2006年8月27日
日帰り朝風呂ツーリングIN塩原

目的地 畑下温泉 青葉の湯
ルート 行き : R4バイパス → 県道30号 → 国道400号
帰り : 国道400号 → 県道30号 → R4バイパス
走行距離 328km

今回のテーマは「温泉で朝風呂に入ろう!」だ。東京に住んでる人間にとって、温泉の露天風呂で朝湯に浸かるっていう行為は、泊りがけで温泉旅行をしている時くらいしか無いはずだが、今回は日帰りでそれをやってしまおうという目論見だ。
言うまでもないことだが朝風呂は素晴らしい。小原庄助さんが身上をつぶした三大要因の一つにもなっている程なのだ。余談だが、小原庄助さんという人物にについては不明な点も多いが、会津藩から苗字帯刀を許された郷頭で、万人から愛される豪放磊落な人物であったが、戊辰戦争で討ち死にをしてしまったという説が有力だが、今回のツーリングとは全く関係ない。

さて、そこで俺は考えた。朝風呂とはいったい何時ごろまでに入浴することを言うのだろう。小原庄助さんの時代なら、人は日の出と共に行動を開始していただろうから、朝湯って言ったらえらい早い時間な気がする。現代人の場合もうちょっと遅くてもよさそうだが、9時、10時では遅すぎる感じがする。
俺は勝手に定義した。朝風呂とは、日の出から午前8時までの、しかも朝食前の入浴を言うのである。うん!ん?いや、いいのだ!

家から塩原まで、余裕で150キロはある。GNはピンクナンバーなので全て下道である。 俺は4時間で目的地に到着すると余裕を持って仮定し、逆算して3時30分に家を出発したのであった。

環七から国道4号を左折した。早朝なのか、深夜なのか微妙な時間だ。恐らくトラックのドライバーには早朝だがタクシーには深夜なのだらろう。

旧道の分岐を右にやり過ごしてバイパスに入り、ひたすら走る。草加から越谷あたりは信号が多く、あまり早い流れにならないが、信号の数が減ってくるにつれだんだん流れが早くなって行く。ちょっと怖い。利根川を渡って茨城県、栃木県、また茨城県、またまた栃木県に入る頃には、右車線なんつったひにゃー120キロ位出してんじゃねーの?って車がいる。だいぶ怖い。おしっこしたくなってきたし、このままじゃちびる懸念が生じ始めたころ、宇都宮市に入り、空も大分明るくなって来た。

コンビニらしき看板が見えたのでトイレ休憩しようと思って駐車場に入ったら、普通の酒屋さんでまだやってない。せっかくだから自販機の缶コーヒーを飲んで一服して再出発したのだが、膀胱のはり具合が尋常でなくなって来た。トイレ行きたいのになんでコーヒーなんか飲んでんだよ、俺!

幸いにもすぐにコンビニがあり当然飛び込んだんだわけだが、トイレのドアには俺を絶望の深淵に叩き落すに十分な3文字が、「清・掃・中!」。
俺は、週刊誌を立ち読みするふりをしながら、清掃が終わったら一番でトイレに行ける位置をキープした。いつ終わるとも知れぬ地獄のような時間をすごしたが、おばさんが出てきたて「清掃中」の札をはずしたので、「トイレいいですかっ?!」と一応聞いたが、返事を待たずにダッシュして用を足したのである。「ふーーーーーっ」

俺はどうにかピンチを脱してすっきりと再出発した。矢板市に入って少し走り県道30号の分岐を左に入る。県道30号は4号バイパスと違っていいペースで走れる。GNも膀胱も絶好調だ。

だんだん景色が良くなって来た。遠くの山並みが低い雲に霞んで、神秘的で美しい。が、北上するにつれだんだん寒くなって来た。停車すると生暖かいのだが、走ってると体の芯から冷えて来る感じだ。温泉にでも入りたい気分だ。てゆーか温泉に入りに来たんだった。

