は、なにか違う世界の出来事と言うか、なんとなくよそよそしく感じる。

国道139号から大月で国道20号を右折して、昨日来た道を戻る。相模湖、高尾山を越えて八王子市に入ってGNを道端に停めて一服。相変わらず八王子から環八までの国道20号は走りにくいが、まあ順調に進み、大原交差点で環七を左折して一気に走り、西湖レークサイドキャンプ村を出てから148km、昨日の朝マイホームを出発してから316km走って12時に無事帰還したのであった。

3月の始めは西湖辺りはまだ真冬のはずだが、残り雪も凍結も全くなかった。キャンプ場のご主人の話では、例年では考えられないと言う。やはり今年の暖冬は異常らしい。まあ、お陰でこの時期に無事キャンプツーリングに行けた訳だが。

家に着いて速攻でテントやシュラフを干し、荷物を整理した。俺は本来不精者なので、普通なら面倒なこの手の作業がことキャンプとなると、全く苦ではないから不思議だ。家に帰ってキャンプ道具を整理し、ツーリングレポートを書き終えて俺のツーリングは終了するのだ。


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