国道400号を左折して、箒川沿いを走る。箒川にはやまめがいるらしく、この日もアングラーが何人か入渓していた。今度フィッシング&ツーリングなんつうのもいいなあ。

美しい渓流なので、箒川に目が行きがちだが、山間の国道400号は結構ワインディングしているので脇見運転は危険だ。しっかり前を見て走りましょう。
駐車場に停車してトイレ休憩。まだトイレはだいじょぶだったが、俺は学んだのだ。さっきの地獄はもうごめんだ。トイレは入れるときに入っとく。これを今後の人生の座右の銘にしよう。それほどまでに俺はつらい思いに耐えた。耐え抜いたのだ。(いーよどーでも)

ついでに渓流をみながら、さっきコンビニで買った「キリン小岩井ミルクとコーヒー500」を飲みながら、これもコンビニで買った「チョコ&ホイップツイスト」を食べた。うまい。...あっ!!朝風呂の定義は朝食前のはずだった.....
いや、違う。最初の定義が間違いだった。朝風呂とは、日の出から午前8時までの入浴のことだ。朝食は関係ない!俺が定義したんだから俺が定義し直してもいいのだ!

福渡温泉、塩釜温泉を通過し、畑下温泉に入る。この辺りの温泉郡を塩原温泉郷というの だ。畑下温泉に入るとすぐに左側に大和屋旅館があるのでその先の細い道を左に入り、すぐに又左に入ると少し先に「青葉の湯」に行くための橋があるのだが、手前に車止めがあり、進入してはいけない雰囲気だ。畑下温泉街の人と思しきおじさんがいたので、「青葉の湯に来たんですけど、ここにバイク止めていいですか?」と聞くと、車止めの先まで進んでもいいと言ってくれた。そして「入る前に、湯加減見てくださいね。まだ時間が早いから熱すぎたり、ぬるかったりするかもしれませんから。」と丁寧に教えてくれた。

俺は、車止めをすり抜けて進み、橋の下にGNを停めた。目論見どおり7時7分に本日の目的地、畑下温泉青葉の湯に到着である。さあ、朝風呂だ。

箒川を渡り、対岸の青葉の湯に向かう。以前は川にコンクリートの土台を置いてその上に木橋が架かっていたらしいが、増水で何回となく橋がながされたので、最近このようなりっぱな釣り橋に架け替えたえたそうだ。古い橋のころに来たら、もっと秘湯っぽかったかな。
橋を渡りきってすぐに右に下りていくと脱衣所と湯船がある。入浴料は基本的に無料だが、清掃などの管理費と言うことで200円を入り口に設置されている筒に入れる。写真の木の衝立の向こうが脱衣所だ。男女混浴だが、橋を渡る人や、対岸の旅館街からは丸見えなので、女性にはきついかも。湯船と脱衣所が同じ場所にあって目が届くので、貴重品を置いておいても安心だ。ライダーには重要なポイントである。

同じ塩原の無料露天風呂でも、「不動の湯」や「岩の湯」ほど知られていないし、時間も早いので、思ったとおり誰も入っていない。うれしい。一人でのんびり入浴できる。

俺はさっそく服をぬごうとしておじさんの言葉を思い出し、湯加減を見てみた。うーん。いい湯加減じゃん。

かけ湯をして、湯に浸かった。バイクで冷えた体に湯が染みる。叫びたくなるほどいい気持ちだ。鉄分を含んでるので若干茶色くにごっっている。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で湯温は50〜76度と高めだが、かけ流しの湯量で温度を調整している。婦人病、皮膚病、やけど、創傷に効くらしい。

湯になれてきたら、ちょっとぬるく感るようになった。湯の出ている蛇口を開き、湯の量を多めにしたら、すぐにいい温度になって来た。川のせせらぎを聞きながら朝の露天風呂。最高だ。

一時間位湯に浸かったり、湯船の淵に腰掛けて川を眺めたりして満足し、湯から上がったのだった。

青葉の湯を後にして国道400号を走り、県道30号の手前の道の駅、「湯の香塩原」でトイレ休憩と一服。直売所があったのでトウモロコシがないか見てみたが、大根しか売ってなかった。道の駅を出てすぐの県道30号を右折し、暫く走って国道4号と合流した。途中で一回給油して午前11:40分に帰宅した。



往路はあんなに寒かったのに、温泉入った後はずーっと寒くならなかった。湯冷めするかとちょっと心配したが、温泉効果恐るべしといったところか。一時間くらい露天風呂に入るために3時起きして往復328キロ走った訳だが、十分価値のあるツーリングだった。満足だ。


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